Vol.47

過去2年で最もチャンス広がる「未経験・異業種」転職事情~人生のコネクティング・ザ・ドッツを成就させるには

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知らない土地へ足を運ぶ。自国語が通じないような地域へ行ってみる。そんな時、人は不安に感じるものだ。それでも旅に出るのは、好奇心が上回り、変わらない毎日で失いがちな高揚感を味わうためだろう。

仕事にも、似たようなことが言えるかもしれない。今までと違う仕事にチャレンジすることは好奇心をくすぐり、新しい知見を得るのは楽しいものである。

もちろん、仕事は日常生活を支える糧でもあるため、給料やその他の条件をないがしろにするわけにはいかないだろう。培ってきた経験がそのまま通用しない世界は不安でもある。

それでもなお、未知の世界へ向かいたいという情熱が上回った場合、「自分の気持ちにしたがう」ことは絶対的に正しい解となる。かのスティーブ・ジョブズも、人生とは「Connecting the Dots」、つまり一見関係のない「点と点」をつなげる旅だと述べているように。

そこで下の図を見てほしい。今、エンジニア、とりわけIT関連の転職市場において、過去2年で最もキャリアチェンジのチャンスが高まっているというデータだ。2013年~2015年3月までキャリア転職サイト『@type』に掲載されたソフトウエア求人のうち、「未経験歓迎」と謳うものの数はほぼ倍増している。

■『@type』に掲載された「未経験歓迎」のソフトウエアエンジニア求人推移

青の棒グラフで示した「未経験歓迎の求人数」
青の棒グラフで示した「未経験歓迎の求人数」は、2013年1月に比べて2015年1月はほぼ倍に。ソフトウエア求人全体の中に占める割合(グレーの線グラフ)も上昇している(『@type』調べ)

また、分野を変えるキャリアチェンジに乗り出す人の割合も、総じて増えている(データは後述)。転職は旅行に行くほど気軽にできるものではないが、もしもソフトウエアやシステムによって何かを変えることに情熱を感じるなら、現在は行動に移る好機であることに間違いないのだ。

では、ジョブズのアドバイスのように「キャリアの点と点」をつなげるには、何を心掛ければいいのか。

キャリアチェンジに挑む人が増えている理由とは?

その前に、前述したキャリアチェンジに挑戦する人たちの統計データを紹介しよう。

以下の図は、

■IT関連の『@type』会員が、どのような分野の求人に応募をしているか?

を割合として算出し、ビジュアル化したもの。上から順に、サイト登録時に「オープン・Web系開発経験者」、「制御・ファームウエア・組込み系開発経験者」、「汎用機系開発経験者」と自らをカテゴライズした会員の動きだ。

どの図からも、オレンジの領域=オープン・Web系求人への応募行動が多くなっていることが見て取れる。

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昨今のソフトウエア・システム開発は「Web前提」となっていることが多いという背景に加えて、幅広いビジネス領域でITテクノロジーが求められるようになっていることも、この動きを助長していると考えられる。

さらに、ネットワーク・サーバ設計エンジニアの中ですら、徐々にだがオープン・Web系開発の仕事へとキャリアを移行しようとする動きが強まっている(下図)。

(すべて@type調べ)
(すべて@type調べ)

エンタープライズ・B2Cそれぞれの領域で、フロント寄りの仕事が増えているという事情や、主にベンチャーの採用でフルスタックなエンジニアが求められるようになっていることも、この動きを助長していると予想される。

ただし、こうして(キャリアの触れ幅的に)大小さまざまなキャリアチェンジに乗り出すエンジニアが増えているとはいえ、全員が希望をかなえているわけではない。ならば、未経験・異業種転職に成功するには何が必要なのか。

未経験・異業種でも活躍できる人、2つの事実

From Michelle Milla 人生の「点と点」を上手につなげる発想と行動とは?

From Michelle Milla 人生の「点と点」を上手につなげる発想と行動とは?

多くのIT・Web企業を取材していて感じるのは、採用側が「スキルマッチよりもカルチャーマッチング」を重要視しているケースが案外多いということ。

今はネットにおけるナレッジシェアや各種エンジニア向けの勉強会が活発に行われており、新たな技術スキルを勉強する際のコストは下がり続けている。

それゆえ、「ベースがあれば技術は後からでも勉強できる」、「それ以上に、仕事の進め方や自社の開発風土にフィットするかどうかを見て採用する」という企業が増えているのは理に適う話だ。

実際、以下の記事で紹介している「SEから事業会社に転職したエンジニアたち」の証言を見ても、転職後の仕事で重要なのは開発スピードへの適応や自主的に学ぶ習慣などという声が多い。

>> 「SIでの開発経験は事業会社で通用しない」は勘違い~元SE4名の実体験に学ぶ、働き方をフィットさせる方法

これは、「SI→事業会社」のケースのみならず、さまざまなキャリアチェンジで共通するポイントだろう。

そしてもう一つ、学習コストが下がっているという点を踏まえて言うなら、「外の潮流を知る」という行動を習慣化するだけでもキャリアチェンジの可能性が高まるということだ。

例えばサイボウズ代表の青野慶久氏は、クラウドを駆使して顧客に提供できるソリューションの幅が劇的に広がっているという現状を背景に、エンジニアが活躍する場所は多方面にわたるようになったと説明していた。

「今ほどエンジニアに可能性と未来が感じられる時代もないと思います。私自身がフリーのデベロッパーになりたいくらい(笑)。顧問弁護士のように長い付き合いの中で、顧客と一緒に課題解決に当たれるわけですから、楽しくないわけないじゃないですか。
(中略)
チームワークが前提なら、今は自分が好きな領域を深堀りしつつ全体として大きな成果を残すことも可能です。インフラからフロントまで、エンジニアやプログラマーが活躍できる場は、以前に比べて格段に広がっていることを知っていただきたいと思います」

>> 「クラウドは社会を変え、SEを“IT士業”に変える」より

潮目が変われば、どんなジャンルのエンジニアにも新たな役割が求められ、今重宝されているスキルも陳腐化していく。であれば、変化の兆しをウォッチしつつ、「今使える知見」を新しい世界で活用・応用する道を考えながらそこに飛び込んでみるという行動を起こす方が、生存戦略としても妥当だ。

未来に向かって「点」をつなげることはできないが、過去を振り返って「点」をつなげることはできる。もちろん、努力と情熱があればだが――。そう考えて動くことが、人生に違いをもたらすきっかけになるだろう。

文/伊藤健吾(編集部)

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