Vol.196

カギはデジタル化の波~実力派エンジニアが続々集うアバナードに見る、「今コンサル会社に技術者が必要な理由」

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AI、IoT、音声認識、ブロックチェーン……。IT業界では、常にその時々の注目領域がバズワードとして語られる。

その中のいくつかが一過性のバズで終わらず本格普及していくわけだが、2017年、この普及フェーズに入っていきそうなものの一つが、エンタープライズITにおける「デジタル化」だ。

ITによる業務改善・効率化から、テクノロジーそのものが新たな事業を生み出していく流れにシフトしていく「デジタル化」の波は、クラウドやAIなどの発展に伴い目に見えて大きくなっている。ここに新たな商機を見いだそうとする企業も急速に増えており、それと比例するように、SIerやITコンサルティング企業はデジタル化のサポートに注力している。

今回紹介するグローバルコンサルティングカンパニーのアバナードも、その一つだ。

アバナードのWebサイトより

米MicrosoftとAccentureのジョイントベンチャーとして設立された同社はこれまで、Microsoftが有する各種テクノロジーを基軸に、さまざまな企業変革を実現してきた。そして今、コアテクノロジーを熟知した実践的なコンサルテーションができるというアバナードの強みが、デジタルビジネスの台頭でかつてないほど脚光を浴びている。

事実、昨今のプロジェクト増を受け、アバナードには名うてのエンジニアたちが集まってきているという。そこで、彼らに期待される働きや、エンジニアからコンサルタントにジョブチェンジをする上でのポイントなどを聞いた。

「新技術の実装まで主導できるITコンサル」が求められている

まずは、なぜ今、コンサルティング企業でエンジニアの価値が高まっているのかを説明しよう。ポイントは、クライアントへの提案スタイルの変化だ。

これまでのITコンサルティングでは、ヒアリングなどを通して見つけた経営課題・業務課題を解決するプランを提案し、そこで必要となるシステム像を要件定義した上で開発~導入プロセスへ移っていくという流れが一般的だった。

ここでコンサルタントに強く求められるのは、クライアントの事業や業務プロセスの理解。場合によっては「業務のことはクライアントが最もよく知っている」という前提に立ち、ハンズオン型で業務変革を共に行いながら理解を深めていくケースもあった。

しかし、デジタルビジネスの創出を前提としたコンサルテーションでは、そこからさらに一歩踏み込んだアプローチが問われるようになる。「どの事業分野でデジタル化を進めていくべきか?」、「デジタル化でどんな新規事業を創出できるか?」といった悩みに応えていくには、テクノロジードリブンで事業を構想し、かつ形にしていくことが求められるからだ。

それゆえ、最新技術に精通しながら、ソリューション提案とプロジェクトの遂行までを担うことのできるエンジニアへのニーズが高まっているのだ。

クラウドの専門家からMicrosoft MVPまで。優れたエンジニアが集結

この「新しいコンサルティングニーズ」に適した経験を持つエンジニアを代表して、2016年にアバナードに入社した2名に話を聞いた。

(写真左から)アバナードの萩原正義氏、古賀慎一氏

(写真左から)アバナードの萩原正義氏、古賀慎一氏

昨年12月に入社し、現在はディレクターのポジションにある萩原正義氏は、国内メーカー2社の研究所を経て、日本マイクロソフトに転職。クラウドコンピューティングのソリューションアーキテクトとして、米Microsoftでコアテクノロジーを学んできた他、Hadoopで匿名性を実現しながらミッションクリティカルな大規模システムを運用するようなプロジェクトにも携わってきた。

米国勤務時代は、ロンドンの地下鉄のIoT化プロジェクトや、超が付くほどの負荷対策が求められるオリンピックのWebサイト運営(※2014年のソチ冬季五輪時)といった国際的な最先端プロジェクトを担うチームで働いていたという。海外の先鋭的な事例にも明るいという萩原氏の強みは、デジタル化による新規事業を提案・具現化していかなければならない昨今のコンサルティングで非常に役に立つ。

「私の得意分野は、データベースの内部設計や分散システムのアルゴリズム設計。最近はブロックチェーンなども勉強しています。実はMicrosoftにいた時、アバナードのコンサルタントとプロジェクトをご一緒したことがあり、その際に愚直にクライアントファーストを実践する姿を見て感化されたことが入社の理由なんです」(萩原氏)

そして、もう1人は2016年1月に入社したマネジャーの古賀慎一氏。2015年、Microsoft MVPに選ばれた同氏はアバナードに入る前、一部上場企業のシステム子会社やベンチャーなどに所属しながら、.NETベースのアプリケーションデザインと構築、ALM(アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント)などを行ってきた。

アバナード古賀慎一氏
大規模な業務系システムであればあるほど、さまざまなITリテラシーの人が使う想定をしなくてはならないという古賀氏

「個人的な意見ではありますが、エンタープライズ向けのシステム開発を比較的安価で確実に行うことができるのは、やはりOffice関連の製品を持っているマイクロソフトのソリューション群だと感じています。なので、一貫してこの分野に携わってきました」(古賀氏)

また、事業会社でITを活用するには、テクノロジーについてあまり知らないような人から、開発・運用に携わる上級者までを対象にしなければならない。このことから、古賀氏は「ITリテラシーや開発の技術力のギャップを埋めるようなプロジェクト進行」にも目を向けてコミュニティ活動などを続けてきた。

その成果の一つが、自ら執筆したC#・Visual Studioを使ってモダンな開発を行うための書籍『チーム開発の教科書』であり、彼の持つ見識はデジタル化を見据えたコンサルティングでも力を発揮している。

デジタル化時代のITコンサルに適応できるエンジニアの資質とは?

萩原氏と古賀氏は経歴も経験も大きく異なるが、共通しているのは最新技術を駆使しながら「ビジネスアーキテクト」としての振る舞いもできるという点。アバナードによると、まさにこのビジネスアーキテクトとしての素質が、これからのITコンサルタントに求められるそうだ。

では、まだまだ先例の少ないデジタル化のコンサルティングで、テクノロジードリブンでビジネスを設計し、形にしていくために求められることとは具体的に何なのか。

アバナードに入社してから約1年、複数のプロジェクトに携わってきた古賀氏は、技術面で高度な専門性を持つ人たち同士がコラボレートしていくことの重要性を挙げる。

「いくつかプロジェクトを経験して感じたのは、当社の特徴はスタッフ同士が互いの専門性と役割をリスペクトしていることと、とにかく課題解決のスピードが速いことです。普通だったら1~2カ月はかかりそうなことが、ミーティングの間に人的リソースの配分や役割分担がすぐに済んで、わずか30分でメドがついてしまうこともあります」(古賀氏)

米Microsoft在籍時、アバナードのスタッフとプロジェクトに取り組んだ経験がある萩原氏も、アバナードのチーム力についてこう言う。

アバナード萩原正義氏
米MS在籍時からアバナードのエンジニアたちに一目置いていたという萩原氏

「その時はIoTに関するプロジェクトを進めていて、クラウド側で何かしらの障害が起きていることは分かっていたものの、その詳細原因を突き止めきれずにいました。こちらはアメリカの本社にいたので、日本とは時差があったにもかかわらず、アバナードのスタッフは問題を解決しようと四六時中努力してくれました。その前向きな姿勢が、当社の強みなんだと感じています」(萩原氏)

加えて萩原氏は、ステークホルダーの立場に応じてテクノロジーの説明を「話し分ける」能力も問われると指摘する。

「あまりITに詳しくないクライアントの担当者に専門用語を使って説明をしても、理解や共感は得られません。これは、エンジニアがハマりがちな落とし穴でもあります。技術は手段の一つですから、その手段の良しあしを説明する前に、『このプロジェクトがどんな新しい価値をもたらすのか』という目的を説得力ある言葉で語る能力が大事だと思います」(萩原氏)

その一事例として、萩原氏はFinTech分野で注目技術の一つとして知られるブロックチェーンの持つ可能性についてこう説明する。

「ブロックチェーンは現状、仮想通貨や暗号通貨を支える基盤技術として注目されていますが、他にも、例えば著作権のような“見えない価値”をデジタルな世界で安全に管理・移転できるという使い方が考えられます。データベースのトランザクションとして書き換えができないという技術的な特徴を活かして、どう新たなビジネスの創出へ結び付けていくかといったところまで想像してクライアントに提案していくのが、ビジネスアーキテクトの役割になるのです」(萩原氏)

こういった能力は、やはり「実際にクライアントのそばで課題と向き合いながら実装までサポートすることでしか身に付かない」と2人は口をそろえる。

「クライアントにとって新たな価値をもたらす提案と実行に責任を持って取り組んでいくわけですから、トラブルが起きにくい完成度の高いシステムづくりが大前提です。そして、その目的完遂のために知識をフルに使っていく。そんなプロジェクトをいくつも経験できるのがアバナードで働く醍醐味です」(古賀氏)

SEから上流工程へ、専門分野の幅を広げてフルスタックなITアーキテクトへ……など、エンジニアにはさまざまなキャリアパスがある。今回の取材では、その一つとして、ビジネスアーキテクトへの転身という道も広がりつつあるということが分かった。

そして、ITコンサルタントの役割が大きく変わっている今、アバナードにはビジネスアーキテクトとして多彩な分野に変革をもたらしていく活躍の場が用意されている。

取材・文/浦野孝嗣 撮影/竹井俊晴

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