Vol.180

ベンチャーが次々に大手クライアントのテクニカル・パートナーへ。信頼獲得の秘訣“技術力×提案力”の中身とは?

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突然だが、レック・テクノロジー・コンサルティング(以下、「Re:Q」)をご存じだろうか。2008年に設立した同社は、インフラ技術を強みに大手SIerとの競争を勝ち抜き、運輸企業やアミューズメントグループ、旅行サービスやヘルスケア企業など業界リーディングカンパニーの案件を続々と手掛けている。

こうしたビッグクライアントの案件では、より一層スピーディな開発や安定や安全性、柔軟性などが求められる。しかしRe:Qは、総勢わずか70名弱のベンチャー企業でありながら、クライアントが求める多様なニーズに対して期待以上の功績を残し、“テクニカル・パートナー”として大手SIerやエンドユーザーから絶大な信頼を獲得している。

はたして何がそれを実現させているのだろうか? Re:Qの技術者たちは、何が他社と違うのか?

同社の躍進を牽引する2人のリーダーに話を聞いた。

(写真左から)レック・テクノロジー・コンサルティング DB技術第二部部長青木篤史氏、インフラ技術第一部部長中川雄氏

(写真左から)レック・テクノロジー・コンサルティング DB技術第二部部長青木篤史氏、インフラ技術第一部部長中川雄氏

“技術屋”の枠を超えて注目を集めるRe:Q

いったいなぜ、こうした重責をRe:Qは獲得できたのか? 中川氏はこう答える。

「理由はシンプルで“技術力”と“提案力”です。多くの人員を抱えているSIerでさえ、ヒトの提供によって問題を解決しようとするケースが多いのではないでしょうか。しかしRe:Qは設立当初から、ヒトの提供ではなく、技術サービスの提供を心掛けてきました。それまで培ってきた知識を駆使しながらお客さまの課題や望んでいることを具体的に抽出し、解決策の提案をしてきたんです」

一方、青木氏は「技術力×提案力」を強化してきた背景について続けた。

「私と中川が入社した当時のRe:Qには10名弱しかいませんでしたが、とにかく高レベルで技術を学び、それらを実践・実用する中でまた学び直す、という姿勢を貫いてきました。その成果を多くのお客さまが評価してくださっているのだと自負しています」

自分が担当する仕事にだけ特化した知識を身に付けるのではなく、インフラに関する全般的な知識を保有する2人。だからこそクライアントの課題に対して根本的な原因を見いだし、それを解決するための提案が行えるのだ。

「近年インフラ関連技術は急速に進化しています。ハードウェア、ミドルウェア、ネットワーク、OSなど無限に広がる選択肢から、どれとどれを組み合わせたらお客さまの望む効果や結果に直結するのか。これを語るには高度な知識と、実用した経験やノウハウが必要になります。大事なのはヒトの数ではなく、本当に有効な技術を体得したヒトがいるのかどうか、なんです」(中川氏)

「定型化した既存の技術やツールを、お客さまに頼まれた通りに提供するだけならば、エンジニアが大勢在籍している大手ベンダーやSIerが圧倒的に有利だと思います。でも、お客さまが望んでいるのはもっと根本的な課題の解決なんですよね。プロジェクトの複雑化が進み、お客さまだけで最適な解決策を見出すことが難しくなっている今だからこそ、確かな知見を持って一緒に課題解決をしてくれる存在が求められているのだと思います」(青木氏)

「長年のつき合い」がなくてもコンペで期待と信頼を勝ち取る。その理由とは?

ここまでの話を聞いても「なんだかんだ言っても、大企業案件ではベンチャーは大手SIer、ITコンサル、ベンダーなどの二次請け、三次請けになりがちでは?」と考えるインフラ技術者は多いだろう。では実際にRe:Qの現場ではどんな事が起こっているのか。

例えば日本を代表する運輸会社との関係に、Re:Qの特徴が表れている。当初、複数の技術を使用するインフラシステムの複雑な検証プロジェクトを大手SIerからの指名で手掛けた同社。そこでしっかり成果を出すと、続けざまに予約システムのリプレイスやその後の災害対策システムの構築支援を依頼され、現在では大規模なクラウド活用システムへの移行を筆頭で担っている。ひとつの案件から次の案件の受注へと繋げられた決め手は何だったのだろう。

レック・テクノロジー・コンサルティング 中川雄氏
SIerでインフラ全般に携わるエンジニアとして実績を重ね、2010年にRe:Qに入社した中川氏

「お客さまは真剣です。一つ一つのプロジェクトで、その仕上がり、成果を厳しくチェックされますが、そこで私たちが期待を超えるものを提供すれば、次の課題について意見を求めてくださいます。説得力のある提案をすれば、『じゃあRe:Qさんにお願いするよ』となるわけです」(中川氏)

ビッグクライアントの案件受注には「ベンチャーが入り込む余地などない」と感じるかもしれない。しかし、ビジネスで激しい競争を繰り広げ、勝利している大企業だからこそ「実」のあるものは正当に評価してくれる。

一方、青木氏が陣頭指揮を取り続けている化粧品・サプリメント大手のファンケルとの関係は、大手SIerからの依頼で3社によるコンペの提案フェーズからスタートしたという。全国の情報系DBをリプレイスし、マイグレーションしていくという大プロジェクト。Re:Q以外のコンペ参加企業は2社とも超大手ベンダーだったという。しかし、ここでもRe:Qはインフラ・データベース技術に特化してきた強みを活かし大手SIerとともに受注を勝ち取った。

「DBの移行には環境や事情、あるいはお客さまの望む機能や効果次第で、そのアセスメントの方法論は変わってくるわけですが、このリスク・アセスメントにおける具体性を評価していただいたんです」(青木氏)

他のコンペティター2社がざっくりとした観点からリスク・アセスメントのコストを算出していた程度だったのに対し、Re:Qは過去の経験に基づき、リアルな対処法と実質的なコストとを明確に打ち出した。その結果ファンケルがこの内容と誠実な姿勢とを評価し、このプロジェクトの肝となるDB部分を担うことになったという。

ビジネスで成功を収めている大企業だからこそ、常に最良の問題解決を追求している。そしてエンジニア集団の「力の違い」に気付く。「長いつき合い」などなくても、確固たる信頼は得られるのだ。いずれの成功事例も“技術力×提案力”のたまものであることは言うまでもない。

「エンジニア」というよりも「最高レベルの技術を体現できるコンサルタント」

ビジネス市場の変化と、システム関連技術の止まらない進化により、インフラ領域での問題解決はどんどん複雑化し、難易度が増している。だからこそ確かな技術とノウハウを持つRe:Qが評価されているわけだが、今やその立ち位置は「信頼できる技術屋さん」の範疇を超えている。

「社長(レック・テクノロジー・コンサルティング代表取締役・紙屋滋氏)は、一貫して言い続けています。『われわれは単なる技術屋になるのではない。インフラあるいはDBのスペシャリストであり、同時にコンサルタントとして、お客さまから最も信頼されるテクニカル・パートナーにならなければいけない』と。そういう姿勢の会社だったからこそ、私も青木も入社したんです」(中川氏)

レック・テクノロジー・コンサルティング 青木篤史氏
青木氏は「顧客のためにどう貢献できるか」を考えられる人が活躍できると話す

「アプリ系のエンジニアからしてみれば、インフラは地味な世界と思われるかもしれませんが、そんなことありません。守備範囲は広いし、それぞれのカテゴリーで奥深い専門知識が問われる。よその会社で作られた装置やシステムについても学んでいかなければ、全体を見通した理想的提案をすることはできません。常に勉強するのは当たり前、実践してノウハウを蓄積していくのも当たり前の世界なんです。言い換えれば、情熱を持っているエンジニアにとっては、どんどん成長していけるということです」(青木氏)

また、Re:QにはDBやミドルウェア、サーバー・ストレージ・ネットワークなどのインフラ技術に対して自分たちのノウハウをもとに作り上げた、現場で活かせる技術を身に付けられるトレーニングサービスも提供しており、クライアントからはこうした姿勢もまた評価され、喜ばれているのだという。

求められるのは最高の解決策を提案する力と、それを形にする技術力

青木氏によれば、クライアントに及ぼす影響が甚大であるインフラエンジニアは、常にプレッシャーにさらされるとのこと。だが、それだけにやりがいも大きく、成長意欲のある者にとってはチャレンジのチャンスがいくらでもあるのだという。

「インフラ技術者はコードのことなんて分からなくてもいい、なんてことは言っていられません。むしろ知りたい、学びたいという人間だけが、力を伸ばしていける。だからRe:Qは情熱派で成長志向な人間しかいません。そのおかげで今この成果が生まれているんです」(青木氏)

大企業のシステム基盤に携われる醍醐味を存分に堪能しようと思えば、毎日が学びの連続だが、その努力の成果を発揮できる場がRe:Qにはあるのだという。エンジニアとしての自身の価値を高め、コンサルタントとしても信頼を受け、クライアントのパートナーとなって貢献していく……規模の論理に依存しない気鋭のベンチャーだからこそ、それが可能なのだ。

取材・文/森川直樹 撮影/赤松洋太

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