Vol.70

「作ってみた」がすべてを変える。実績ナシでも転職したいなら期待感の醸成が大事【連載:えふしん】

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えふしんのWebサービスサバイバル術 藤川真一(えふしん)氏FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にpaperboy&co.へ。ショッピングモールサービスにプロデューサーとして携わるかたわら、2007年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。2010年、想創社(現・マインドスコープ)を設立し、2012年4月30日まで代表取締役社長を務める。その後しばらくフリーランスエンジニアとして活躍し、2012年11月6日に想創社(version2)設立

転職、新卒にかかわらず、就職活動をする際には履歴書や職務経歴書を送ると思います。しかし、応募職種が自分にとって未知の分野だったり、チャレンジングな分野だった場合には、自分のアピールの仕方に工夫が必要です。

今回は、それについて書いてみたいと思うのですが、まず簡単な例として、多くの人が未経験である大学生の新卒採用のケースで考えてみます。

勝負はコミュニケーションする前に始まっている

私自身は新卒採用にかかわった経験がないのですが、人気企業の人事担当の人は、きっとこう思っているのではないか? ということを想像で書いてみたいと思います。人気企業ならたくさんの応募があるわけですが、レジュメに書いてある情報だけで、この人は良さそうだ、と自信を持って思える人は相当少ないのではないかと想像します。

大多数のレジュメから判断可能な情報は、

・○○大学××学科卒業予定
・職務経験としては評価しにくい就労履歴
・大体、似たようなサークル経験や趣味の経験

などではないでしょうか? この中から有望な人材を探す作業をしていくことになります。

全員を面接したいのは山々でも、時間に限りがあります。また、会場の広さや面接官の時間にも限りがあります。だから書類選考という形で、母数を減らさなくては先に進めません。採用自体も競争です。のんびり選考している間に他社に優秀な人材を採られてしまうのでは、人事失格というものでしょう。

昔は書類が郵送だったため、人気就職先の都市伝説として、書類を机からバサッと落として机の上に残った人が次に進めた、という話があります。落とされた側からすると冗談でもしてほしくない話だと思いますが、物理的な限界がある以上は、何かで選ばなくてはいけないし、運の良さをそこに委ねるというのも1つの方法論かもしれません。

最近は、クリック1つで応募ができます。応募に使われるレジュメの情報は求人サイトのデータベースに入っているため、応募することそのものに「学歴によるフィルタリング」も使われると聞きます。個人的にはこっちの方が残酷だと思いますが、ある意味、納得感の得られる方法なのかもしれません。

面接通過のためには期待を超えるレジュメが必要
面接通過のためには期待を超えるレジュメが必要

仮に、1つ1つの応募書類をしっかり確認してくれる優れた人事の方がいらっしゃったとします。しかし冒頭に書いたとおり、そこに書いてある情報が、予想の範囲内の情報で終わっていたら、多様性のある人材を選ぶことはできません。

その場合、結局、学歴などの分かりやすい序列に依存せざるを得ないでしょう。もし面接できる数を制限しないといけないのであれば、分かりやすい履歴情報でフィルタリングされてしまうことには変わりないと思います。

まともな人事担当であれば、決して学歴順で人を採りたいと思っているわけはなく、自社の将来に貢献してくれる人材を採りたいと思っているハズです。

適切に判断してくれる人が存在することを期待するならば、学歴の序列を突破するような自己アピールは、応募者が書類選考の段階から戦略的に行うことが必要になります。

新卒採用で叫ばれている「コミュ力が重要」という言葉がありますが、個人的には、こういうことがうまくできていないケースで、最後に「口頭の勝負」に持ち込んでしまったことから、コミュ力勝負になっているのではないかと思っています。必ずしも卓越したコミュ力がなくても、応募者自身の魅力が採用側にとって興味深いものであれば、コミュ力を多少は割り引いても採用に至るケースはあると信じます。

つまり大切なのは、言葉を交わす前に、あなた自身の魅力をどう伝えるか? ということではないかと考えます。これは新卒採用も中途採用も関係なく言えることです。

じゃあ、どうやってやったらいいのか? そのために必要な考え方が「期待感の醸成」ではないかと考えます。

「作ってみた」実績やそこから得られた経験が期待感を生む

そもそも人の採用とは、「入社していただけたら活躍してくれるだろう」と期待することに他ならないと思います。

まず入社選考の書類選考の段階で、「この人はウチと相性がいいかな?」と小さな期待を持たせ、面接に進み、その期待が正しいと判断されれば、内定という「小さな信頼」につながります。

信頼は、入社後の活躍という新たな期待を生み、そこで結果を出せば、より信頼されるようになります。すると、また新たな期待として、任せられる仕事がどんどん大きくなります。

そうやって成果を出すことで、昇進したり昇給したりなどの形で信頼の大きさが増えていきます。つまり「期待を抱かせる」→「結果を出す」→「信頼を得る」という繰り返しこそが、「社会で働く」ということに他ならないのです。

入社選考の書類選考の段階では、その最初の一歩としての「期待感の醸成」が求められます。

From University of the Fraser Valley プレゼンテーションできるものを作ってしまうのが、期待を集める一番の近道
From University of the Fraser Valley プレゼンテーションできるものを作ってしまうのが、期待を集める一番の近道

このあたりからエンジニアtypeらしい専門職向けの話に戻っていきますが、Webやアプリにかかわる仕事の場合、一番簡単な期待感の醸成法は、

「作ってみた!」

モノをアピールすることでしょう。

もし、「有名な会社で実績ある役割を担っていた」などの分かりやすいアピールがないのであれば、実績そのものを自分で作ってしまい、その成果物でもって、実績を問うのが一番簡単です。

そこで作ってみたモノのクオリティの高さや、そこから得られている経験が大きければ大きいほど、期待感は大きくなります。ミニマムな成果物であれば、得られる期待感もミニマムでしょうし、アプリやWebサービスで実際にユーザーがついていたりして、たくさんの人に認められていれば、その道のプロとみなされて得られる給与も高くなってしかるべきです。

いずれにせよ、デザイナーであればポートフォリオの提出をしないとスキルの判断はできないでしょうし、技術者も分かりやすい実務経験がないなら、自分で作ってみたサービスがないと期待感を持つのは難しいと思います。その成果から期待感を抱かせることができればこそ、誰だって会って話を聞きたいと思うハズです。

人材マッチングは、クオリティの高い人材と良い職場が出会うためにある

最近は、カジュアルな転職サイトもあって、まずは「話を聞いてみたい!」というフェーズから応募者と企業をマッチングさせるサービスもあります。そうは言っても、期待感が得られない人と話すのは、お互い時間の無駄に終わる可能性が高いため、面接まで到達する確率は低いでしょう。

仮に面接にたどり着いても「誰でもいいから手伝ってほしい」というのであれば、いわゆるブラック企業体質であったり、仕事の質が高いかどうかには疑問を抱かざるを得ません。

そもそも「人材マッチング」というからには、要求するクオリティラインに見合う何かがある時にマッチングするわけだから、高い志を持って努力している人には、良い職場がマッチする確率が高くなるべきです。

ということからも、とにかく「あなたが期待されるためのアピール手段を頑張って準備しましょう!」というのが幸せな方向に行く方法論ではないかと考えます。

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