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クラウドエバンジェリストに聞く、「知識の陳腐化」を防ぐ情報収集術【2014年前半のインプットlog-吉田雄哉】

タグ : 2014年前半のインプットlog, IaaS, OpenStack, PaaS, エバンジェリスト, クラウド, 吉田雄哉 公開

 
業界で名の知れたプログラマーは、今年の上半期に何を学んでいたのか? 「同業者が役に立ったものは、自分にも役に立つはず」という仮説を基に、彼らの学びlogから、2014年上半期の流れを振り返り、今後の動向を予想してみよう!
プロフィール

株式会社co-meeting 取締役
吉田雄哉氏(@yuya_lush

受託開発企業、企業内情報システムを経て、2011年に株式会社co-meetingを起業。「パブリック クラウド えばんじぇりすと(略してパクえ)」を名乗り、クラウド活用のセミナー講演や執筆、企業内活用やサービス構築の技術アドバイザーを務める。全国を渡り歩き、学生から社会人までを対象にしたビジネスモデルキャンバスのワークショップも行っている

クラウドサービスのフェーズが変わってきた

「技術トレンドの勉強に、これだけ学んでおけばいいという『黄金の杖』なんてないんです」

リアルタイムコミュニケーションサービス『co-meeting』の共同創業者で、パブリッククラウドの専門家として数あるクラウドサービスの横断的な技術解説と導入支援を行っている吉田雄哉氏は、そう強調する。

吉田氏は自身のブログ「パクえ先生-ブログ」を通じても学びの情報発信を積極的に行っている

吉田氏はブログ「パクえ先生-ブログ」を通じて自ら得た情報や知見を随時発信している

加速度的に技術革新のスピードが上がる中、クラウドソリューション周りでも「IaaSのコモディティ化」、「PaaSの盛り上がり」といった動きが目立ってきた。そこで必要とされる技術・知識も、幅、量とも際限なく増え続けている。

ユーザーとベンダーの間に立ち、お互いの情報を流通させる役割を担う吉田氏は、どのような方法で大量の情報を集め、さばき、業界の潮目を読んでいるのだろうか。

吉田氏は自身の勉強法について、以下のように語ってくれた。

吉田雄哉氏が10年続けている勉強法

【1】頼りになるのは1次情報。ニュースリリースの裏側を探れ

情報ソースとしてメーンにしているのは、ベンダー側のニュースリリースです。ニュースサイトももちろん見ますが、たとえ著名な記者が書いた記事であっても、解釈に違和感があったり、別の意味が含まれていたりということがあり得ます。その真偽は、1次情報をあたることでしか分かりません。

気になるベンダーのニュースリリースをチェックしたら、「へー」で終わらせず、そのリリースが出された背景を考えることです。企業には製品を考える人やマーケットを読む人などさまざまな人がおり、そうした人たちがいろんな情報を解釈した上でのアクションが、ニュースリリースだからです。

例えば、OpenStackというオープンソースのクラウド基盤ソフトウエアがありますが、コントリビュートする企業が増え続けています。オープンソース化されて誰でもクラウドを作れるようになるということは、企業は、市場のプライベートクラウドへの欲求が高まっていると見ていると推測できます。

実際、国内で行われているイベントを見ても、注目度が高いことが分かります。したがって、今後もこの分野が躍進を続けることは間違いないでしょう。

このように、1次情報を幅広く集め、その背景を考えることで、市場の大きな流れを見ることができます。

ちなみに、講演などに呼ばれた際には、来場者と積極的に意見交換します。来場する方はそれぞれバックボーンが違いますし、年齢も高校生からお年寄りまでと幅広い。こうした得られたユーザー側の情報をベンダー側にフィードバックするのも、エバンジェリストの役目ではないかと私は思います。

【2】「初級本」から「上級本」まで売れてる本をまとめ買い

僕は本を買わない人だとよく誤解されるんですが、1カ月で10冊近くは買っています。Amazonなどでランキングの上位に入っている本を、上から全部買う感じです。

その中には、プログラミング言語の初級本も含まれています。僕はもう長いことRubyを使っていますが、時代とともに教え方は変わってくるし、初級本という切り口で読み続けることで得られるものもあったりします。

ジャンルも多岐にわたる必要があります。IaaSが成長してきて、インフラエンジニアに求められる素養も多岐にわたってきています。インフラのことだけをやって、他のことに目を向けないようでは、エンジニアとしての生存確率はものすごく下がってしまうご時勢だと考えています。

黙ってやり続ければ、3カ月で成果が出る

吉田氏はもう、こうしたやり方を10年近く続けている。その原点は小学校6年の時。初めてのプログラミング経験にあるという。

「PCの教本に書いてあった『星空』というプログラムでした。プログラムを打つとランダムに16色のドットが画面に表れるという簡単なものですが、それを見た家族が喜んでくれたのがうれしかった。ただ、電源を消したら、翌朝にはもう再現されなかった。教本を途中までしか読んでおらず、保存しなければならないことを知らなかったからです」

がんばれば自分でも人を喜ばせることができる。だが、知識を身に付けなければ、ちゃんとしたものはできない。この2つの教訓が、吉田氏を「学び続けるエンジニア」にした。

技術革新は今後、さらに加速していくはず。大量の情報を消化するには、やはり多くの時間と労力が要る。だが、そのスピード感ゆえの学びやすさもあると吉田氏は言う。

「技術や知識を正しく身に付けるには、その背景にある歴史を知ることが必要ですが、それは必ずしも、ENIACが発表された1946年までさかのぼることを意味しません。ニュースリリースを愚直に追うことが、3カ月でルート情報になり得る時代なんです」

冒頭に記したように、「私のやり方が絶対的に正しいとは言いません」と吉田氏は強調するが、一度試してみるのも手だろう。

取材・文/鈴木陸夫(編集部)

>> 「2014年前半のインプットlog」一覧はコチラ




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