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2015年、ベイエリアではスマートハウス系IoTと日本企業の進出が活発に~btraxブランドン・ヒル氏に聞く

タグ : Brandon K. Hill, btrax, IoT, ウエアラブル, シリコンバレー 公開

 

2014年もさまざまなトレンドが登場したTech業界。その振り返りをしていく上で、IoTの話題は避けては通れないだろう。

NIKEなどのスポーツメーカーが昨年から発売を開始していたスマートウォッチの分野でも9月に本命だったAppleが『Apple Watch』を発表したり、10月には高級時計メーカーとして知られるタグ・ホイヤーがスマートウォッチへの参入を発表するなど、ウエアラブルデバイスに関しては普及しているとは言いがたいものの、話題に事欠かない1年だったといっていいだろう。

また、注目を集めたといえば、ロボット分野も熱かった。

6月のソフトバンクのPepper発表、9月のSDK配布(※ただし、イベント参加者限定)を皮切りに、10月の『東京デザイナーズウィーク2014』でも『スーパーロボット展』が催されるなど、今まで一部のハードウエアエンジニアの専門分野であったロボットという領域がソフトウエアエンジニアやクリエイターなどの職種にも一気に近づいたといってよいだろう。

では、2015年のTech業界はどのように進むのか。世界の最先端を行くシリコンバレーを拠点とするbtraxのCEOブランドン・ヒル氏に、シリコンバレーを含むベイエリアのトレンドを聞いた。

プロフィール
btrax CEO, Brandon Hill

btrax CEO
Brandon K. Hill

サンフランシスコと東京を拠点とするグローバルクリエイティブエージェンシーbtraxのCEO。アメリカと日本を含む200社以上のクライアントに対して、ブランディング、グローバル展開コンサルティング、UXデザインサービスを提供。自社メディアFreshtraxFashionsnap.comIn the Looopにもデザイン、テクノロジー、海外トレンドに関するコンテンツを提供中。サンフランシスコ在住

2015年のベイエリアでは住宅に関する「後付け」デバイスが普及か

2015年のベイエリアのTech業界では、2014年に築かれた地盤から発展する動きが見られるとブランドン氏は予測する。

「2014年のベイエリアでは、住宅に関するIoTデバイスを供給するスタートアップが急増しました。2015年は、それが発展・淘汰されるフェーズに入ると思います」

ブランドン氏はその理由を「アメリカ独特の住宅事情によるもの」と分析する。

「アメリカでは、日本のように家を新築するという概念は一般的ではありません。中古の住宅を渡り歩くのが一般的です。そのため、築年数が50年なんていうマンションもざらにあり、中には建ってから100年以上建つマンションもベイエリアには存在します」

日本のように住居を新築する文化があれば、その時々の最新の技術を住宅に取り入れられる。しかし、新築の概念が少ないアメリカでは、「後付け」で最新技術を付与するしかないのだという。

そういった意味では潜在マーケットは潤沢にあるといっていい。

古い住宅が多い米国だからこそ住居に関するIoTの普及の可能性がある

From Rob Young
古い住宅が多い米国だからこそ住居に関するIoTの普及の可能性がある

ブランドン氏は、その「後付け」デバイスのジャンルを3つに分ける。それは、

【1】防犯系
【2】節約系
【3】便利系

の3つだ。

「【1】防犯系は、『august』のようなスマートロックや、『leeo』のようにコンセントに差し込むだけで機能する火災・侵入者感知器など、【2】節約系は『Nest』のようにエネルギー効率をコントロールしてくれる温度計など、【3】便利系は、自動で調理してくれるキッチン用品などがあります」

2014年にこれらのスタートアップが急増した要因は、ウエアラブルデバイスの普及によって得られた知見が大きく関与しているとブランドン氏は考えている。

ハードはシンプルに、ソフトで拡張

「最近発売されているウエアラブルデバイスの傾向として、高価で多機能だった『Google Glass』のようなものから、画面すら付いていない『Misfit』のようなシンプルなものに潮流が移りつつあります」

このように、シンプルなウエアラブルデバイスが増えてきた背景を、ブランドン氏は次のように分析する。

「ウエアラブルデバイスには、紛失したり、壊したりする危険性が付き物です。高価なデバイスだと、そうなった時のショックが大きい。デバイス自体を安価にするには、パーツを減らす必要がありました。機能を減らさずに構造をシンプルにすることが求められた時、ウエアラブルデバイスが採った道が、ハードをシンプルにして、ソフトウエアでさまざまな機能を付与する、ということです」

『Misfit』は画面にLEDのみを搭載し、こまめな充電が必要だった従来のウエアラブルと比べ、ボタン電池で数か月起動するというシンプルな作りだ

『Misfit』は画面に省エネLEDのみを搭載し、こまめな充電が必要だった従来のウエアラブルと比べ、ボタン電池で数か月起動するというシンプルな作りだ

省エネLEDやコンパクトなセンサー類の登場など、技術の進歩によって可能になったこの「ハードはシンプルに、ソフトで拡張」の流れが、スマートハウス系IoTスタートアップにもたらした影響は大きいとブランドン氏は考えている。

「ウエアラブルデバイスを分解してみると、今の機能では使っていないセンサーが入っていたりもします。とりあえずリリースしてソフトで拡張するというモノづくりの姿勢によって、スタートアップがデバイスを安価に提供できるようになったのだと思います」

世界展開を見据えた日本メーカーはベイエリアにも拠点を持つように

ところで、スマートロックのスタートアップといえばソニーとWiLが共同で出資し設立を発表した『Qrio株式会社』が記憶に新しい。

ブランドン氏はこのソニーの取り組みを受け、今後はこのように日本の大手メーカーがベイエリアにも拠点を持つ企業と共同で開発するケースが増えるのではないか、と話す。

「海外でモノを売ろうと考えている企業は現地で開発するようになると思います。それは、プロダクトを売るには、『見せ方』と『届け方』が重要だからです。どこで売ればいいのか、どのように広めればいいのかなど、現地のマーケットを熟知している企業とパートナーになるのが一番の近道と言えるでしょう」

しかし、大企業が他の企業と組む際に足かせとなる一つとして、情報漏えいのリスクが考えられる。それについてブランドン氏は、「もうそんな次元の話ではない」と一蹴する。

「ソフトとハードを同時に開発している時点で、もう『情報』だけでは価値がなくなっています。何を作るか、ではなく、どう広めるか、が重要なのです。BtoBでハードプロダクトのコア技術以外で特許を取っているサービスなんて皆無です」

こうして、2015年のベイエリアのキーワードは「後付け」と「大企業のベイエリア企業との提携」ということになりそうだ。来年の今ごろはこれらがどのように進んでいるか、楽しみである。

取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)




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