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育児も仕事も両立させたい人必読! 2児のママさん研究者が贈る「時間の有効活用」知恵袋【連載:五十嵐悠紀⑮】

タグ : IT, IT教育, エンジニア, プロジェクト, ワークライフバランス, 両立, 子育て, 研究, 締め切り, 育児, 開発 公開

 
天才プログラマー・五十嵐 悠紀のほのぼの研究生活
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筑波大学  システム情報工学研究科  コンピュータサイエンス専攻  非数値処理アルゴリズム研究室(NPAL)
五十嵐 悠紀

2004年度下期、2005年度下期とIPA未踏ソフトに採択された、『天才プログラマー/スーパークリエータ』。筑波大学 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻 非数値処理アルゴリズム研究室(NPAL)に在籍し、CG/UIの研究・開発に従事する。プライベートでは二児の母でもある

この連載が始まって1年以上が経ちました。連載開始当初、臨月間近だったお腹の子もすでに1歳。上の子は幼稚園に入りました。2人の子育てと仕事に追われている毎日ですが、仕事と育児を両立させる上で苦労するのは、なんといっても時間の使い方です。

今回は子育てをしながらも働くために、わたしが普段から心掛けている『時間の有効活用術』についてお話したいと思います。
 
共働き夫婦では、子供が熱を出した時に休むのはどっち?という話がよく出るようです。最近ではパパがお休みして子供の看病をする家庭もかなり増えてきていますし、育児休暇を取得する男性も増えてきましたね。現在子育て中の方も、まだまだ独身の方もこんな考え方もあるんだ、と読んでいただければ幸いです。

「自分にしか分からない」を作らない

From Dee Adams

From Dee Adams

仕事も育児もスムーズに進めるために、情報の「見える化」は重要だ

「情報はなるべく他の人と共有する」、「自分が休んでも大丈夫なように、ドキュメント化しておく」などを心掛けています。○○さんに聞かないと仕事が進まない、というような非常事態をなるべく避けるためです。また、どうしても大事な仕事を引き受けるときは2人体制にしてもらったりもします。

子どもの風邪のような不測の事態でいつ自分が休むか分からない、という面もあったりはしますが、二人いることで確認の目が増え、ミスも減ります。さらに、後輩と組ませてもらえると、次年度以降への引き継ぎの際にも経験者がいることで仕事がスムーズに進むというメリットも大きいです。引き継ぎのための会議なども少なくて済むかもしれません。

「自分にしか分からないことを作らない」というのは、仕事だけでなく家庭、育児に関しても心掛けています。フル回転で回る毎日。仕事もこなして家事もこなして、育児もしてというのは大変。どうしても家族の協力が必要です。洗濯用洗剤、アイロン台、裁縫箱……。ちょっとしたものが「どこにあるの?」と聞かなくていいように分かりやすい配置にしまっておくことも、当たり前だけど実は重要だったりします。

特に保育園・幼稚園に登園する際の荷物の準備など、「母親しか分からない」のではなく、配布物を家族で読めるところに貼る、分からなくなったらすぐに参照できるようにファイルをする、などの工夫をしています。

大学内の保育園に預けていたからというのもあるのでしょうが、上の子の通っていた保育園の送り迎えは半数は男性でした。家事、料理をする男性も育児をする男性も増えてきていますよね。男性だから、女性だから、ではなく、お互い助け合えるように、を心掛けて、相手への感謝の気持ちを表すようにしています。

締め切りは2割前倒し

From LenP17
「時間の前倒し」については、誰でも気をつけたいところだ

From LenP17 「時間の前倒し」については、誰でも気をつけたいところだ

締め切り間近になると人間はやる気・意欲が出てくるもの。「まだあと3カ月ある」という時と、「締め切りまであと1週間!」という時では仕事への集中力が違いますよね。

それを自己管理で集中できるようにしています。具体的には手帳に本来の締め切りとは別に2割ほど前倒しした締め切りを書いています。

「ここまでに提出書類は仕上げる!」、「論文の締め切りは1月中旬だけど、年内には完成させる」などを意識して、その目標に向かってラストスパートを切ります。

24時間すべてが自分の時間だった独身時代は、もちろんこんなことはありませんでした。テイクアウトしたご飯を片手にコーディングしたり、深夜2時~3時までコーディングしたり、論文を書いたりして翌朝起きれなかったり……。わが家は夫も同業者なので、結婚してからも子供が生まれるまでは帰宅後深夜までお互い黙々とコーディングしている日々なんてざらにありました。

けれど、子どもがいると話は別です。授乳やオムツ替えなどで夜中も起きなければいけなくて寝不足が続くし、突然熱を出すかもしれない。子どもが2人いると、風邪をひくのも2人分。締め切り間近だからといってラストスパートが切れないのです。なので、ラストスパートを早く始めることにしました。そうすると、仮の締め切りが来てもまだ余裕があるので、さらにクオリティを上げることができたり、終えてしまって次のプロジェクトに取り掛かれたりと、精神的にも体力的にも余裕が生まれます。

また、仕事をする前にあらかじめ時間の見積もりをした上で、完成度8割まで持っていく作業をなるべく先にやってしまいます。締め切り直前にまだ何もできていない状態なのと、8割完成したものを10割にする作業では大変さが全然違います。例え、最初に見積もった時間よりはるかに時間が掛かってしまったとしても、早いうちであれば計画の立て直しもできますし、8割完成していればその後のズレは誤差範囲と気楽に考えることができます。

特に感じるのは育児をするようになって時間の過ごし方がとても濃くなりました。これまで1時間かけてだらだらやっていた仕事は実は集中すれば30分で完成度高くできる仕事だったり……。仕事の経験を積んだという面もあるとは思いますが、集中力は強化することができる気がします。

「他人でもできること」はしない

ちょうど仕事が楽しい年代と子育てする年代って、かぶるんですよね。仕事もたくさんの仕事があって、だんだん責任ある仕事も任されるようになって……。でも、あれもやりたい、これもやりたいとやっていると全然時間が足りません。そういう時、わたしは「自分にしかできないこと」を基準にどれをやるかの取捨選択をしています。

他者に振り分けるのも仕事のうち。昔は全部自分でやりたがっていましたが、最近はそう思えるようになりました。次の研究ネタを考えるときにも、複数の案を出してその中から1つを選んで研究していきますが、わたしは10数個案を出した中で「自分にしかできないのはどれかな?」という観点で選ぶことが多いです。

また、「経験したことのないことで興味のあること」というのも積極的にかかわっていくようにしています。近ごろは、年齢を重ねるにつれてだんだん保守的になってきたと感じます。特に子どもがいるとどのように回るか予測しづらいプロジェクトなどにかかわるのをためらってしまいがちです。けれど、「分からないことを分からない」と聞けるのも今のうち。その意味でも若いうちにいろんな経験をしたいと思っています。

「自分にしかできないことが選択基準」と言いましたが、これもまた、仕事だけでなく家庭でもそうです。授乳はさすがに私しかできませんが、そのほかは気付いた人がやります。ウチでは、夫が食事を作ったり、3歳の息子がランチョンマットとスプーン・フォーク類を食卓に並べたり……。全部自分がやらなくては!と思うよりはるかに気が楽ですね。

人とのディスカッションは、講演”前”に

子どもがいると、講演会の懇親会などは「お先に帰らせていただきます」なんてこともしばしば。せっかくいろんな人と出会えるチャンスなのに、もったいないですよね。だからこそ、最近のわたしは、可能な限り開始時間より早く到着するように心掛けています。そうすることで同じ勉強会に参加している人、講演者等に先にお話したり名刺交換したりする時間が持てることが多いからです。

例え「講演が長引いてお迎えの時間が!」とあわてて途中退席してしまっても、講演の前に1対1でお話をして、名刺交換まで済ませている。おかげで最近は、「最後まで聞きたかったのに~。だから育児との両立って大変……(ぶつぶつ)」などと思ったりしなくて済むようになりました。

最近だと、ランチミーティングやブレックファーストミーティングも流行っていますよね。いつも一緒の人だけでなく、他業種の人と出会えるチャンスこそ、自分の可能性を広げる第一歩かもしれません。

完ぺきを追い求めてはダメ

仕事と育児との両立は大変と良く聞きますが、わたしは仕事のストレスを育児で発散し、育児のストレスを仕事で発散しています。どっちもストレスが溜まりますしね。”両立している”のではなく”両方中途半端”だよなぁともよく思います。でも、わたしはそれで良いんです。

何でも完ぺきな人はいないと割り切って、自分なりに何とかやってきました。研究者という職業柄、時間の拘束という面ではエンジニアの方々とは違うかもしれません。

特に人との共同作業が多ければ多いほど、時間の融通は利かなくなりますし、早めに終わらせたいというのは難しかったりもすると思います。しかし、エンジニアでも研究者でも、子持ちで働く人なら気持ちの持ち方などにおいては似た部分が多いのではないでしょうか。

最近は子持ちに限らず、独身の人も時間に追われているという記事をよく目にするようになりました。一度きりの人生。仕事も私生活も楽しんで生活していきましょう。




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