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[特集: ビッグデータ時代の歩き方 2/3] GMOインターネット「カギは、『キュレーション型』と『脱・運用型』エンジニア」

タグ : GMOネットワーク, IT業界, アプリ, インフラ, インフラエンジニア, クラウド, サーバ, システム, ソーシャルゲーム, 技術者人生, 拡張, 転職 公開

 

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ビッグデータ時代の到来を受けて、企業のインフラ部門はどのような影響を受けたのだろう。

日本最大規模の法人向けインターネットインフラ支援を行うGMOインターネットの常務取締役兼システム本部・本部長の山下浩史氏と、取締役兼次世代システム研究室・室長の堀内敏明氏は、このように話す。

GMOインターネット株式会社 取締役兼次世代システム研究室室長

GMOインターネット株式会社 取締役兼次世代システム研究室・室長の堀内敏明氏

「わたしたちは、3年ほど前から次期サービスに向けたミーティングを行っていて、当時からクラウド系のサービスには注目していました。しかし、その当時のクラウドサービスはまだ未熟で、コストダウンのための技術という印象が強く、その領域で戦うのはGMOインターネットらしくない。そこで台頭してきたのが、インターネットのトラフィックを劇的に増幅させたスマートフォンやソーシャルゲームの存在です。

GMOインターネットは、ソーシャルゲームこそ作っていないがソーシャルゲーム開発者のWeb支援はできるという観点から、低価格で高スペックのリソースが使える『GMOアプリクラウド』の開発を進めました」(堀内氏)

ソーシャルゲームを運営するためのプラットフォームをワンストップで解決できるクラウドサービスとして登場した『GMOアプリクラウド』は、2010年7月のリリース時点で予想を上回る反響を呼んだ。

今では400タイトル以上、実にソーシャルゲーム市場の約30%のバックエンドを担っている。

「3年前から研究しプロダクトとして開発にかけた期間はおよそ3カ月ですが、サービス開始から現在までにアップデートした回数は4回。昨今のインフラ事情は先が予想しにくいこともあって、『お客さまのサービスを止めないインフラとは何か』について日々研究する必要があります。そのため、常に最新のハードウエアや技術をベンチマークし、その中で最適なモノを用いて現行のサービスをアップデートしているのです」(山下氏)

常に最新のインフラ技術を研究しながら、現行のサービスを強化する。GMOインターネットでは、このミッションを効率的に実践するためにも、「攻め」と「守り」の分業を行っている。その「攻め」を担うのが、堀内氏率いる次世代システム研究室だ。

「クラウド系サービスの開始を考えたときにも、われわれが当時サービスとして提供していた国内外のあらゆるクラウドサービスを検証し、メリット・デメリットを分析しました。『攻め』を担う部門ということもあって、所属エンジニアは皆、一様に最新のテクノロジーが好きなんですよね」(堀内氏)

「新しいハイパーバイザーや新しいカーネル、新しいOSなど……。最新の技術が注目される初期の段階で、堀内のいる次世代システム研究室がすべてベンチマークしてくれるんです。だから、わたしたちシステム本部は、彼らがすでにテストし終えたものの中から信頼性の高い技術を既存のサービスに組み込むことに集中できるのです」(山下氏)

磨くべきは、「スケール想定力」と「課題察知力」

GMOインターネット株式会社 常務取締役兼システム本部長

GMOインターネット株式会社 常務取締役兼システム本部・本部長の山下浩史氏

「今、明らかに変わっているのはスケールの幅です。これまでのWebサービスなら、ある程度のスケールは予想できました。しかしながら、今はサービスの拡張スピードがとてつもなく早く、例えば数百台のサーバ環境を1、2カ月おきに追加しないといけないようなことだってありえます。いかに障害なく拡張できるかというのが今のインフラにはとても重要なことなのです。

そのため、新しい技術を取り入れる際もオンラインでスムーズに拡張できるかどうかの検証を重点的に行なっています」(山下氏)

以前は「ある事象に対してどう対応していくか」がインフラエンジニアの課題だったのが、これからは「次に何が起こるかを想定しながら拡張する」スキルが求められるのだという。

「もう一つ重要なスキルとして、『お客さまの抱える課題を察知する』スキルがあります。

インフラエンジニア=最後の砦、というイメージはいまだ根強く、新しい技術を既存サービスに導入することでサーバが落ちないか不安になり、なかなか次の一歩を踏み出せません。例えば新しい技術を取り入れようと提案すると、多くの人は、最初はちょっと抵抗感を覚えるかもしれません(笑)。

しかし、新技術を使えばお客さまが抱える潜在的課題を解決できるかもしれない。お客さまの抱える課題が何かを察知できるかどうかで、自分が起こすべき行動が自ずと見えてくるでしょう」(山下氏)

「ネットエンジニア」として感度を高く持つことが求められる

先に述べた2つのスキルを踏まえた上で、今後インフラエンジニアとして活躍していくであろうタイプは、「キュレーション型」「脱・運用型」の2つに分けられる。

2部署間の連携が取れていれば、最新技術を安心して既存サービスに組み込むことができる。まさに阿吽の呼吸だ

2部署間の連携が取れていれば、最新技術を安心して既存サービスに組み込むことができる。まさに阿吽の呼吸だ

「キュレーション型」エンジニアが新しいテクノロジーをひと通り経験し、信頼性の高いものをピックアップする。そして、クライアントの課題を「脱・運用型」エンジニアが察知し、「キュレーション型」エンジニアがピックアップした最新技術の中から課題解決に最適な技術を選び、クライアントに提案する。

GMOインターネットが次世代システム研究室とシステム本部の2つの組織体制を置くのは、まさにそれを体現するためなのだ。

「インフラエンジニアだからといって、保守・運用だけをやっていれば良いという時代はもう終わりました。それは、多くの人が実感していることだと思いますが、当社のエンジニアは、さらにWebシステムまで幅広い技術を追いかけています。重要なことは、インフラエンジニアではなく、ネットエンジニアとして感度を高く持つことではないでしょうか」(堀内氏)

「堀内も言うように、インフラに特化したスペシャリストとして活躍できる人はごくわずかだと感じます。理想としては、自分が使いたくなるようなサービスを作れるのが一番良い。お客さまの課題を察知するスキルも、自分がいかにユーザーの立場となって考えられるかが重要なんだと思います。エンドユーザーの視点を持って開発に臨めるエンジニアが増えてほしいですね」(山下氏)

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