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[コラム] 求人ニーズ急騰!?の予感漂う「ブリッジSE」に必要なのは原点回帰の発想

タグ : SE, SI, Web, インド, オフショア, スキルアップ, ブリッジSE, プロジェクトマネジメント, ベトナム, 中国 公開

 

「いくらコストが安いからって、どうやってコントロールすりゃいいのさ!?」

商習慣の違いや言葉の壁が原因で思うように開発が進まず、青色吐息になってしまう。海外オフショア開発について、一度はそんな噂や体験談を聞いたことがあるのではないだろうか。

そこで今、高まっているのが、優秀なブリッジSEに対するニーズだ。

ブリッジSEとは、発注企業とオフショア先の開発会社との間に立って、プロジェクトをスムーズに進めていく進行役のこと。一般的にはオフショア先にいる語学堪能なエンジニアのことを指すが、地域によってはそういう人材がいないこともあり、発注企業のエンジニアがこなすケースも増えている。

オフショア開発の成功には欠かせないポジションゆえ、年収レンジも一般的な業務系SEよりも高くなる傾向がある。受託開発案件の減少傾向を見ても、SEからのステップアップの一つとして、悪くない選択肢といえる。

ただ、前述のように、ブリッジSEはさまざまな「壁」を乗り越えるスキルがなければ務まらない。技術知識はもちろん、言語力(主に英語が多い)、お互いの商習慣の違いを理解した上での進ちょく管理能力など、求められるものは多岐にわたる。

これらの能力は、SEに求められるものというより、プロジェクトマネジャーのそれに近い。ならば、これからブリッジSEを目指すには、どこから取っ掛かりをつかむのが良いのか。

「むしろ、日本の会社と仕事をしているときよりやりやすいかも」

日本企業にいるSEに限れば、まずはアジア諸国とのやりとりに精通するのがベターだろう。ICT業界の各種リサーチで知られるガートナーが2011年3月に発表した「ITサービスのオフショア・ロケーション:トップ30」によると、アジア太平洋地域の国で上位に選ばれたのはオーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国。

オフショア先選びには文化的な類似点や政治的安定(≒ビジネス環境の安定)なども重要視されるため、現実的に日本のオフショア先として検討に値するのは中国、インド、ベトナムなどの数カ国に絞られると同レポートは示唆している。

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From letsgoeverywhere’s photostream

ベトナムは中印に比べ日本に近い国民性といわれ、オフショア先として要注目

そのうちの一カ国、ベトナムの会社と現在オフショア開発を進めているあるWeb会社のエンジニアは、「発注先がベトナムだからといって特に不便はない。むしろ、日本の協力会社と仕事をしているときよりも、やりやすい部分がある」と話す。

例えば日本での発注時なら、システム要件がほぼ固まった状態で資料に落として伝えないと設計・開発フェーズには進まないことが多い。だが、「今やりとりしているベトナムの会社は要件が『確定』していない状態でも先行してデモページなどを作って送ってくれる」という。時にはベトナム側から「こんな機能を搭載するのはどうですか?」と提案されることもあり、仕事相手として非常にやりやすいそうだ。

「わたし自身は初めてのオフショア開発だったので不安はありました。でも今は、ベトナム側がどんどん開発を前に進めてくれるので、とても安心してやれています。やりとりが対面ではなく、電話とメール、インスタントメッセンジャーに限られるからこそ、ベトナム側の開発者は『現物を見てもらいながらディテールを共有しよう』と思っているのかもしれません。技術は万国共通言語なわけですからね」

国境を越えても変わらない、プロジェクト成功のルール

しいて日本との違いを挙げるなら、日本よりも残業をしないことと、日本語が片言ゆえに言葉でのコミュニケーションに難があることくらいと彼は言う。そういう状況だからこそ、お互いが、開発の方向性の共有や、実現したい機能の目線合わせに手間をかけようと工夫し合っている。

結果的に、それが開発を前に進め、同時にリスクマネジメントにもなっている。

「わたしが意識しているのは、お互いのことを理解し合う空気をつくること。インスタントメッセンジャーで話しかけるときは『今大丈夫?』と気遣ったり、最初のメッセージはベトナム語であいさつしたり。開発で忙殺されるフェーズになっても、『ご飯は食べましたか?』などと一言添えるだけで、その後のやりとりがスムーズになるものです」

こっちが発注側だから、あっちは下請けなんだから、などという上下関係は抜きにして、いかに仕事相手と良好な関係性を築くか。これは、日本国内で開発を依頼する場合でも、欠かせない「プロジェクト成功のルール」ではないだろうか。

「相手は言葉も違うし日本の商習慣も100%理解していないわけですから、たまにメールで名前を呼び捨てにされてムッとするようなこともありますよ(笑)。でも、そういう形式的なことよりも、一緒にイイものを期日までに作るのが大事なわけで。わたしは親しみの表れくらいに思って受け流すようにしています」

虚礼を排して互いを理解し合う。それこそが、ブリッジSEに最も必要な能力なのかもしれない。

取材・文/伊藤健吾(編集部)




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