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電子書籍市場は次のステージへ~BookLive!が『孤独のカメラ』などアプリキャンペーンを行う理由

タグ : BookLive, キャズム, 孤独のカメラ, 電子書籍 公開

 

『孤独のカメラ』以外に『バキカメラッッ!!』や『魁! 男塾カメラである!』などのアプリキャンペーンも展開

2011年2月にサービスを開始した『BookLive!』は、蔵書数21万冊を誇る国内最大手の電子書籍ストアだ。サービス開始から2年半以上経った現在、数多くのキャンペーンを行う積極的なプロモーションで注目を浴びている。

例えば2013年8月には、漫画『孤独のグルメ』の1シーンをカメラのフィルターとして使えるiOS専用アプリ『孤独のカメラ』を配信。

さらに、新潮社とタッグを組んだポイントバックキャンペーン、Facebookページと連動したプレゼント企画など、多様なキャンペーンを実施してきた。

このタイミングで、『BookLive!』がキャンペーンを連発するのはなぜか?

広報担当の去来川晃氏、エンジニアの佐藤勇一氏に、今回のプロモーションに至った経緯とその真意を聞いた。

広がる電子書籍市場。次に狙うは「スマホ=携帯」と思っている層

立ち上げ当初、ストアの検索機能の精度が低い上、蔵書数がわずか1万数千冊しかなかった『BookLive!』。その状況を、去来川氏は「決して充実したスタートではなかった」と振り返る。

バックエンドの開発を指揮する佐藤氏にしても、思いは同じだったようだ。

『BookLive!』のPR戦略について話す去来川氏(左)と、開発担当を務めている佐藤氏(右)

「スタートして間もなく、企画担当の人間から『検索機能の精度が低い』と言われたことを覚えています。そこで解決策を募り、メンバーの一人が見つけてきた、精度の高いオープンソースの検索技術を実装。これによってパフォーマンスが改善されました。日頃からメンバーとのコミュニケーションを欠かさないようにしていたことが功を奏しました」(佐藤氏)

検索機能を改善する一方、蔵書数の問題は、営業チームが出版社に協力を仰ぐことで段階的に改善された。

しかし、佐藤氏はエンジニアとして、増加するデータ量に対する気配りも忘れない。

「蔵書数が増えれば、当然扱うデータ容量が増えるため、サーバの増強や、アーキテクチャの見直しを行わねばならなくなる。せっかく営業チームが交渉をして蔵書数を増やしても、『データが一杯なのでサーバが対応できません』では困りますからね。先手を打つためにも、他チームとの垣根を越えた情報共有を大切にしています」(佐藤氏)

サービスの成長を裏で支えてきた技術チームの努力の甲斐もあり、『BookLive!』のユーザー数は急増。去来川氏は、さらなるユーザー獲得のために、電子書籍市場を分析してこう語る。

「今までのサービス展開は、ITリテラシーの高い人をターゲットにしていました。本棚やビューアのマルチデバイス化はその一環です。その結果、スマホやタブレット端末所有者を中心に電子書籍の利用者が増えてきました。デバイスの進化も相まって、電子書籍の市場は新たなステージへと進んでいます」(去来川氏)

去来川氏の言葉を裏付けるように、電子書籍市場は、2011年度の629億円に対し、2012年度は729億円と100億円増加したデータ(出典:インプレスビジネスメディア『電子書籍ビジネス調査報告書2013』)が出ている。

着実に拡大する電子書籍市場。『BookLive!』が狙う、次のターゲットはどういった層なのか?

「スマホやタブレットを所有していても、電話やメールといった従来の携帯電話の延長としてしか使用しておらず、まだ電子書籍に触れたことがないような層が次のターゲットです。そういった層を、どう振り向かせ、電子書籍を使ってもらうか。それが今後の電子書籍、ひいては『BookLive!』が世の中に広く普及するために必要な施策だと考えています」(去来川氏)

アプリを楽しんでもらうことが電子書籍への抵抗感を払拭する

同社は電子書籍専用端末『Lideo』の販売やブラウザビューア開発などで、多くの人が電子書籍に触れる機会を創出

次のターゲットを『モバイルユーザーでありながら、電子書籍ユーザーではない人』に定めた『BookLive!』。マーケティングチームが主幹となり、そうした人たちに振り向いてもらうための施策を検討し、たどり着いた答えの1つがアプリなどを用いた「キャンペーン」だった。

「ユーザーのみなさんに「『何か面白いことをしているぞ』と思っていただくことが重要。キャンペーン用ツールの一つとしてアプリという形態を選んだのも、アプリの使用を通してスマホが持つ用途の多彩さを面白がってほしかったからです。そうやってスマホが持つ可能性の大きさを感じてもらい、ひいてはスマホで本を読むことへの抵抗感を払拭するのが狙いでした」(去来川氏)

こうした戦略が功を奏し、着実に会員登録数を伸ばす『BookLive!』。一方で、ユーザーの信条に即した取り組みも怠らない。

「電子書籍を使わず嫌いしているユーザーの多くが『紙より安くないし、ほしい本が見つからない』という意見をお持ちであることがアンケート結果に出ています。『BookLive!』では独自のポイント制度や豊富なキャンペーンにより本を割安で購入できますし、。蔵書数も順調に増加しています。ユーザーに満足してもらえる商品を『安く、たくさん売る』。商売の基本ですね(笑)」(去来川氏)

順調に成長を続ける『BookLive!』だが、佐藤氏の視点は一歩先にある。

「サービスが注目を集めている今だからこそ、日々のバックエンドの調整が必須。同時に『BookLive!』も進化しなければいけない。より使いやすいレビュー機能の実装やコンテンツがより際立つバナー表示など今後も改良を重ねて『BookLive!』を成長させていきます」(佐藤氏)

営業チームと技術チームの連携による先を見据えたサービス展開と、変動するターゲットに対する適切なマーケティング戦略。そして、日々のバックエンドの開発という3要素により、さらなる推進力を得る『BookLive!』。

一見派手なプロモーションにばかり目を奪われがちだが、その裏にあるデータ検証とそれ基づいた仮説立て、およびその仮説を真実に変える実行力こそ、彼らの強みなのだろう。

取材・文/長瀬光弘(東京ピストル




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