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Apple Watchはアメリカより日本で普及する!?スマートウォッチのUXを考える【連載:Brandon K. Hill】

タグ : Android Wear, Apple Watch, Brandon K. Hill, btrax, OnTask, UX 公開

 
btrax Brandon K. Hillの「ベイエリアから未来予測」
btrax CEO, Brandon Hill

btrax CEO
Brandon K. Hill

サンフランシスコと東京を拠点とするグローバルクリエイティブエージェンシーbtraxのCEO。アメリカと日本を含む200社以上のクライアントに対して、ブランディング、グローバル展開コンサルティング、UXデザインサービスを提供。自社メディアFreshtraxFashionsnap.comIn the Looopにもデザイン、テクノロジー、海外トレンドに関するコンテンツを提供中。サンフランシスコ在住

こんにちは。btraxのCEO Brandon K. Hillです。

2013年からシリコンバレーの気になる話題まとめを連載していましたが、今回からは『btrax Brandon K. Hillの「ベイエリアから未来予測」』とリニューアルしました。

さて、初回となる今回は、ウエアラブルデバイスのUXについて。

米AppleのCEOティム・クックが4月に発売すると発表した『Apple Watch』を軸に、ウエアラブルデバイスは今後、どう普及していくのか。皆さんも興味があるのではないでしょうか。

現在、アメリカではサンフランシスコのカフェやレストランに来ている人の5%くらいがスマートウォッチを使用している印象です。運動系のウエアラブルを含めるとだいたい10%に広がります。

私も『Moto 360』やLG製品などいろいろと試しましたが、Misfit Wearableの『Shine』というスマートバンドに落ち着いています。定着した理由については後述しますが、全てUXにひも付いていると言えるでしょう。

では、ウエアラブルデバイスのUXや未来について、私が感じているポイントをご紹介します。

スマートウォッチが普通の時計を超えるには

btraxの社内でも『Apple Watch』発売後の話題が挙がります。普及するかどうかは、今使っている時計よりも面倒に感じさせないUXを提供できるか否かに掛かっていると言えます。

今、スマートウォッチが苦戦している理由として考えられるのは、こまめに充電をしなければならないということです。『Moto 360』は1日に1回充電をしなければいけません。もしも寝る前に電源に接続するのを忘れてしまったら、翌日時計としての機能を果たせない。ここで利用するハードルがグッと上がります。その行動が面倒になり、結果として身に付けなくなるという流れです。

まず、充電の手間をどう改善するのか。それが何より重要です。例えば、非接続・非接触充電ができるかどうか。この点が、スマートウォッチが普及する生命線になると感じています。

体からウエアラブルデバイスを外させない手法もある

先ほどご紹介したMisfitの『Shine』はとてもユニークな発想のもと生まれています。それは、体から外したら負けというもの。ウエアラブルデバイスを体から外す時はどんなシーンが思い浮かびますか? 究極的に絞り込むと、充電時とバスタイムに落ち着きます。

私が使っている『Shine』の面白いところは、充電を最低でも半年しなくてもいいところです。びっくりする方もいると思いますが、種を明かすと、ボタン型のバッテリーを内蔵しているためです。さらに防水機能も付いている。睡眠時はスリープトラッキング機能を使いますので、私は24時間付けっぱなしで過ごしています。ここまで追求できれば、ウエアラブルとしての価値を発揮できるわけです。

また、『Shine』を使い始める前は、日本でも普及しているヘルスケアのウエアラブルデバイス『Fitbit』を使用していましたが、2、3日で充電をしなければいけませんでした。

同じような機能で同じ価値を提供しているのですが、充電という手間を省くエクスペリエンスの違いだけで、私はMisfitの『Shine』を選択しました。それだけデバイスのコンセプトは重要なのです。

東京のライフスタイルにスマートウォッチは適している

スマートウォッチはアメリカよりむしろ、日本のライフスタイルに合うのではないかと感じています。

というのも、スマートウォッチであれば、スマホを見れない状況でも、情報を見ることができるからです。単純に手が離せない時や、満員電車でスマホを取り出すことが難しい時など、とても価値を発揮すると思います。

スマホをかばんに入れていて、アラートに気付かない時もありますよね?これが腕時計になると、つり革を握っていても気付いて見ることができます。

バッテリー問題を解決できる点も、日本に適していると感じているポイントです。私はアメリカを生活の拠点にしていますが、出張で年に1カ月半程度来日しています。アメリカと日本ではライフスタイルが当然異なるもの。大きな違いは、アメリカではスマホの充電が切れることがほぼないということです。

アメリカでは車やオフィス、カフェなどの生活空間全てに充電ができる環境がありますが、日本では半日、もっと言えば午前中でバッテリーが切れそうになることがあります。

そこに(充電問題を解消した)スマートウォッチが登場したらどうなるでしょう。スマホのバッテリー消費を抑えながら、ユーザーの利便性を補完的に高めることができる。これが、スマートウォッチが東京のライフスタイルに合うという考えに結び付いています。日本は以前から『G-SHOCK』を代表に多機能の時計が多く販売されていましたよね? そうしたお国柄にも合うでしょう。

余談ですが、アメリカでは移動が車中心です。車を運転している時にスマートウォッチを使うのは危ないですよね。アメリカでのスマートウォッチの役割は、健康状態などのログを取るところに落ち着くのは否めないという印象を受けます。

時計プラスαに止めておくべき理由

ただし、新しいデバイスをリリースしたタイミングから、既存デバイスを超える機能を追加しすぎてしまうと、UXの観点では「ユーザーが付いて来れない」と感じます。例えば、『Google Glass』も目新しさはありましたが、普及には至りませんでしたよね?

btraxでもAndroid Wearのアプリ『OnTask』をリリースしましたが、あくまでシンプルなコンセプトにこだわりました。

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『OnTask』のように、サービスのれい明期には、シンプルさを追求することが最適なUXにつながるとのことだ

手の甲にメモするという行動をスマートウォッチのToDoリストに置き換え、入力してコンプリートしたら消すことができるというものです。

現在、Android Wearで最も人気があるのは着せ替えアプリ。ここにタスクをプラスするような感覚です。時計プラスαにあえて止めることで、スマートウォッチれい明期のUXとして価値を届けられると思いますね。

時計メーカーの参入に期待

btraxとしては今後も実験的なチャレンジを行っていきたいと思いますが、CASIOSEIKOなど日本国内の時計メーカーとの共同スマートウォッチ開発にも興味があります。

いろいろと調べてみると、CASIOでは80年代にスマートウォッチと同じような機能を実装していました。例えば電卓やキーボードが付いていたり、登山時に標高が分かったり。インターネットと時計を繋つなぐという発想が普及していない時代に、これば凄いと驚きましたね。

また、SEIKOでは10年前にテレビが見られる時計を出していたという情報も見つけました。そうした背景を持つ日本の時計メーカーに、btraxで蓄積したUXのノウハウをシェアしてスマートウォッチを作ることで、面白いものができるのではと考えています。

現在は、AppleやGoogle、Motorola、LGなど、時計メーカー以外がスマートウォッチを出しています。これって、実はスマートな時計を販売しているのではなく、スマホを時計の形にしたアプローチに近い気がしています。

本気で世の中にスマートウォッチを普及させるのであれば、時計メーカーが立ち上がるべきです。クオリティが高く、長期的に選ばれるものを生み出すと私は読んでいますね。

しかし、ここには課題が一つ。それは、これまでの時計はアンティークと呼ばれ、古いものに価値が生まれる可能性がありましたが、スマートウォッチではそうはいかないことです。ガジェットは時間が経つと価値が落ちる宿命にあります。

2年前にリリースしたものが新作よりも価値がある。これはあり得ないでしょう。そういった意味では、多くの時計メーカーが参入しない理由も理解できます。

ここまでウエアラブルデバイスのUXや優位性、課題について書きましたが、何か1つキラーアプリが登場すれば、ウエアラブルデバイスが一気に普及する可能性はあると言えます。それは、スマホが普及した経緯を見れば明らかです。

サンフランシスコでもスマホの発売当初、「PCでいいじゃん」という声が多くありましたが、今ではそんな声を耳にすることはいっさいありません。

日本はアダプトに時間が掛かる傾向がありますので、今すぐにとは言えませんが、5年後、周囲の人の腕を見た時にどうなっているのか。これからが楽しみですね。

>>Brandon K. Hill氏の全記事はこちら




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