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なぜ、1日1万円の「プログラミング独学会」に若者が集うのか?『CODE1000』レポ

タグ : CODE1000, スタートアップ, ドットインストール, プログラミング教育 公開

 

Webサービスやスマートフォンアプリがビジネスの中心となりつつある昨今、さまざまな形の「プログラミング教育」サービスが立ち上がっている。そんな中、一風変わったサービスが若者を中心に脚光を集めている。

CODE1000』と題するプログラミングキャンプは、「週末1日でコードを1000行書く」ことを目的とした会。特徴は、1回につき20人程度の参加上限&25歳以下の若者限定にしている点と、あえてプログラミングを教えず「独学」を推奨している点だ。

このキャンプは初心者向けプログラミング学習サイト『ドットインストール』と連携しており、参加者は通常有料で提供される同サイトの「プレミアムサービス(教材の文字起こしテキストやソースコード閲覧ができる)」を期間限定で利用することができる。

当日は反転授業の概念を参考にタイムテーブルが組まれており、『ドットインストール』で基礎を学びながら、学習が進んだ人は実際にアプリを作ってプログラムを理解していく流れに。つまり、週末1日約7~8時間のほとんどを、ひたすら自習して過ごすキャンプなのだ。

第2回『CODE1000』の自習内容。参加者はドットインストールで学びながら、簡単なアプリ開発を目指す

会場には各種サービスを開発するメンターエンジニアがおり、随時相談可能だが、彼らの役割は「教えること」ではなく、独学中につまずきやすい点を「サポート」すること。9月6日に行われた第2回キャンプでも、会場となった株式会社アカツキ(東京都・目黒区)のセミナースペースでは参加者が黙々とコーディングにいそしむ姿が目立った。

さらに注目すべきは、独学会にもかかわらず、『CODE1000』では参加者から1万円の参加料を取っている点だ。

主催するベンチャーキャピタルSkyland Venturesの木下慶彦氏によると、無料の勉強会が多い中であえて有料にしたのは「参加者の本気度を測るため」とのことだが、2回目の開催ですでに応募多数により抽選制になったという(※編集部注:今後は大手インターネット企業のスポンサーを得ることで、学生を中心に奨学金のような制度を導入して無料化することも検討中)。

なぜ、安くない費用を払ってまで、週末のプログラミング独学会に参加する若者が増えているのか。参加者や関係者への取材を通じて、2つの理由が見えてきた。

プログラマーとの「共通言語」を会得するために学ぶ社会人も

「クリエイティブなスペースで独学する」をポリシーに、毎回会場にはこだわっている

1つ目は、プログラミングを習得、または理解したいというニーズの高まりだ。

この日参加していたのは、東京大学や早稲田大学、東京工業大学などに通う学生と、社会人が半々くらい。彼らにキャンプ参加の理由を尋ねると、

「将来起業を考えているので、自分でサービスを作れるようになりたい」(大学2年生)

「日ごろはデータベースエンジニアをやっているので、フロントエンドの開発について勉強し直したいと参加した。久しぶりに『作る楽しさ』を感じた」(20代エンジニア)

などの声が多かった。

意外だったのは、「プログラマーとコミュニケーションを深めるために勉強したかった」という人もいたこと。冒頭で記したように、最近はWebサービスやアプリそのものが事業の中軸となるケースが増えている。こうした時代背景から、非エンジニアでもプログラミングを理解することが仕事上欠かせない“共通言語”になりつつあることが窺える。

Skyland Venturesの木下氏は、起業家支援をしていく中で「優秀なプログラマーがいない」、「腕の立つプログラマーを採用できない」という悩みをたくさん聞いてきた。この課題を解消すべく、【自立して学習し続ける人材の育成】と【プログラミングを学ぶ人口の増加】を狙って『CODE1000』を発足したが、思った以上に幅広い層から引き合いがあると感じている。

この日メンターとして参加していた対戦型脳トレゲーム『BrainWars』の開発者・トランスリミット工藤琢磨氏も、こう感想を述べる。

「1日中独学でコードを書き続ける、というキャンプの趣旨を聞いた時は『本当に参加者が来るのか?』と思っていましたが、皆目的のはっきりした人たちで、僕に寄せられる相談や質問も具体的な内容が多かったです」

【オンラインで独学+オフラインコミュニティ】で学習効果は高まる

同じ「独学」でも、仲間と共に行うことに意義がある

そして、2つ目の理由として浮かび上がったのは、独学とはいえ「オフラインで集まって学ぶ」ことの効能である。

キャンプの終了直前に行われた、参加者同士が感想を述べ合う時間では、大多数の人が「分からない部分や想定どおりに動かない理由」を質問しながら学ぶことの良さを異口同音に語っていた。

トランスリミットの工藤氏も、キャンプの総括ではこうアドバイスしていた。

メンターとして参加したキャンプの総括を行う、トランスリミットの開発者・工藤琢磨氏(写真左)

「例えば関数の書き方など、プログラミング言語にはそれぞれクセのようなものがあるので、やり続けることで慣れるのが一番大事。それに、コードミスを減らしていくやり方も、ネットで探せばたくさんtipsが出てくるので参考にしてほしい。

ただ、プログラミングを学び続けるには、仲間を探し、分からないことを聞くことのできる環境を作っていくことも大切。ぜひこのキャンプをきっかけに、プログラミングについて語り合える仲間を見つけてほしい」

独学を前提にしつつも、メンターや参加者と一緒に学び合うことで、学習効果はいっそう高まる――。『CODE1000』の見学に来ていたドットインストール代表取締役社長の田口元氏も、同サイトの運営を通じて「オンライン上の学びを持続させるためには、オフラインの場で仲間と交流したり、一緒に学ぶことも大事だと感じている」と話す。

スキルレベルの似た者同士が、歩を合わせながらプログラミングを学んでいく場だからこそ、1万円を支払ってでも応募を考える人が絶えないのかもしれない。

『CODE1000』は今後も定期的に開催予定で、次回は2014年9月28日に行われるとのこと。興味を持った人は以下を覗いてみては?

>> 『CODE1000』ホームページ
>> 『CODE1000』Facebookページ

取材・文/伊藤健吾(編集部)




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