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あと5年で学生プログラマーが高校球児の人口を超えるには?~Life is Tech!水野雄介氏が語るIT教育の6カ条

タグ : Be Startup, EDU×TECH Fes 2015, ITドラフト会議, Life is Tech!, TECH for TEACHERS, 水野雄介 公開

 

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「中高生のみんなに、好きな『こと』を仕事にする必要はないけど、好きな『もの』を仕事にして欲しいと思っているんです」

プログラミング教育を手掛ける民間企業Life is Tech!の代表を務める水野雄介氏は、2015年3月1日に開催された『EDU×TECH Fes 2015』にて、会場や『Ustream』で中継を見ている中高生へ、開口一番熱いメッセージを投げかけた。

今回で3度目となる『EDU×TECH Fes』。今回はアート、ゲーム、編集などの最前線で活躍する第一人者たちを講師に招き、さまざまな視点から「教育×テクノロジー」の未来について考えるためのイベントとなった。

水野氏は物理の非常勤講師を務めていた経験から「自分は中学生、高校生の教育が好きだ」ということを悟り、人材コンサルティング会社を経て、Life is Tech!を起業した背景がある。

自身のセクションでは中高生が「好きなもの」を仕事にできる環境を作り出すために、Life is Tech!がこれまでに行ってきた活動報告と、2020年、2025年に向けた今後のビジョンについて提唱した。

モノづくりをしている子どもたちが珍しくない未来を作る

僕たちは主にITのプログラミングCAMPを開催しています。内容に関してはiPhoneアプリを作ったり、メディアアートをやってみたりなど。最先端のITを、中高生にとって非日常空間である大学で学んでもらうような活動も行っています。

参加人数の割合としては中学生が6割5分、高校生が3割5分。全体の約4割が女の子です。

今後はIoTやコンピューターサイエンスのコース、音楽系のコースをやりたいと考えていて、学校じゃ学べないことを学べる場所にしていきたいと考えています。

イメージとして目指しているのはディズニーランドのような楽しい場所。中高生がそんな感覚で「学びに行きたい」と言ってくれるLife is Tech!でありたいですね。

最初に参加いただいた学生は3名でしたが、今では延べ8000人の中高生が参加してくれるまでに成長しました。本当に学びたいと思って来てくれることがとても嬉しいんです。

こうした活動を続けることで、僕は2020年までに20万人の子供たちがデジタルなモノづくりをしている世界を作りたいと思っています。

20万人という目標数字は、高校球児の数が18万9000人であるということから立てました。男子校の1クラス45人いたとして、昼休みに野球の話をしているのは5人くらい。うち2人が野球部というイメージです。

一方、パソコンやゲームの話をしている子は10人以上いますよね。なのに、プログラミングをしている子は1人もいないケースも多いのが現状です。そこで、まずは野球の世界を超えることを目標に立てました。

IT業界にもヒーローが必要。ITドラフト会議を開催

そういう考えもあって、2014年の冬に品川プリンスホテルにて『ITドラフト会議』を開催しました。これは、Life is Tech! Leadersに所属している大学生、大学院生を対象に、企業が学生1名を指名し、採用における「特別指名人材」の権利を得る、というものです。

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IT業界にも、プロ野球のような、ヒーローを生み出す仕組みを作るために誕生した『ITドラフト会議

僕が野球好きな影響もあり、当日は野球のドラフト会議のような演出を行いました。なぜ、このようなイベントを開催したかというと、中高生から見たIT業界のヒーローが必要だと思ったためです。

例えば、親御さんに「あなた、もっとパソコンを頑張りなさい」と、言ってもらえる環境をつくること。今だと錦織圭選手がテニスで頑張っているので、親としては子供に「もっと、部活を頑張って」と伝えやすいですよね?

スポーツは言いやすいのに、ITはまだ「パソコンばっかりやってないで」と言われてしまいます。そのため、文化を変えなければいけないと思っているんです。

教育を変えるには、入り口だけでなく、出口も変える必要があります。CAMPは入り口。初めてプログラミングに触れる子どもを増やすこと。でもそれだけではダメなんです。企業とつなげることだけでなく、起業したっていい。チャンスを増やすことが大切です。

2013年、ニック・ダロイジオさんが15歳の時に開発したニュースアプリ『Summly』を、米ヤフーが3000万ドルで買収しました。そこには少年とプロダクトが米ヤフーから、高い評価を得たという事実があるんですよ。

それは、東北楽天ゴールデンイーグルスが田中将大選手と1億円で契約したことと、全く一緒です。IT業界ではすでに、そういった事象が起こっている。だからこそ僕たちは学びの先にある子どもたちの出口を作ることが大切だと思っているんですね。

ITを学びたい子どもはたくさんいます。しかし、プログラマーを志し、ITに夢中になることに対して、ノイズが多いことが現状です。今の学校がよくないのではありません。学校にも認めてもらって、一緒に新しい教育の仕組みを作っていきます。

アントレプレナーシップの体験教育を実施

2025年に向けて、Life is Tech!では教育の6カ条を作りました。これは21世紀の教育改革です。

【1】IT教育による、創造力の育成
【2】アントレプレナーシップ教育による実行力の育成
【3】オンライン教育による知のオープン化
【4】先生の力を最大化するプラットフォーム
【5】21世紀の学校をつくる
【6】グローバルに学び合う土壌

この中で、すでにスタートしている事業を2つご紹介します。まずは【2】のアントレプレナーシップについて。

こどもの職業・社会体験施設『キッザニア(KidZania)』の企画運営を行うKCJ GROUPさんと、「Be Startup」というアントレプレナーシップ教育プログラムをスタートしました。

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起業家精神を習得するプログラム『Be Startup』。第一回は2014年の10月から12月に掛けて行われた

僕自身、スタートアップを経験してみて感じる楽しさは、事業計画書を作ることではなく、新しい商品を作って、人に使ってもらうことだと思っています。

なので、このポイントだけを切り取って中高生に体験してもらいたいと考えました。

2014年に開催した「Be Startup」は刃物メーカーの貝印さんと協力して、3カ月間のコースで中高生が新商品を企画から開発までを体験しました。

最後に経営陣にプレゼンテーションをして、良いプランは本当に新商品として販売されるということもあり、みんなとても真剣に取り組んでいましたね。

Life is Tech!にはテクノロジーが好きな子供が多く参加してくれています。ですので、アメリカで例えると、スタンフォードのような場所になっていくのでは、と考えています。

今後も、多くの企業に協力していただきながら、アントレプレナーシップを育んでいきたいですね。

教師の働き方を変えるテクノロジーを導入

次に【4】のプラットフォームについて。先生は1日6時間は授業をします。僕も経験があるので分かるんですが、授業ってすごく疲れるんです。それに加えて、教材作成や部活の顧問、会議など、とても幅広いことをするので大変なんですね。

少し視点を変えて考えると、違う学校の先生たちは同じテストを作るのに、時間を掛けているんです。例えば3時間掛かっている、としましょう。そのテストってシェアすればいいのではないかと思うんです。

テクノロジーを使って効率化し、空いた時間を子ども達に使う。Life is Tech!は先生のためにもテクノロジーで教育現場を変えていかなければならないと思うんです。

そこでスタートしたのが、『TECH for TEACHERS』です。

『TECH for TEACHERS』の特徴は3つあります。

一つは無料だということ。次に、30分で授業の準備ができる。最後に、創造性を高めるカリキュラムであるという点です。

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先生の負担を軽減し、最先端の「情報」を届ける『TECH for TEACHERS

『TECH for TEACHERS』は大きく4つの教材に分かれています。

【1】授業動画
【2】生徒用プリント
【3】先生用スライド資料
【4】先生用授業指導案

主に3分〜5分の動画を60本用意しています。これを先生はそのまま使うことができます。コースとしてはiPhoneアプリ開発とWebデザイン開発の2つです。

こうしたツールを活用して、先生の生産性を上げるだけでなく、教育格差をなくしていきたいと考えています。

21世紀の教育を作ると考えた上で、まずはITの教育をLife is Tech!がやるべきことだと思っています。

僕は中高生みんなの「グッと伸びる」ところが大好きです。結局、僕たちがやりたいことは、「子ども一人一人の可能性を伸ばしたい」と、いうことなんです。

子どもたちの可能性を伸ばすために誰と一緒にやっていくべきなのか?どういった仕組みにすればいいのか。そして、日本だけではなく、世界の人たちと、どのようにつながっていけばいいのか。僕たちは今後もチャレンジを重ねていきたいと思います。

取材・文・撮影/川野優希(編集部)




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