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英語嫌いから一念発起。理解力7割、表現力3割からの海外キャリア開拓法~シンガポールで働くエンジニア渡邉氏の場合

タグ : tips, 英語 公開

 

エンジニアが仕事で使える英語のtipsをご紹介する本連載。

今回は、ロンドンで創業され現在までに世界20カ国以上に事務所を構えるグローバル金融サービス会社のシンガポール法人で働く渡邉氏に話を聞いた。

大学生になるまで海外との接点は皆無で、「高校生のころ最も苦手だった科目は英語だった」と話す渡邉氏が英語に目覚めた理由と、実践した学習法とは――。

プロフィール

某グローバル金融サービス会社 エンジニア

渡邉氏

2003年、神奈川県の高校を卒業後、オーストラリアに渡る。大学進学準備コースであるFoundation Courseを経て、Monash大学インフォメーションテクノロジー&システム学部に入学。卒業後、日本に帰国しIT企業に入社。3年在籍した後、グローバル金融サービス会社のシンガポール法人に転職。インド人、マレーシア人、シンガポール人で構成される国際色豊かなチームの一員として、提供するシステムの運用・メンテナンスなどに従事務

≪日本にいた時の英語力レベル≫
高校生のころは英語が一番嫌いな科目で、海外に興味もなかったそう。

≪現在の英語レベル≫
オーストラリアの大学に入学して1年生のころに受験したTOEICの点数は800点。その後日本で3年間働いた後に受験した、現在勤める会社の入社試験ではリスニング70%・スピーキング30%ほどのスキルで合格したが、今ではビジネス英語レベル。

≪勉強法≫
大学留学中は英語の構文の暗記。構文のレパートリーを増やし、それに単語をあてはめるようにして会話していた。うまく表現できなかった文章は、英語で日記をつけて復習。現在の会社に入社後は外国人の同僚・友人に囲まれて過ごすような環境作りに努めた。

「英語×IT」で市場価値のある人材を目指して留学

渡邊氏。シンガポールにて

―― シンガポールでのお仕事について教えてください。

銀行や証券会社等の金融機関にデータを提供する金融サービス会社で、エンジニアとして働いています。アジアパシフィック地域の顧客を担当しており、システムの導入や導入されたシステムが正常に稼働しているかのモニタリングを担当。異常が見つかった際は、主にロンドンの開発拠点と連携して解決し、時差で難しい時にはニューヨーク、ロンドンの拠点と連携することもあります。

現在所属しているチームは、インド人、マレーシア人、シンガポール人の5人で構成されており、全員エンジニアです。国籍による特徴はありますが、特にシンガポール人は問題解決能力が高いように感じます。

私はその中でアソシエイトの立場で仕事をしていますが、日本と違い、ボスともフラットな関係です。社内行事が盛んで、スポーツやイベントを通じて毎月交流を図っています。

シンガポールで働くことになったきっかけは、前職である日本のIT企業に勤めていた時にグローバルな環境で働きたいと思い始めたことです。転職するまで一度もシンガポールには来たことがありませんでしたが、成長著しく、また多国籍な環境で働けることは機会だと思い決断。こちらに来て、9カ月が経ちました。

―― ご自身と海外、英語との接点について教えてください。

高校3年生になるまでまったく。海外に興味もなかったですし、英語が一番嫌いな科目でした。

しかし、当時もグローバル化の必要が叫ばれていて、「これから外国人との競争が激しくなる中で、ITだけで市場価値の高い人材になるのは大変。ITと英語両方を兼ね備えた人材になれば貴重な人材になれるのでは」と思い、海外留学の道を選択しました。

オーストラリアには、大学進学に必要な知識を身に付けるFoundation Courseと呼ばれる大学進学準備コースがあり、そこで大学進学のためのテストを受け大学に入学しました。そこで他の国籍の人たちと話した時に、新しい知識を得られるうれしさと、自分の伝えたいことをうまく表現できない悔しさを味わったことが、本格的に英語を学ぶきっかけになりました。

最も効果的だった学習法は、「英語の構文を覚えること」。皆さんも学校で習ったことがあるであろう「SV(主語・述語)」、「SVO(主語・述語・目的語)」などです。

構文のレパートリーを増やし、それに単語を当てはめるようにして話していました。うまく話せなかったことについては、帰宅してから英語で日記を書いて復習し、次の日には話せるようにする。これを繰り返していました。

そんなことをして英語で会話をしているうちに、リスニングも鍛えられていきました。初めは聞こえた英語を頭の中で日本語に直訳していましたが、半年ぐらい経って耳が慣れてきたのかその必要がなくなりました。

ライティングは日本にいたころはまったく練習していませんでしたが、とにかく量をこなしました。コースを修了し、大学1年生の時に受験したTOEICの点数は800点でした。

リスニング70%・スピーキング30%で入社しキャッチアップ

―― シンガポールでの転職とお仕事に、英語は活かされましたか。

オーストラリアの大学を卒業後、日本で3年間働いていたころは、英語力を維持するためにポッドキャストでオーストラリアのコメディードラマを聞くなどしていました。が、それでもやはり衰えていました。

今勤めている会社での入社試験は、日本での筆記テストと電話面接でしたが、面接官の話していることの70%が理解できる程度のリスニング力と、留学時代の語学力と比べ伝えたいことの30%を表現できる程度のスピーキング力で合格しました。

きっと面接官が、数カ月働けば英語力はキャッチアップできるだろうと判断してくれたのだと思います。

働き始めてから半年間は苦労しました。特に相手の顔が見えない電話会議では、相手の話を理解するのもこちらの言いたいことを伝えるのも大変でした。その時に大切だと感じたのは、プライドを捨てて何度も聞き直す仲間に頼る姿勢でした。また、嫌われない努力もしていました。

シンガポールのオフィスには約200名の社員が在籍していますが、そのうち日本人は5~6人。友人もほとんどが外国人です。彼らとオフィスやプライベートの時間を一緒に過ごすうちに徐々にビジネス英語を克服していきました。つくづく仲間に恵まれたと思います。

―― 今後のキャリアについてはどのようにお考えでしょうか。

次は顧客サイドである金融機関側でエンジニアとして働くか、もしくは今の会社で他のポジションを通して自身を成長させていけたらと考えています。いずれにせよ、自分の専門性については【ビジネス:IT=50:50】ぐらいのバランスで、ITに関する知識や経験を付加価値としてこれからも活かしていきたいです。

これから英語を学ぶエンジニアの皆さんにお伝えできることがあるとすれば、私にとってシンガポールで過ごした9カ月は、日本で過ごした3年間よりも濃かったということでしょうか。国籍や文化の異なる仲間たちと仕事をする中で、日本で培ったものとはまた違ったスキルが身に付いたように思います。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。

取材・文/岡 徳之(Noriyuki Oka Tokyo




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