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「1+1=10にできる人を求めている」というEvernoteの、知られざる開発組織【採用情報つき】

タグ : Evernote, シリコンバレー, 採用 公開

 

「“第二の脳”を拡張する手助けをしてくれる仲間を募集」

クラウド型の情報管理サービスとして全世界で使われている『Evernote』が、日本でエンジニア関連職の募集を開始した。ポジション名はIntegration Manager、勤務地は東京だ。

■ 募集概要はコチラ

そこで知りたいのは、仕事内容はもちろん、遠隔とはいえ一緒に働くことになる開発チームや環境のこと。2008年のサービス提供からたった数年で約5000万人に愛されるサービスを作り上げたEvernoteの開発スタイルとはどんなものなのか。

本社のある米シリコンバレーから日本に来ていた同社のディレクター佐藤真治氏に、Evernote流の仕事について聞いてきた。

外部開発者や本社とのやりとりを通じて、面白い連携サービスを生む

Evernote_satou_01

パートナーシップ担当ディレクターの佐藤氏は、米Appleでの次世代OS開発やシリコンバレーでの起業経験もある

―― まずは今回募集を始めたIntegration Managerとは何をやるポジションなのか、詳細を教えてください。

日本のディベロッパーやパートナー企業にさまざまなEvernote連携製品を開発していただく際、インテグレーションをサポートする仕事です。

Evernoteのビジネスを大きく2つに分けると、サービス開発事業とプラットフォーム事業があります。最近は後者に注力していて、社外のディベロッパーさん、パートナー企業さんにEvernoteが提供するAPIやSDKをご利用いただきながら、どんどん面白い関連サービスを作ってもらいたいと動いている最中です。

APIキーはすでに全世界で2万くらい出ており、日本でもPFUさんのカラーイメージスキャナ『ScanSnap』にEvernoteが連携していたり、若林大悟さんというディベロッパーが高速メモアプリ『FastEver』を開発するなど、事例はたくさんあります。

ただ、今までは日本国内で技術的なサポートのできる社員がいなかったので、専任スタッフの募集を始めたわけです。

―― 具体的な業務内容は?

APIやSDKの日本語ドキュメント作成だったり、ディベロッパーさんから個別に寄せられる相談へのアドバイスがメインになります。

当然、Integration Manager自身がAPIの使い方を理解していなければなりませんし、実装部分への理解も必要です。ですから技術的な下地のある方を求めています。

入社後にAPIやSDKの使い方を覚えてもらう過程で、自ら「そもそもEvernote APIの設計思想はどんなものなのか?」、「さらに下のレイヤーはどうなっているのか?」と深掘りしてくれるような、プロアクティブで探究心豊富な人に応募してほしいと思っています。

―― 日本のディベロッパーから寄せられる要望に、本社のエンジニアと対応するようなケースもありますか?

もちろん出てくるでしょうね。その場合は、本社にいるプロダクトマネジャーと「もっとこうした方が使いやすいのでは?」と議論を重ねながら、改善案を形にしていくことになります。

EvernoteのAPIはメジャーなプログラミング言語ほぼすべてをサポートしていますが、EvernoteクライアントについてはOSごとに開発チームが分かれているので、「iOS版はもっとこうした方が良いかも」、「Android版はこういう仕様変更もアリだよね」といった議論も積極的にやってほしいですね。

チームはSmall is Beautiful~アジャイル開発を徹底する理由 

Phil_Libin_photo

From magnus hoij
『Evernote』のCEOフィル・リービン氏は親日家としても知られており、日本での情報発信も多い

―― せっかくなのでEvernoteの開発ポリシーや雰囲気についても伺いたいのですが、クライアントの開発チームがOSごとに分かれているのは何か狙いが?

例えばiPhoneを購入したユーザーは、数あるデバイスの中から「iOS搭載端末」を選んで“投資”をしたとも考えられますよね?

同じことが、Android端末やほかのOS搭載機器にも言えるわけで、各OSで特徴が違う以上、それに合わせてEvernoteの機能も最適化して提供するべき、という開発ポリシーだからです。

それと、Evernoteはより良いサービスをいち早く提供するため、アジャイル開発に適したチーム編成をしているのも理由の一つです。プロダクトマネジャー1人にエンジニア数名、デザイナー1~2名程度の少人数なチームを数多く作り、それぞれが担当するOSやプラットフォームに合わせて高速で開発・改善を繰り返す。この形が、“大きなチーム”で統制を取りながら開発するよりも生産的だと考えています。

―― “Small is Beautiful”ですね。

その方が、エンジニアもクリエイティブになるはずですから。社内には、ユーザーサポートのチームや、ユーザーの利用端末からバックエンドに返ってくるフィードバックを分析して改善点を見出すデータプロダクツチームなど、さまざまなチームがありますが、これら関連部門と各プロダクトマネジャーの距離もものすごく近いんですね。

小さなチームで迅速な意思決定を繰り返しながら、横のコミュニケーションも密に取っていくことで、日々ユーザーの使いやすいサービスにしていく努力をしています。

―― 今回募集しているIntegration Managerも、その「横のコミュニケーション」の中で成果を出していくポジションになるかと思いますが、素養としてはどんな能力が求められるのでしょう?

具体的に言うなら、ネイティブ&モバイルアプリケーションの開発経験といった技術的なバックボーンや、コミュニケーションスキルはもちろん問います。

とはいえ、最も重要視しているのは、スキルだけではなく新しいことに挑戦する、したいと考えるマインドです。ゴールに向かって誠実に努力できる人であれば、スキルが足りなくても、身に付ける努力ができるはずですから。

それに加えて、クリティカル・シンキング(批判的思考)も大事だと考えています。

問題を解決する“魔法のスイッチ”を持つ人の「批判的思考」とは?

Evernote_satou02

クリティカル・シンキングは、優秀な開発者が持つ素質の一つと話す佐藤氏

―― 募集要項の中でも、「強い分析力とクリティカル・シンキング」という条件が目を引いたのですが、なぜこの点を重視されるのですか?

これはどのポジションの仕事でも求められることですが、特にIntegration Managerの場合、物事を複眼的に見れる人じゃないと、パートナー企業さんとのやりとりやEvernote社内の調整が滞ってしまうからです。

日本語で「調整」というと、集団の中で合意を取りながら最大公約数の声にしたがう、というイメージがあるかもしれません。しかし本来の調整とは、ゴールにたどり着く上で必要な事象を見抜き、その実現にかかわるステークホルダーを巻き込み、時に説得をしながら事を成すことだと思うんですね。

そのためには、特定の誰かが言った要望であったり、技術的なボトルネック、Evernote社内の事情に振り回されず、「本当に必要なこと」をかなえるための“魔法のスイッチ”を探し続ける作業が大事になります。

だから、常に物事を複眼的に見ながら、問題の根源を探っていく力を重視しているのです。

―― そのスタンスは、Evernoteの社員全員が重要視していることですか?

そう思ってもらって構いません。

Evernoteはまだまだスタートアップですし、会社全体がアジャイルで動いているような感じなので、毎日がけっこうてんやわんやです(笑)。が、そんな中でも今解決するべき問題を発見し、どう問題解決するかを一人一人が考えていないと、最高のサービスは作れません。上意下達ではスピードが遅くなり、シリコンバレーの厳しい競争を勝ち抜けませんしね。

これはCEOのフィル(・リービン氏)がよく口にするんですが、「みんなもう大人だよね?」と。誰かに指示されないと動けない、誰かが気を配ってくれないと休みも取れない……などというのは子どものやることで、大人は自分で判断し、自由に仕事をしてほしいという意味です。

ですから、僕らは日ごろから「そもそも今、何を考えなければならないのか?」というところから考える習慣を大事にしていますし、自分で考えて「良いアイデアだ」と思ったらまずやってみて、ダメなら戻ればいいじゃんというスタンスなんです。

―― そのような考え方や動き方は、先日の不正アクセスへの対応にも表れていた気がします(編集部注:2013年3月初旬、外部から不正アクセスに遭ったEvernoteは、具体的な被害報告が確認されなかったにもかかわらず、ユーザーの安全面を考慮して即座に全ユーザーのパスワードをリセットした)。

そうかもしれません。あの時も、不正なクラッキングという不測の事態に直面して、「現時点でどう対処するのがベターか?」を経営陣から現場エンジニアまで全員が考え、あのようなアクションになりました。

これはわたしがAppleで働いていた時も感じていたことですが、本当に優れたエンジニア、優れたビジネスパーソンというのは、追い込まれて誰もが「もう解決策が見つからない」と思った時にこそ、能力を発揮するものです。

なぜ彼らはそれができるのか。やはり、先ほど述べた複眼的視点で物事を見ているからだと思います。「他人はどうしていた」、「他社はこうやっていた」といった前例ありきで物事を考えず、問題を素直に直視しながら“魔法のスイッチ”を見つけようとするんです。

そういう人たちと一緒に働いていると、まるで1+1=10になるような感覚になるものですよ。

―― では、今回のIntegration Manager募集でも、願わくばそういう方に来てほしい?

もちろんです。今回、日本での採用枠は1名の予定なのですが、今お話したようなマジックを持つ優れた方なら何人でも採用したいですし、「この人たちとならもっと魅力的なEvernoteが作れそう」と感じたら、開発チームごと移籍してもらうようなことだって検討します。

―― 記事でそのような公言をしてしまっても大丈夫なんですか(笑)?

ええ。Evernoteは、もともと「ユーザー数の多い日本でもエンジニアリングにかかわるチームを作りたい」というビジョンを持っていますから。採用もアジャイルでやっているんです(笑)。

取材・文/伊藤健吾(編集部) 撮影/小林 正




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