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数々のECサイトやGunosy、ReluxなどのCVを劇的に改善したKAIZEN Platformの、世界展開を見据えた組織づくり

タグ : A/Bテスト, KAIZEN Platform, planBCD, グロースハッカー, 伊藤直也, 須藤憲司 公開

 

KAIZEN Platform 社CEOの須藤憲司氏

今年の『B Dash Camp』のピッチ・アリーナで優勝し、『Graph Hackアワード2013』でも優秀賞を獲得するなど、ひときわ注目を浴びているサービスがある。

KAIZEN Platformが提供する『planBCD』だ。

planBCD

今年10月に日本語対応とスマホ対応を完了した『planBCD』

このWebサービスは、サイトUIの最適化をサポートするもの。コンバージョンレートの向上に欠かせないUIデザインのA/Bテストを、少ない手間で、シンプルに実現してくれるクラウドソーシング型サービスだ。

今までもA/Bテストのサービスを提供する企業は数多くあったが、『planBCD』が従来と異なるのは、そのサービス内容にある。

まず、UI改善を希望するクライアントは自サイトにJavaScriptのコードの埋め込みを行う。すると同サービスに登録している世界中のグロースハッカー約200名(※2013年10月18日現在、その多くはデザインを本業としているWebデザイン会社)がクラウドソーシングの形でUIデザインの代替案を提案してくれる。

既存のUIデザインとA/Bテストを行い、グロースハッカーの案によってコンバージョンレートが改善されて初めて、費用が支払われる仕組みだ。成果報酬型にすることによって、今まで社内にデザイナーがいなかった企業でも、高いクオリティでUIのA/Bテストを気軽に試すことができるという、今までの常識を覆す画期的なサービスである。

現在は、クラウドソーシングの機能は正式リリースに向けて準備中で、主にスタートアップへクローズドベータ版としてテストを行っている。

それ以外のインソースのデザイナーやエンジニアを抱えるエンタープライズ向けのプラットフォーム提供は今年8月から開始し、すでに、サイバーエージェントやGMO、リクルートなどの大手企業十数社へ提供している。

効果はほぼすべての企業で出ており、中にはコンバージョンレートが200%もアップした例があるという。

Webデザインの世界に革命を起こすようなこのサービス、誕生の裏にはどのような背景があったのだろうか。KAIZEN Platform 社CEOの須藤憲司氏に聞いた。

ネットサービスは“作りっぱなし”から“磨く”時代に

自身の経験について語るKAIZEN Platform 社CEOの須藤憲司氏

「起業のプランは何もないまま、熱意だけで会社を辞めました」と話す須藤氏

短期間で大きな効果を上げている『planBCD』。誕生のきっかけは、自身の経験にあるのだと須藤氏は語る。

「わたしはリクルートでWeb広告事業を推進する立場にあり、A/Bテストに携わる機会も多くありました。広告事業においてA/Bテストは避けては通れない道なのですが、面倒なのでできればやりたくないと常々思っていました」

また、ネットサービスの急速な普及に伴い、「今はいったん作ったWebサイトを磨いていく“磨き手”が圧倒的に足りない」とも感じていたのだという。

「ネット産業全体が成長し、競争が過多になると、ほかのサイトと差別化した“おもてなし”を提供するための改善を考えるようになります。必然的に、企業はサイトのコンバージョンレートを上げ、レバレッジをかけられる磨き手に対して、今よりもっと報酬を支払ってもいいと思うようになるはずです」

その思いと、30代でリクルートマーケティングパートナーズの執行役員を務めたことで湧き上がった「役員の仕事ではなく、世界に通じるサービスをゼロから企画したい」という熱意が、アメリカでのKAIZEN Platformの設立と、『planBCD』の立案に結び付いた。

自社の「社内KAIZEN」はグローバル展開の前に着手

上で説明したように、同社はアメリカでの法人登記を行っている。『planBCD』はいわゆるニッチ分野のサービスであるため、起業の段階からグローバル展開を念頭に置いていたのだ。

そのため、KAIZEN Platformはその組織づくりにおいても、2つの大きな特徴がある。

KAIZEN platform メンバー

9月には伊藤直也氏も技術顧問として加わり、ますます勢いに乗るKAIZEN platform

1つ目はプロフェッショナルを積極的に採用していることだ。同社の社員は現在、須藤氏のほか21名。うち15名がエンジニアで、さらにそのうち4名は、ほかの企業でCTOとして働いた経験を持っている。

「開発の拠点が世界中に散らばることを想定し、細かいマネジメントをする必要のないプロフェッショナルを集めました。国をまたいで意思疎通を図る場合、時差などが障壁となり、判断が遅れることが想定されます。しかし、各拠点に判断力を持たせることで、わざわざトップに確認しなくても各自の意思で対応することができます」

2つ目はマルチカルチャーの風土をあらかじめ作っておくことである。4名いるインターンの学生の中には、日本語がほとんど話せないメンバーもいるという。

「国・地域が違えば、文化も当然違います。言語もそうですが、異文化間の相互理解はとても骨が折れるものです。グローバル化し、海外でも雇用をする段階になってから、社内をマルチカルチャーへ切り替えるのは大変です。だったら、最初から距離や言語、文化を超えた働き方に対応していた方がいいでしょう」

現在も、開発の拠点は東京支社のほか、大阪、恵比寿、相模原、そしてインドネシアのバリ島に点在。週2回のオンラインでの定例ミーティング、月に1度の合宿形式でのロングミーティングのほかは、須藤氏が「ホワイト企業」と表現するように、出社してもしなくてもいい、自由な働き方を認めている。

「もともとは、間借りしていたオフィスが狭かったので、できるだけ出社しないで働こうという意図もありました。ただ、それによって困るということはありませんでした」

困惑するほどの急成長で、人集めが急務に

採用について語るKAIZEN Platform 社CEOの須藤憲司氏

取材の数日後にも南米からエンジニアを呼んで面接をする予定が入っていた

現在、KAIZEN Platformでは、社員やインターンのほか、協力してくれるグロースハッカーのリクルーティングに余念がない。

「実は、いろいろ賞をいただいたこともあって問い合わせが相次ぎ、わたしたち自身も状況がよく分からないまま急成長しているという感じです(笑)。受注額は累計で1億円を超えました」

現在はベトナムにサポートセンターを設立する準備を進めており、2014年にはアメリカ、2015年にはヨーロッパやアジアでも営業を開始する予定だ。

そのために必要なグロースハッカーの数を、須藤氏は現在の100倍にあたる20万人と見ている。

デバイスの多様化でレスポンシブWebデザインが誕生したように、Webデザインの分野では今後もUIの複雑化が進むことが予想される。そんな世界で引く手あまたになることが予想されるこの『planBCD』、本格的な世界展開に向けて「人集め」さえ順調に進めば、KAIZEN Platformの未来は明るい。

取材・文/片瀬京子 撮影/竹井俊晴




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