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[トークLive開催レポ② 2/2] ゲーム開発責任者がエンジニアに「柔軟性のある信念」を求める、たった一つの理由

タグ : 20代, 30代, 40代, 50代 スキルアップ, gloops, GMS, gumi, UI, アジャイル開発, アスクワイア, アプリ, ガラケー, ゲーム, コンシューマーゲーム, スペシャリスト, スマホ, ソーシャル, ソーシャルゲーム, ネットワーク, ノウハウ, ワークスタイル, 業界有名人, 転職, 開発 公開

 

――では、もう一つのテーマについて伺います。「競合ひしめく中、『世界』で勝負するために必要な開発スタンス」とは何だと思われますか?

田村 アプリでもゲームでも、何でもそうなんですけど、自分が作ってるものはやっぱりよく知らないといけない。他社さんがどういったものを作っているのかを含め、世界ではどういうものが通用しているかというのを自ら遊んで検証するスタンスが重要でしょうね。仕事としてではなくて、本当に楽しみとしてソーシャルアプリを遊べるか、というのはゲームエンジニアに必要な志向性かなと思っています。

「ものとしてでき上がっていてもサービスとして成り立っていない」という意見に、皆うなづく。

「ものとしてでき上がっていてもサービスとして成り立っていない」という川方氏の意見に、一同うなづく。

あとは技術的なことです。やはりWebアプリって海外からの技術がすごくよく使われてるんですね。先進的なプロダクトや、プログラミング言語、フレームワークといったものは、海外で作られている場合が多いです。でも海外から出てきた最新のものが翻訳されて日本に入ってくるのを待っていると、時間が掛かります。だからこそ、やはり海外の情報や海外のオープンソースなどに対して興味を持つエンジニア的な志向も必要です。

ただ、その両方を持っている人はあまりいないので、マネジメント側としては適材適所を考えつつ、人員をうまく使い分けていければいいかなと考えています。

川方
 僕は技術をユーザーに押し付けちゃいけないと思っています。やっぱり、モノを作った時にエンジニアにお願いすると、「技術力」を前面に押し出してくるんですね。結果、でき上がったものがサービスとしてどうかと一歩引いた時に、成り立たないことがけっこう多いんです。

でも、ユーザーからしてみたら、裏でどんな技術が使われているかなんて関係ないじゃないですか。そういう視点を持った立場で考えられる方という人が活躍できるんじゃないでしょうか。

岩間 先ほどおっしゃっていた、「モノとしてでき上がっていてもサービスとして成り立っていない」というのと同じですが、完成して動くのは動くし、バグもないし。ただゲームとして遊んでみたら面白くないよねっていうものだと、やはりそれは”完成”してないんですよね。一介のプログラマーだとしても、やっぱり「ゲームとしての視点」でちゃんと考えているか、というところは必要だと思います。強いていうなら、「ゲームをちゃんと作りたい!」という気持ちが一番にないと厳しいですね

あとは企画とか、そういったところでは海外の情報をちゃんと取り入れていること。海外ではどういうゲームが受けているのか、ゲーム以外でも海外の映画やドラマ、音楽など、どういうものが流行っているのかといった情報を、ちゃんとリアルタイムに取り入れていくことが大事だと思います。

Web業界の主役はエンジニア。ゆえにチームをまとめる統率力が必要

――「日本流」とか「日本ウェイ」みたいなものと、グローバル展開と、どのように両者のバランスを取っていくのでしょうか?

「自分のこだわりと、マーケットのニーズの間をうまく狙っていくバランス感が、エンジニアには求められる」(岩間氏)

「自分のこだわりと、マーケットのニーズの間をうまく狙っていくバランス感が、エンジニアには求められる」(岩間氏)

岩間 バランスを取るのは難しいですよね。単純にマーケットのニーズだけを追い求めて作ってしまうと、ゲームの内容としてはつまらないものになってしまう可能性がある。一方で、こだわりが強いメンバーが集まっているので、こういうモノを作りたいという気持ちが強いんですけれども、それが得てして独りよがりになってしまうということもあります。

やはりそこは、自分がどういうモノを作りたいかというのと、どういうニーズがあるのかというところの間を、うまく狙っていかなくてはなりません。

川方 弊社でいうと、やはりUS圏を攻めたいという気持ちが強いので、現地の人を採用し、その意見を大事にしながら進めていくことになるかと。

――皆さんがおっしゃる「視点のバランス」をとる上での、コツってあるんでしょうか?

川方 うちの場合、エンジニア、企画、デザイナー、イラストレーターがチームを組み、9~12人ぐらいの体制で1つのコンテンツを作っています。そこでエンジニアには、単なるチームの一員ではなく、自発的に動き、幅広い視野を持ってみんなをまとめる役目を担ってほしいですね。やはりWeb業界はエンジニアが主役なので。

田村 弊社でも、やはりエンジニアには、チームを引っ張っていく力がすごく必要だと思いますね。例えば自分たちが作ったゲームを自分たちで遊んでみて、やっぱりこれはちょっとバランスが悪いよねとか、こういうコミュニティーにこういう意見が出てるけどどうだろうとか、そういった自分たちが作っているモノをきちんと見れる視点というのはすごく重要です。

「こういう技術が使いたいからこのアプリを作っている」というのではなく、「このアプリをユーザーさんにより面白く、より楽しんでもらうため技術を使う」という視点のエンジニアは、リーダーとして活躍していけるでしょう。もしくはスペシャリスト。インフラ部分や基盤システムに関する技術のスペシャリストは今後も必要です。俯瞰の視点を持ったアプリエンジニアと、高い専門性を持ったスペシャリストが支え合う体制を築いていければと思っています。

――では、実際に現場のエンジニアがゲーム業界で活躍していくとなった時に、技術があるのは当然として、どんな「プラスα」があれば良いと思われますか?

キャプション

「『柔軟性のある信念』がある人なら、生き馬の目を抜くゲーム業界でも生き残れる」(田村氏)

田村 やっぱり自分が作っているものに対して、まっすぐな信念を持って取り組めることですね。単に「仕様書通りに動いているからこれで良い」のではなくて、やっぱり自分としてこれが良いと思ったらそういうのを提案してほしいというのもあるんですね。

“自分の信念”をちゃんと持ち、それに沿って開発できること。かつ、それをちゃんと柔軟に折り曲げられること。例えばチームに合わせて変えたり、ユーザーの望んでいることに応じて変えたりできる。そういう「柔軟性のある信念」があれば良いかなと

つまり、開発をしていると、「やっぱりこっちの方が良いよね」っていう話が絶対に出てくるんですね。そんな時、「信念」がなければ、チーム内で意見を出しあって話し合いができないですし、「柔軟性」がなければ、改善点を汲むことができない。両者があって初めて、ただ仕様書通りではない、スキマをちゃんと埋めたものづくりができるんだと思っています。

川方 プラスαというと、やはり「自分のサービスを持っているんだという責任感」ですね。受託系だと、なかなか自分のサービスって持つことができないんですが、自社開発なら、自分のサービスを持つことができます。それを自分の子どものように、愛情と責任感を持って育てていくことが大事ですね。

岩間 お二方とかなり似た感じではあるんですが、あえて言うなら、「ゲームを作りたいという気持ち」です。ゲームを作っていく上で、単に作業員としてプログラミングができれば良いとか、デザインができれば良いというスタンスだと、どうしても途中でつまずいてしまい、最後までやり切れないことがあります。やはりゲームを作るということを一番にモチベートできるという、そこが一番重要ではないかと。

開発責任者がエンジニアを見定めるのは、技術力よりも心意気

――川方さんと岩間さんが、モチベーションみたいなところをすごく重視していらっしゃる理由とは何なんでしょう?

川方 結局、スキルと言っても、サービスを持つ上でのプロセスじゃないですか。例えば、海外を攻めるサービスを持つということであれば、当然英会話を自発的に勉強するはずだし。となれば、大事なのはその「自発的に勉強するマインド」の方なんだと思います。

岩間 開発のスキルは後からでも頑張って身に付けていける。ただ頑張るためには、何のためにそのスキルを身に付けるのかという、目標がしっかりしてないとブレてしまいますし、あきらめてしまいがちですから。

――やはり開発を楽しめるかどうかが、この業界でやっていけるかどうかも含めての試金石になるわけですね。

田村 多分楽しいかどうかって、自分の仕事に対して誇りが持てるかどうかっていうことに連動していると思うんですよね。自分が本当に思いをかけてやっているなら、そこに対して責任も生じるはずですし。英語にせよ、新しい技術にせよ、自発的に勉強していくと思います。

――モチベーションのことも含め、非常に現場で活かしやすいお話を伺うことができました。1時間という長丁場でしたけども、本当にありがとうございました。

制作協力/書き起こし.com株式会社HatchUp 撮影/赤松洋太

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