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ネット選挙解禁がもたらす、Webと政治の新しい可能性-Change.orgハリス・鈴木絵美さんに聞く

タグ : Change.org, ネット選挙, ハリス・鈴木絵美, 参議院選挙, 政治 公開

 

2013年4月19日、一つの法律の改正法案が可決された。それは、公職選挙法(以下、公選法)という日本の選挙を定めている法律だ。今回の改正によって、インターネットを利用した選挙運動が可能となる。

「ネット選挙」という話題がにわかに盛り上がっているが、今回のネット選挙の解禁は、単純に選挙時にインターネットが使える、というだけの問題ではない。

政治の中心でもある選挙にインターネットが使われるようになれば、より政治のIT化が進む転換点になるだろう。それは、インターネットを通じてわたしたちの意見が政治の現場に届きやすくなるサービスが登場したり、政府や行政が持つ情報にアクセスしやすくなるため、そうした情報を活用し新しいビジネスが生まれたりする可能性を秘めているのだ。

インターネットと政治の関係がどのように変化していくのか。ネット選挙解禁を目指した「One voice Canpaign」の中心人物の一人であり、ネットと政治について書かれた電子書籍「パブリックシフト」の著者でもある江口晋太朗氏の協力のもと、選挙だけではないさまざまな領域における可能性を取材を通じて明らかにしていきたい。

ネット黎明期から現在までの、ネットと選挙のかかわり

まずは、今回の公選法の改正によって何が可能となるのかをまとめていきたい。選挙運動とは「選挙において、特定の候補者の当選を目的に投票をうながす行為」のことを指す。

これまでは、選挙運動は選挙が始まる公示日から投票日前日である選挙運動期間の間、ビラやポスター、街頭演説などといった特定の行為に限定されていた。しかし、今回の公選法の改正によって、WebサイトやSNSなどを使った選挙運動が、7月に実施される参議院議員選挙以降から可能となるのだ。

これによって、候補者は選挙中でもリアルタイムに自身の行動をWebサイトやSNSなどを通じて発信することができる。さらに、選挙運動は候補者のみならず有権者であるわたしたちも行うことができ、「◯◯さんに投票しよう」といった投稿を行えるようになる。

もちろん、誹謗中傷やなりすましなど、選挙妨害とみなされる行為は罰則規定が設けられているため、注意が必要だ。また今回の改正案では、政党候補者のみにバナー広告などの有料広告が認められている。

ほかにも、有権者のメール利用に一部制限があるなどの規制があるが、今回の改正はインターネットが政治の分野に利用される、大きな一歩を踏んだと言って間違いない。※ネット選挙の詳細は、総務省のサイトに記載してある

しかしながら、過去に「ネットと政治」にまつわる話題がまったくなかったわけではない。インターネットの登場以降、ネットと政治に関連する代表的な話題は、以下のようなものがある。

古くは1996年から始まり、Webサイトの登場やブログ、TwitterなどのSNSが一般化することにより、政治の世界にも次第にインターネットが使われるようになった。

こうした過程を踏まえて、今回のネット選挙が実現することとなったのだ。

ネット選挙解禁は、政治を身近にできるか

SNSの登場は、これまでの一方向の情報発信から、双方向性を持った情報のやりとりへと情報環境の変化をもたらした。それにより、初めに企業のマーケティングや広告のあり方が変化してきた。そして今回のネット選挙の解禁によって、政府・行政や議員とわたしたち市民との双方向のやりとりによって、ビジネスの世界のみならず、政治の分野においてもコミュニケーションのあり方が変化してくるだろう。

政治の分野におけるインターネットの利用は、誹謗中傷やなりすまし対策、ブログの更新やTwitterやFacebookの投稿などに現在は留まっている。現状として、政治の分野におけるネットビジネスなどのプレイヤーは少ないが、今回のネット選挙解禁をきっかけに、さまざまなプレイヤーが今後登場してくることは間違いない。

視線を日本以外に向けてみると、日本よりもいち早くネット選挙を実施しているアメリカでは、10年以上もの間政治の分野において多様な活動がインターネットを通じて展開されており、世界的にも注目を浴びている。

2000年の大統領選では、共和党ジョン・マケイン氏のインターネットを使った資金調達が注目を浴び、2004年の民主党ハワード・ディーン氏はブログやSNSを活用し支持者のつながりを作り出すなど次第にインターネットの政治利用が増し、2008年のバラク・オバマ氏の選挙戦では、『My Barack Obama』上でマイクロファンディングによる政治献金や、SNSを通じた双方向のコミュニケーションによる政策立案などへと活かされるようになった。

そうした中、オンライン署名によって、市民の声を政治行政に反映させようとする活動も起こり始めた。古くは1998年に立ち上がった『MoveOn.org』などのオンラインの署名キャンペーンサービスが立ち上がり、デジタルを使ったキャンペーンを通じて動員を呼び掛けるツールとして注目を浴びるようになる。
(次ページへ続く)




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