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第4回:僕らがiTunesベストアプリに選ばれるまでに乗り越えた3つの失敗【連載:『カメリオ』のオープン・グロースハック】

タグ : Kamelio, オープン・グロースハック, カメリオ, 白ヤギコーポレーション 公開

 
『カメリオ』のオープン・グロースハック

白ヤギコーポレーション

ビッグデータ解析やプログラミング、物理学から経営学など、あらゆる道を極めた者たちが集うハードコアなエキスパート集団。粗食に耐え、険しい山道も着実に上っていく白ヤギのように、苦難に負けず常に成長していく会社を目指す。2014年2月にローンチしたフォローメディア『カメリオ』をどうやって育てていくか模索中

こんにちわ、白ヤギコーポレーションです。我々の開発しているフォローメディア『カメリオ』は、フォローしたテーマに関する重要なニュース記事やブログを高精度で自動収集してくれる、まったく新しい形の情報収集ツールです。

皆さまのおかげで2014年のiTunesのべストアプリに選ばれました!ありがとうございます!

■『カメリオ』とは

今年4月から始めた本連載は、非常に競争の激しい「ニュース・情報収集系アプリ」のジャンルで、我々の手掛けるフォローメディア『カメリオ』をどうすればスケールさせることができるのかを、日々試しているグロースハック施策を公開しながら読者と一緒に考えていく企画です。

毎回、『カメリオ』に関するデータを赤裸々に公開しつつ、脳味噌フル回転で考えた施策とその結果を紹介していきます。普通の企業なら絶対に公開しないであろうデータも思い切って公開し、グロースハックのノウハウ共有に一役買おうと思います。

>> 『カメリオ』ダウンロード

【4回目テーマ】「教科書どおり」の改善に効果はあるのか

前回は、グロースハックを通じてカメリオユーザーの定着率を3.5倍にしたという記事を書きましたが、定着率はさらに1.2倍向上し、引き続き順調に改善できています。

カメリオの定着率はさらに1.2倍向上

カメリオの定着率は、今年9月時点からさらに1.2倍向上

9月にはApp Storeのベストアプリに選ばれたこともあり、アプリに高い興味を示して使い始めた人が多かったことも改善に寄与しました。

今回の定着率上昇も、引き続き【構築(build)-計測(measure)-学習(Learn)】のサイクルを回した結果ですが、もちろんその過程ではさまざまな失敗も経験しています。

今回はその話について書きたいと思います。

リーンスタートアップやグロースハックの中核となる考えは、上記に示した【構築-計測-学習】をいかに早く回せるかが大切になってきます。この手法に関して『Lean UX』や、『リーン・スタートアップ』の良書を読み、勉強会などにも参加しました。

しかし、そこで「よし分かったぞ」と思っても、実行段階では一筋縄ではいかないこともありました。サイクルの各段階で、一般的に言われて正しいことなのですが、注意が必要なのは以下の点でした。

<構築段階>
■教科書に書いていること >>> 議論しすぎず、まずはやってみるべし
■それをあまり考えずにやると >>> いろいろ気になって作るべき項目の優先順位を見誤る

<計測段階>
■教科書に書いていること >>> 短期間で計測可能な効果を測定すべし
■それをあまり考えずにやると >>> 短い期間での数字の変化に一喜一憂してしまう

<学習段階>
■教科書に書いていること >>> KPI向上の打ち手を見つけろ
■それをあまり考えずにやると >>> ニーズの本質を忘れ、ユーザーがしたくないことをさせようとがんばってしまう

私たちの失敗を糧にしていただくためにも、以下に具体的な事例も挙げながら説明します。

構築段階

■教科書に書いていること >>> 議論しすぎず、まずはやってみるべし
■それをあまり考えずにやると >>> いろいろ気になって作るべき項目の優先順位を見誤る

アプリをローンチしたばかりのタイミングでは、改善する事項が山積みです。そしてチーム内でも、どの点を改善するべきかについて意見が分かれることがよくあります。

カメリオの場合、例えば新しい機能を追加するべきなのか、導線を改善するべきなのか、もっと記事を読みやすいようにデザインを直すべきなのか……といったようにやるべきことがたくさん出てきました。

そんな中で、「まずはやってみるべし」をやってしまったため、後から考えると、今すぐ直さなくてもいい改善に工数を掛けてしまっていたことが結構ありました。

下の表が、やってみたが、たいした効果がなかった項目の例です。

やってみたがたいした効果がなかった項目の例

※クリックで拡大

結局分かったことは、手当たり次第に手を出すのではなく、改善によって具体的に何の数値を向上したいのかを事前に明確化することが、改善の優先順位をつける上で非常に大切だという事でした。

カメリオの場合、定着率の向上につながる最も大切な数字は記事の閲覧数です。その次に大切な数字は、テーマのフォロー数です。

基本的にこの数字と関係ないことはどんなに気になっても優先して実施するべきではありません。特に経験上、色や模様など、デザイン面での変化は提案しやすい一方、定着率に大きな改善が期待できず、導線の変更や機能追加は定着率に大きな影響を与えました。

とりあえず気になるところから手を付けると、おそらく無駄なことをたくさんやってしまい、貴重なリソースを無駄にしてしまうでしょう。

計測段階

■教科書に書いていること >>> 短期間で計測可能な効果を測定すべし
■それをあまり考えずにやると >>> 短い期間での数字の変化に一喜一憂してしまう

アプリをローンチして間もないころは、1日に増える新規ユーザー数が少ないため、毎日のKPIの変化がものすごく激しくなります。

1日あたり100~500人ぐらいの新規ユーザー数増加だと、計測するユーザー数が少ないので、日によって新規ユーザーの翌日継続率が倍になったり半分になったりします。

そのため、導線やデザインの改善効果が出ているかすぐに分からない場合があります。また、毎日の流入が少ないため、ちょっとしたことでKPIにものすごく大きな変化が出ることがあります。

カメリオの場合、メディアで取り上げられると急に新規ユーザーの流入が増え、継続率が急上昇したりすることがありました。下記は、アプリの翌日継続率のグラフですが、メディアで取り上げられた際の翌日継続率は高いことが分かります。

カメリオがメディアで取り上げられた際の翌日継続率は高い傾向に

カメリオの翌日継続率。メディアで取り上げられた際の翌日継続率は高い傾向に

1週間ぐらいの平均で見ると計測するユーザー数も多くなり、必ず改善の影響は見えてきますので、場合によっては少し期間を置き、計測する対象の数が十分になってから改善の効果について結論を出すべきです。

ユーザーが少ないうちは、改善の積み重ねの効果は、すぐに見えないことが多いのです。

学習段階

■教科書に書いていること >>> KPI向上の打ち手を見つけろ
■それをあまり考えずにやると >>> ニーズの本質を忘れ、ユーザーがしたくないことをさせようとがんばってしまう

カメリオの場合、閲覧数やテーマのフォロー数を増やす事が定着率向上につながります。ただし、それは自分の読みたい記事がある、自分がフォローしたいテーマがあるということが前提です。

導線上で読みたくもない記事を無理矢理記事を読ませたり、フォローしたくもないテーマをフォローさせたりしても、当たり前ですが定着率は改善できません。

このように初回ユーザーにパラパラとテーマをめくらせて、フォローボタンを3回押すまで始められないようにする

このように、初回ユーザーにパラパラとテーマをめくらせて、フォローボタンを3回押すまで始められないようにしていたが…

カメリオでは、ユーザーが利用開始にあたって自分がどのテーマをフォローしたいのか明確に分からないため、テーマをなかなかフォローしてくれない問題がありました。

そこでKPIの1つであるフォロー数を増やすために、初めてアプリを使うユーザーにフォローすべきテーマのリストを提示し、そこからフォローするテーマを3つ選ぶまで、カメリオを始められない仕組みを導入したことがありました。

そうやってユーザーに無理矢理「何かフォローしろ」と強制した結果、利用開始3日間での記事の閲覧数もアプリの継続率も、10ポイント以上低下してしまいました。結果的に、継続率も下がりました。

ユーザーが本当にフォローしたいテーマを見つけることができなければ、フォローすることに意味は無いのです。

そのため、現在ではユーザーにフォローを強制するのではなく、FacebookやTwitterの履歴からユーザーがフォローしたいであろうテーマを提示したり、「特集」というコーナーを用意して面白そうなテーマを一覧表示することでフォローの増加を試みています。

ユーザーが検索しなくても、「おすすめ」という形で様々なテーマを提示することで気になるものをフォローできるようにしている

今は、「おすすめ」という形でさまざまなテーマを提示することで、気になるものをフォローできるように変更している

最後に全体的な話となりますが、高速かつ段階的にアプリが修正していくので、プレスリリースの際に「満を持して……」という発表ができなくなってしまう問題がありました。

カメリオは、8月25日にversion 3.0をローンチしました。そこで「リニューアルローンチ!」という形でプレスリリースを出したのですが、前のバージョンから大きくリニューアルされた部分はバックエンドのアルゴリズムが主でした。

UIやUXで大きく変化したものはロゴや色合いで、メディアから「何か前のバージョンから機能やデザインが大きく変わったのですか?」と質問された時に、正直答えに困りました。

グロースハックを続けていると、変更が段階的に実施されるため、車のデザイン変更のように「これが新しいモデルです!」というような驚きのある発表が難しく、対メディアのインパクトが弱くなりがちです。

カメリオの場合は、テーマ数の増加やレコメンド機能の充実など、目には見えないが大きく、変更された部分を強調すると同時に、これまでiPhoneのみだったプラットフォームがAndroid、Webへ拡張されることも抱き合わせて発表し、プレスリリースのインパクトを出しました。

アプリをローンチしてから私たちも多くのことを学びましたが、アプリをローンチしてから日が浅く、なおかつグロースハックをしている方々は同じような課題に直面することもあると思いますので、ぜひとも参考にしていただければと思います。

白ヤギの一員としてオープン・グロースハックに参加したいという方は…

白ヤギコーポレーションでは革新的な情報サービスを提供することで「深く知ることで、生きることを豊かに」の実現を目指しています。 カメリオの面白さに可能性を感じ、開発に携わりたいと思ったエンジニア、デザイナーの方は是非お気軽に白ヤギコーポレーションにご連絡下さい!

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