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[連載:品田哲③] 「すぐ終わる」ことが価値の今、あえて「ずっと続ける」ことにこだわる

タグ : 30代, コミュニケーション, スキルアップ, スペシャリスト, ソニー, メカ屋, モノづくり, 広告, 研究者, 自動車, 設計, 転職, 開発, 電気屋, 面接 公開

 
テクニカライザー・品田 哲のエンジニア観察日誌
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株式会社フロンテッジ  先端コミュニケーション・ラボ  ディレクター
品田 哲

技術力と先見性を武器に、異業界をまたに掛けて活躍する”テクニカライザー”。大学卒業後、ソニーに入社し、一貫してカーエレクトロニクス分野の設計開発に携わる。2001年には、ソニーとトヨタがコラボレーションしたコンセプトカー、Podの共同製作を担当。2007 年より、ソニーと電通の連結子会社である広告代理店・フロンテッジにて、現職

エンジニアには、他の業種と同様にいろいろなタイプの人がいます。ただ、過去の経験から考えると、大雑把に2種類のタイプに分けることができそうです。

【タイプA】 一つの事柄を徹底的に積み上げる寡黙なタイプ 

どちらかというと口下手で、コミュニケーションがうまくありませんが、その分こつこつと仕事をこなしていくタイプです。

こういった人は、実は会社にとって貴重な人材のはずですが、評価されにくい。このタイプの人が多い分野としては物性、ケミカルなどの開発分野が挙げられます。最近でいえば、高速無線通信(高周波技術)、電池開発、または医薬品などの分野があてはまるかもしれません。

ケミカル分野は特にそうなのですが、「一挙に躍進する技術」というものが多くなく、地道な実験の繰り返しが多いからでしょうか……。そういう意味でブルーLEDの成功は、(もちろん、地道なトライの積み重ねの上でできたものではあるものの)開発されてから一気にブレークした稀有な例と言えるでしょう。

会社内では、マネジメントよりも主任技師などのタイトルにつく人が多いです。

【タイプB】 グループを率いる率先型

交渉術や、説得術を比較的心得たエンジニアがこのタイプ。マネジメント的なので、会社からは評価されやすい人です。

わたしの経験では、電気設計者よりも、メカエンジニアに多いタイプだと感じています。こういう人は「俯瞰できる能力」が高いこともあり、例えば問題が発生したときなど、解決するための担当者への指示が(エンジニア経験をベースにしているため)的確で、最短ルートを発見することができます。

複数の部門にまたがったプロジェクトを任せるに適した人なので、音楽演奏でいうと指揮者でしょうか。

メカ屋には、オープンなスタンスの人が多い

わたしのエンジニア時代には、メカ定例、電気定例というものがあり、電気屋(電気エンジニア)とメカ屋(メカエンジニア)、それぞれが情報共有するミーティングがありました。

この定例会議は、たとえば部品共通化、SS(ソニースタンダード)という設計に必要な情報の共有、プロジェクトの進捗などを報告する会議なのですが、「メカ定」においてはこれが中止になることがかなり少なかった記憶があります。

つまり電気屋には、コツコツと仕事をしていたいタイプAが多く、逆にメカ屋にはマネジメントの得意なタイプBが多い傾向にあったからだと、わたしは考えています。

ほとんどのエンジニアは、この2タイプの間のどこかに位置しているでしょう。なぜメカ屋に、コミュニケーションを積極的にとる人が多く、電気屋には少ないのかについては、諸説いろいろあります。

一説には、「メカの不具合は誰が見ても分かる。歯車がかみ合っていないとか、部材同士があたっているのは、誰が見ても明らかで設計ミスは隠しようがない」だから、普段から包み隠さないスタンスでオープンなのだ、ともいわれています。

一方、電気やソフトの設計ミスは、「誰が見ても明らか」ではないので、言い張れば勝ち、という部分もあるようです。

マネジメントタイプの人間は、ネット以外の情報ソース源を持つべき

では、それぞれのタイプに求められることとは何でしょうか?

タイプAの人にとっては、たとえ同業でも異業でも、人とのコミュニケーションが、これまで以上に必要となるでしょう。ノーベル賞受賞の先人達も、必ず仲間や、競業の人との交流があり、それを通して、「そうだ!これをためしてみるか!?」という発見があったはず。

たとえ、コミュニケーションに苦手意識があったとしても、それを克服すべく努力することは、必ず将来の役に立ちます。わたしの知る転職者も、話を聞くと、必ずと言っていいほど、以前からの知り合いの「引き」があって就職しているのです。

純然たる技術のコミュニケーションだけでなく、どういったことで悩んでいるのか、どういう考え方をするのか、を他の人に知っておいてもらう良い機会でもあります。

タイプBの人にとって必要なのは、煮詰める時間かもしれません。人とのコミュニケーションは、敢えて意識しなくても(相手から来るということも含めて)盛んなタイプBの人は、伝聞に依存する知識が増えます。しかし簡単に得た知識ほど、簡単に忘れる上に、真実かどうかも定かではありません。

情報ソースをインターネットに依存している人が多い中、タイプBの人は、自ら検証するよう意識することで、自身の付加価値を高められるのではないでしょうか。

「一点集中」していることがあれば、面接もラクラク

どちらのタイプにも絶対必要とされること、それは、“一度はある分野において集中して研鑽を積む”ということです。

最近は、すぐに結果が出ることがもてはやされる傾向にあります。そのために、例えば薬の開発では、長きにわたる新薬開発が疎んじられていますし、映画の世界では過去の成功を引き継ぎ易いリメイクが盛んです。

ゲームの世界では、大作よりは隙間時間を使ったすぐに終わるゲーム、そして宝くじでもその場でわかるスクラッチ、テレビドラマでもせいぜい8話ぐらいで終了するものが多いですよね? その結果、真に革新的なものが生まれにくくなっているかもしれないと、わたしは危惧しています。

そんな今こそ、何事も簡単にあきらめずに取り組むことが、より重要になってくるのです。

集中して研鑽を積むことで、転職の面接などの場面で、言葉に自信をもって(自分の言葉でしゃべれる)、自然に話すことができるようになりますし、そのことは、必ず面接官に伝わります。

また、研鑽を積む対象は、たとえ仕事とは関係のない趣味事であっても、思わぬ場所、思わぬ方向で何かしらの役に立つもの。あなたに何か、熱中できるもの/ことがあるなら、まずはその分野をとことん追求してみましょう。長い目で見ればそのことがきっと、キャリアの変わり目でうまく作用するはずですよ。

【追伸】
4月中旬に、ファインテックジャパンというイベントがありました。ここでは、今後増えるであろう、裸眼3Dやインタラクティブ性を持った大画面サイネージが未来のものとして展示されていました。文章で説明するよりもご覧いただくべく、動画をUPしましたので是非ご覧ください。

撮影/小林 正(人物のみ)




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