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[連載:企業に直撃!] 「Androidといえば東北」を目指して~カヤック旅する支社・仙台流、東北復興事業~

タグ : Android, Webエンジニア, エンジニア, カヤック, 仙台, 復興支援, 旅する支社, 理念, 鎌倉, 震災, 面白法人 公開

 
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面白法人カヤック  仙台支社長
野崎錬太郎氏(写真:右前)

面白法人カヤック 元社員(現・プレイスマート代表取締役)
本間哲平氏(写真:左)

面白法人カヤック 社員
小林星也氏(写真:右奥)

「震災後、東北地方の皆さんに対して、自分たちだからできることは何か?そう考えたときに、多くのアプリケーションを開発してきた実績が浮かんだのです。この経験とノウハウを活かせないかと思い、出したプランが、『Android(の開発拠点)といえば仙台』というブランドを東北のWebクリエイターの方々が構築するお手伝いをすることでした」

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カヤックの経営理念は、Googleで「経営理念」と検索すればトップに出てくるほど有名

野崎氏と本間氏は今、仙台や周辺地域のエンジニアたちとともに世界へ向けた事業を築き上げようとしている。

この仙台支社の取り組みは、面白法人カヤックが創業以来続けてきた理念ともシンクロする。

「面白法人」と称するカヤックでは、面白いことはユニークであることとする。「旅する支社」なんていうオリジナルの制度もある。ネットさえあれば、どこでも仕事はできる!という発想で、今までにもイタリアやハワイやベトナムに「期間限定支社」を展開してきた。今回の仙台支社開設も、3ヶ月間限定の「旅する支社」の制度のもとで実施された。

そんな姿勢なのに、いや、きっとそんな姿勢だから、創業以来10年間、成長に成長を重ねてきた。受賞歴も並ぶ。今年はAndroidアプリの「ナカマップ」開発でAndroid Application Award 2010-11 Winter 優秀賞などを受賞した。

そんな会社だからかどうかはわからないが、野崎氏も本間氏も自ら進んで仙台にやってきた。「旅する支社・仙台」の主要メンバーである。

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シェアリングオフィス「TRUNK」の様子

4月、まだ「何ができるか」もわからない中、仙台でシェアリングオフィス「TRUNK」に入居する舘内氏が知人を通じて、カヤックの柳澤大輔CEOに声をかけたのがきっかけ。

TRUNKのオフィスに集まっている30人以上のクリエイターや技術者は多かれ少なかれ震災による影響を受けていた。そこでのヒアリングからスタートした。

「つくる人を増やす」ことで東北を元気にしたい

「その後も、様々な方とお会いしました。ITで何か支援や復興のお役に立てないか、と模索してHack for Japanの仙台会場でブレストに参加したり。避難所などで取材を続けるメディアの人に実情を聞いたり。仙台にある複数の企業さんに仕事スペースをご提供いただいて、仕事をしながらコミュニケーションを通して生の言葉を聞かせてもらったり……と、現地の状況を知るために情報収集からはじめました。その結果わかったのが、たくさんの東北の人たちが、自分たち自身の手で元気をつかみ取ろうとしていること。それならぜひ何かモノをつくる力になりたい、と思ったんです」(野崎氏)

「世界中の多くの人が使うモノをつくり、つくったものが日本全国や世界で認められたなら、きっと嬉しいはずです。僕たちも注目をし、開発経験のあるAndroidアプリは、ちょうどこれから世界市場が開かれていくタイミングですし、『Androidといえば仙台だよ!』と世界の人に知らせるきっかけをつくることができたら、と考えたわけです」(本間氏)

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「先日も、仙台や東北を中心にAndroidで盛り上げようとしている仙台の復興アプリラボ(仮)の会議に参加しました。みんな、盛り上がる準備は万端です」(野崎氏)

「旅する支社・仙台は5月13日に開設しました。僕らは8月13日までの3カ月間で2つの目標を達成して軌道に乗せようとしています。1つは具体的なAndroidアプリの開発案件を、この地で、ここの人たちとともに、進めていくこと。もう1つは、『Androidと言えば仙台!』につながるような下地をいろいろな方面で築いていくことです」(野崎氏)

 1つめの目的に向けては、もうすでに動き始めている。野崎氏や本間氏がもともと抱えていた開発案件を仙台に持ち込み、地元のエンジニアとともに進めているのだ。すでに、本間氏は自身がかつて開発した「胸キュンシャッター」の、Android Open Accessory版を仙台に来てから作成し、後述するAndroidの会東北支部の発信会で発表したという。

Androidを専門とするエンジニアは、全世界的にまだ数が少ない。仙台の場合はさらに、Web系エンジニア自体が東京と比べても少ない。しかし、仙台のエンジニアの多くが独学でAndroidの勉強を進めていた点、そして何より強烈なモチベーションを持っていたことからAndroid開発の土壌はできているように思えた。

「いま、仙台ブランドのアプリが生まれて、これがヒットすれば、きっと何かが変わる。僕ら2人だけでなく、ここにいるみんながそう信じていますよ」と微笑む。

 これは、もう1つの目標にもつながっていく。5月末にはAndroidの普及・促進を目指して立ち上がったコミュニティ「日本Androidの会」東北支部の発信会にも参加。仙台に限らず、東北にいるたくさんの作り手たちが熱い気持ちを備えていることがわかったという。

「仙台ブランド」のAndroidアプリで世界をアッと言わせる

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撮影場所:TRUNK | CREATIVE OFFICE SHARING

「つくる人を増やす。これがカヤックの経営理念なんです。つくるという行為は自分の価値観を見つめ直せるだけではなく、誰かのことを考え、誰かとつながるきっかけになります。だからつくるという行為が増えていくことで人が幸せになっていける。そんな考え方で僕らは今までやってきました。

仙台に初めて来たころは戸惑いもありましたが、この理念どおり、僕たちらしく活動していこうと思っています。実際に被災したみなさんは、今もなお大変な日々が続いていると思いますが、例えば仙台や東北の内陸の都市部では『こんな時だから頑張っていこう』という気概の持ち主がたくさんいます。そんな皆さんの足がかりとしてAndroidの技術が使われていけるように、つくる人を増やす活動を続けていきます」(野崎氏)

「私たちはまだ何も成し遂げていません。お手伝いできることは小さなことかもしれませんが、この活動が仙台のみなさんにとって少しでも活力になれば嬉しい。この3ヶ月で人間関係を築いて仙台でのモノづくりを続けていきたい。今は本当にそう思っています」(本間氏)

 もしかすると、「仙台といえば?」の質問に、皆が自信を持って「七夕、牛タン、Android!」と答えられる日がやってくるかもしれない。

「同じものを目指してコミュニケーションを繰り返しでつくっていけば、きっと成功する」。彼らの”旅”は、まだはじまったばかりだ。

取材・文・撮影/森川 直樹




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