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[連載:Data Scope] 進む「採用ピンポイント化」で問われる、自己プロモーション力を高める2つの視点

タグ : 20代, 30代, SE, Web, スキルアップ, ソーシャル, プログラマー, プロフィール, 抽象化, 調査, 転職, 開発 公開

 

IT・Web業界の転職で、「ピンポイント採用」が急速に進んでいる――。キャリアデザインセンターのシンクタンク・CDC総合研究室の調査によると、情報通信産業の中途採用活動で、この傾向が顕著になってきている。

下の【図A】を見てほしい。これは、総合転職サイト『@type』が求人掲載企業に対して行っている掲載満足度調査から算出した、「面接数平均」の推移である。各企業に寄せられた応募の中から、面接まで進んだ数の平均値を示すこのデータは、2009年7月の面接数を指標100とし、2011年8月までの比較値を表している。

【図A】 『@type』求人掲載企業の「応募から面接まで進んだ人の数」推移

(※調査を開始した2009年7月を指標100とし、毎月の比較値を算出) 

出典:総合転職サイト『@type』掲載求人企業の平均面接数推移(株式会社キャリアデザインセンター CDC総合研究室)

出典:総合転職サイト『@type』求人掲載企業の平均面接数推移(株式会社キャリアデザインセンター CDC総合研究室)

この推移を見ると、企業が1度でも面接を行っている数、つまり応募から面接までたどり着く人の割合が年々下がり続けていることが分かる。これは全業種において見られる傾向(図Aの緑線)だが、情報通信産業の値(図Aの紫線)だけを切り取っても、2009年の面接数を100とした場合、2011年はどの月も約半数の50台周辺を行ったり来たりしている。

一方、下の【図B】に示した採用数平均に目を移すと、時期によって上下動があるとはいえ、大体120~80の間を推移している。これらのデータが示す事実は、「採用数はほぼ変わらないが、面接数は減っている」という事実だ。

【図B】 『@type』求人掲載企業の「求人掲載後に採用した人数」推移

(※調査を開始した2009年7月を指標100とし、毎月の比較値を算出)

出典:総合転職サービス『@type』求人掲載企業の平均採用数推移(株式会社キャリアデザインセンター CDC総合研究室)

出典:総合転職サイト『@type』求人掲載企業の平均採用数推移(株式会社キャリアデザインセンター CDC総合研究室)

このような傾向が出始めた背景を、ある人材エージェントはこう語る。

「一番の要因は、リーマン・ショック以前、主にSIerなどが行っていた100人規模の大量採用が極端に減ったことが挙げられます。IT産業では最近、Web系の求人、アプリ開発や運用回りの採用が盛り上がっていますが、どの企業も採用人数は数名程度、多くても数十名規模です。となると、当然、前職での経験マッチングや、年齢の若さが重要視される選考となってきます」

また、ほかの要因として、採用に携わる人事部門のマンパワー不足と、採用プロセス自体の簡略化が挙げられるという。特に開発を主力事業としている会社ほど、中途採用専任の人事担当者が少なく、「かつWebサービスの世界は競争が激しいため、良い人材を他社に先んじて採用したいという理由で、面接の回数もどんどん減らす傾向が出ている」(先述の人材エージェント)とのこと。

実際、ある有名なソーシャルゲーム開発会社では、面接は現場の開発責任者が行い、たった一度の面接で即内定というところもある。人事担当者は入社ポジションや雇用形態の判断のみで、ほとんど「一発勝負」の様相を呈している。その分、応募者の前職やスキル面は、書類選考の時点で吟味されているのだ。

必要なのは「ソーシャルプロフィール」と「抽象化思考」

ならば、このピンポイント採用の時代に”お声のかかるエンジニア”とはどんな人材なのか。さまざまな声から分析すると、それは「プロフィール発信力」の高いエンジニアということになりそうだ。

あるWeb系サービス会社のCTOは、「Facebookや個人ブログなど、ネット上で経歴が事前に分かるエンジニアは、面接で質問したい事柄が見つけやすいので最初の選考も通過しやすい」と明かす。業務経験はもちろん、個人的に手掛けてきたWebサービスや機能開発についても列挙している人は尚可だという。

また、別のソーシャルアプリプロバイダーの開発責任者はこう話す。

「個人ブログなどで自分なりの技術評論や、新しい技術習得のプロセスを公開している人は、『ある技術が成り立っている仕組み』まで理解している場合が多い。なぜなら、業務上、詳細に説明できないような取り組みなどは、抽象化して書かざるを得ないからです」

技術の仕組みを抽象化して表現できる人は、表層部分のトレンドだけ聞きかじっている人に比べて、その技術への理解力が高いのだと話す。ネット上のアクティビティでこうした側面が事前に見て取れる場合、その時点でスキルの高さを推察できるため、面接まで進むチャンスも高まるという。

以前、弊誌が取り上げた[特集:ITエンジニアの価値って何? 1/3] ヘッドハンターが「活躍できる人材か」を見極める4大ポイントや、[特集:ギークなままで、食っていく 1/4] スーツvsギークはもう古い!? 「稼ぐプロフィール族」が持つ3つの共通項でも、採用に携わる関係者たちが異口同音に「ソーシャルプロフィール」の重要性を述べていたことからも、これからの厳選採用時代を生きていくには”ネットプロモーション”が欠かせないようだ。

取材・文/伊藤健吾(編集部)




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