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シリコンバレーで活躍する20代エンジニアが考える、転職に失敗しない企業の選び方【上杉周作×野口勝也】

タグ : Edsurge, Gumroad, エンジニア, キャリア, シリコンバレー, 上杉周作, 転職 公開

 

「シリコンバレーで働くエンジニアのジョブチェンジの周期は、1~2年程度が平均的だと思います」

そう話すのは、弊誌の連載でもおなじみの上杉周作氏だ。大学時代にApple、Facebookでのインターン経験を経て、パランティア・テクノロジーズ、Quoraにてそれぞれ、エンジニア、Webデザイナーとして活躍。現在は、EdSurgeという教育系スタートアップにてエンジニアとして奮闘している。

アメリカのデンバーからSkype取材に応じてくれた上杉氏(写真左)と野口氏(写真右)

エンジニアとして日本で働くことと、シリコンバレーで働くことには、どんな違いがあるのだろうか。そんなことを、エンジニアとしてのキャリアをシリコンバレーでスタートさせ、「今後も、主戦場はシリコンバレー」と話す上杉氏と、同じくシリコンバレーでエンジニアとして活躍する野口勝也氏に聞いてみた。

野口氏は、米国Twitter初の新卒エンジニアとして、フロントエンドからバックエンドまで幅広い領域の開発に従事。現在は、GumroadというECサービス系スタートアップでエンジニアとして活躍している。

上杉氏が冒頭にコメントするように、日本とシリコンバレーにおける違いの一つとして、「転職」に対する考え方があると2人は話す。早いサイクルでジョブチェンジを繰り返すエンジニアが多いシリコンバレーで、どうすれば生き残っていけるのか。彼ら自身の経験から紐解いてみたい。

転職は、自分の直感に従うことが重要

「転職は直感的に行うことが多い」という上杉氏は、25歳にしてすでに5つの企業で勤務した経験がある。

「今思えば、1年ごとに組織を変わっていたのですが、インターン先を変えたり、転職をしたりする際には、僕は2つの決めごとを作っていました。それは、社員数の規模を一桁ずつ小さくしていくことと、その時の直感に従うということ。

僕が在籍していた当時のAppleが1万人規模の企業で、今エンジニアとして働いているEdSurgeが僕を含めて7人。お陰で、仕事のスキルアップだけでなく、スケールに合わせた組織マネジメントについても大きな学びを得られました。もし自分が将来起業するとなった場合には、それぞれの組織規模での働き方を知ることはとても有意義なんじゃないかなと思います」(上杉氏)

もう一つの「直感に従う」ということについては、ユニークな例えを交えて語ってくれた。

「職場を変えることは、新しい洋服を着るような感覚に似ている気がします。例えば、買い物をしていて、カッコいい服がディスプレイされているマネキンがいたら、『あの服欲しい!』と思いますよね。それと同じで、『こんなチームと働きたいなぁ』と直感的に思えるかどうかは、僕にとってはとても重要なことなんです」(上杉氏)

こうした「直感的な転職」には、野口氏も賛同する。

「転職があくまで個人の問題だという前提でお話をすると、論理的に考えたところで成功するかどうかは別物だと思います。これは僕の場合ですが、昔から人生の決断をする時は頭で考えて行動すると失敗することが多いので、自分がやってみたいと思う衝動に従っています」(野口氏)

転職先に失敗しないための、良い企業の選び方

2人がこうした「転職観」を持っているのも、いまだ終身雇用への幻想が残っている日本と、その道のプロとして自立し企業に依存しないアメリカとの価値観の違いが大きくかかわっている。シリコンバレーの舞台に挑戦したいエンジニアにとっては、現地の流儀も十分に理解しておきたいところだ。

さらに両氏が話すのは、「転職先に失敗しないための目利き」についてだ。

「以前、ColorがAppleに買収されましたが、あれは結局エンジニアチームだけが欲しかったからで、サービス自体は結局成功しないまま終わりましたよね。みなさんもご存知の通り、Web系企業は大小さまざまあります。その中で、しっかりスケールする企業を見極める力は持っていないと厳しいと思います」(上杉氏)

実際に、両氏は以下の5つのポイントに気を付けて企業を選んでいるという。

《スケールする企業を見極めるポイント》

・CEO、Co-Founderが優秀……企業規模は、トップの能力以上にはスケールしない。また、CEOやCo-Founderが優秀なら、優秀なエンジニアは自然と集まってくる

・ギャンブル志向のCEOは避ける……成功すればビッグになる可能性はあるが、その分失敗するリスクも高いため危険

・過度なメディア露出、広告掲載をしていない……必ずしも「メディア露出が多い=優れたサービス」ではない。サービスリリース特需などの可能性が高く、実は大したことがないという例が少なくない

・人的ネットワークの構築や情報交換に汗を流している……ベーシックなことをコツコツと続けられる会社はすごい。自ら地道な作業を担当するCEOは優秀

・ステルス開発の段階ではチーム人数が少ない……Webサービスを作るのに、初期メンバーは10人もいらない。少数精鋭チームを探すべきだ

細かい将来設計よりも、今その場で何を吸収できるか

From ShashiBellamkonda
上杉氏も野口氏も、将来の夢に向かって、時に柔軟に、流れのままにキャリアを構築しているのがよく分かる

これまで、2人のシリコンバレーでの経験をもとに、両氏の転職観や、転職先企業の見極め方について伺ってきた。今後もシリコンバレーというIT業界の最前線で働く中で、彼らが目指すのは一体何なのか。最後に、2人のキャリアビジョンについて聞いた。

「将来的に起業したいという想いは、以前エンジニアtypeでお話したころから変わりません。そのために何をするかについては、あまり細かいステップは考えないようにしています。例えば、5年前の自分が今の自分を想像していたかと言われると、そうではありませんから(笑)。今は起業のための基盤を作っている段階ですが、前職ではフロントエンドからバックエンドまで幅広い領域の開発に挑戦させてもらい、いろいろと学ぶことができました。

また、企業規模が約600人から約1400人へと成長する中で組織マネジメントについてもいろいろ学ばせてもらいました。現在エンジニアとして働いているGumroadでは、スタートアップ界隈のネットワークを作ったり、もっとコアな部分でプロダクト開発に従事していきたいです。僕自身、元々何も持っていないので、失うものはありません。最悪仕事を失うだけなので、失敗することに対してはあまりリスクだとは思わないですね。逆に今の状況に安住してしまうことがリスクだと思うので」(野口氏)

一方で上杉氏は、「自分の人生で何か一つ成し遂げるとしたら、この業界で」と、教育業界に掛ける想いを語る。

「僕は今、教育業界の動向や仕組みについて必死に勉強しているところですが、今アメリカでは、教育ベンチャーバブルと言っていいくらい『IT×教育』の取り組みが盛り上がっています。ただ、教育系ベンチャーは、アメリカでもまだ利益を出している会社は少なく、今投資家からの資金が途絶えたら、教育業界のイノベーションは停滞する可能性だってあります。だから、万が一教育業界バブルが崩壊した時にも生き残れるような経験値やつながりを作っていきたいですね」(上杉氏)

取材・文/小禄卓也(編集部)




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