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次のApple、Googleを目指すために~誰でも分かる! ベンチャーの企業価値を高める「特許戦略」

タグ : Apple, Google, Synclogue, グローバル, スタートアップ, 国際特許, 特許 公開

 
グローバルスタートアップに学ぶ、世界に通用する仕事術
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Synclogue International, Inc. 広報担当(@Synclogue

Windowsアプリの同期ソフトウエア『Synclogue(シンクローグ)』をはじめ、新しいSyncの仕組みを提供するテクノロジー企業、Synclogue International Inc.の広報担当です。『Synclogue』を世界中で利用されるサービスに育てることがミッション。月に1度は米国と日本を行き来しています。世界トップレベルの技術力を持つエンジニアに囲まれながら奮闘する文系男子

こんにちは。Synclogue International, Inc(シンクローグインターナショナル)の広報担当です。

今回のコラムでは、企業価値を高める一つの方法論として、特許戦略について書きたいと思います。

いわゆるグローバルカンパニーは、自らの事業の根幹となるような技術で特許を持っていることが数多くあります。Synclogueも、独自のソフトウエア仮想化技術で国際特許を出願しており、その経験談をもとに、ベンチャー企業の経営者のみならずエンジニアの方々にもぜひ知っておいていただきたい基本的な知識をまとめていますので、ぜひご一読ください。

ベンチャー企業における特許の重要性

まず、特許とは何かを簡単に説明しましょう。

漠然と理解している人も多いかと思いますが、辞書を見てみると、《特許法により特許を得た新規の発明・考案を独占的・排他的に使用できる権利》とあります。つまり、簡潔に言うなら、自分のアイデアや技術を「独占的に・排他的に」使用できる権利ということです。

ベンチャー企業が特許を取得し、その特許を必然的に使わなければならない市場・領域で事業を成立させれば、その特許は“旨みのある市場”への他の新規参入者を阻み、ブルーオーシャンが維持されることを意味しています(もちろん、特許には期間がありますが)。

では、独占とはどういうことでしょうか。

経済学的には、独占とは《完全競争市場においては、市場参加者はすべて価格を受け入れる側であり、自ら価格設定できないが、独占企業は価格決定権者として自らの利益を最大限にするような価格設定を行うことができる》と定義されます。

競争市場であれば、他社の参入による値下げ競争が発生するなど、自ら値付けをできなくなるわけです。逆に独占市場にできれば、売り手は1人(1社)であり、それが「必需」なものであればあるほど価格を自由に決められるのです(いくら高くても、どうしても欲しければ消費者は買わなくてはならないわけです)。

独占市場では、商品に対して本来の価格以上を払わなくてはならず、ほかのモノとの交換を阻害するなど、経済市場全体にとっては善ではないため一般的には独占禁止法で禁じられています。ですが、特許はそれを部分的に認めてくれているのです。

ベンチャー企業が特許を取得するメリットはまさにここにあります。

特許を保持し、ブルーオーシャンとなる市場で消費者にとって必需となる事業の創造に成功すれば、そのキャッシュフローは他社から脅かされることはありません。また、自らに価格の決定権があるため、売上を自分で設定することができるようになります。

もちろんここでは、

【1】取得する特許の汎用性が高く(特許を利用しないという迂回路がなく)、競争相手を高い確率で阻害する

【2】水道などのインフラのように、必需に近い事業(価格が高すぎると買わないという選択肢を消費者がしにくい)

であることが重要です。

企業の価値は、現在の資産価値で評価されるものではありません。将来の利益(≒将来のキャッシュフロー)見込みも評価され、現在の資産価値に足し算されます。

すなわち、競合が参入する可能性があり、将来の利益が脅かされる事業や、ブームに乗った一過性の事業と比較して、キャッシュフローが高水準で中長期的に安定する事業を作るということは、企業の価値を高めることになります。

企業価値を高めることは、資金調達において投資家にシェアを奪われないために重要です。強力な特許はその一つの解になるかもしれません。

特許を取得するまでのステップとハードル

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From Dick Johnson
日本国内で特許申請を取り扱う、経済産業省の特許庁

さて、特許を取る、と簡単に言ってもそこにはさまざまなハードルがあります。

新規性や進歩性など特許として認可されるにもいろいろな評価軸があり、すべてを自分1人で判断するのは不可能です。

ゆえに、特許の取得を支援してくれる弁理士の力を借りましょう。今回は割愛しますが、弁理士の中にも領域によって得手不得手があったり、裁判を前提とする特許の書き方が下手だったり……といろいろありますので、できれば詳しい人からの紹介が望ましいと思います。

ベンチャー企業におすすめの「特許を取るまでのステップ」は下記の通りです。

【1】自分たちで、新規性(まだ世の中にない)や進歩性(今ある技術から容易に想像しえない)があると思える技術・設計を開発する。あるいは、説明できるようにまとめる

【2】弁理士に、“汎用性が高い(迂回路がない)”特許として取れるかどうか相談する

【3】問題なければ、弁理士に必要な資料を渡し、申請を代行してもらう

まず【1】について、何の事前知識もなく「新規性や進歩性は本当にあるんだろうか?」と考えるのは不安になると思いますが、自分で可能性があると思うものをまとめ、弁理士と相談した方が早いかと思います。

自らの技術や設計などに新規性・進歩性があるかどうかを、弁理士に依頼して類似特許などを含めて事前に徹底的に調べるという手もありますが、当社の経験上、時間とコストの割に見合わなかったのでお勧めはしません。

ベンチャー企業の場合、お金もなかなかないですし、その特許によってビジネスが成立するかどうかも確証がないと思いますので、いわゆる”特許”を各国にそれぞれ出すのではなく、仮に日本だけに出願するとしても、特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願をおすすめします。

これは“特許”をすぐに手にするということではないのですが、国際出願が審査の上で受理されると、約2年間は各国へそれぞれ特許出願することなく、特許を取得する権利を有することになります。もちろん、その後各国でそれぞれ審査されますが、国際審査を通っているという前提があるので有利に働きます。

何より一番ありがたいのは、PCTに関する支払は発生するものの、日本語で出願できることと、各国出願でそれぞれかかるコストを2年間繰り延べられるということです。つまり、事業や資金調達に成功してから、それなりの出費となる各国出願をすれば良いわけです。

特許を取ることのメリットと、Synclogueの特許戦略

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From BusinessSarah
特許取得はあくまでも手段。事業として考えるべきことは?

さて、ここまでベンチャー企業における特許の重要性と特許の取り方についてご紹介してきましたが、Synclogueが特許を重要視する背景には、キャッシュフローを中長期的に安定させたいという考えがあります。

前述した通り、企業の価値は、今会社にある資産だけではありません。将来的な確度の高い収益見込みがあればあるほど、企業の価値は高まります。

「1年後、2年後、3年後……10年後のキャッシュフローが最低○○円以上あることがかなりの確度である」となれば、それらの利益の可能性も、現在の企業価値に足さなくてはなりません。

“独占”や“必需”というキーワードを事業の戦略に取り入れることで、事業の中長期的なキャッシュフローを、確度の比較的高い状態で安定化することができます。

昨今の「●●アプリ」、「●●ゲーム」などのように、ブームに乗って一時的に騒がれるサービスもたくさんあります。ただ、そういったサービスは残念なことに、あくまでブームであって、普遍にはなりにくい。中長期のキャッシュフローを“確度の高い状態”で具体化できません。

結果として、中長期にキャッシュフローが安定している企業に比べて、企業価値は小さくなってしまいます。

われわれSynclogueは特許にこだわっているわけではなく、あくまで永続的なキャッシュフローを生み出す事業を保持することを重要視しています。それを実現する一つの解として、特許というものの戦略を考え、実行しています。

参考になりましたでしょうか? 少しでもベンチャー企業を経営されている方、あるいはこれから興そうとしている方などの参考になれば幸いです。

■SynclogueのWebサイト:https://www.synclogue.com/




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