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地方創成のカギはIngressが握ってる?ネットとリアルを結ぶ方法【TechLION vol.21レポ】

タグ : Ingress, TechLION, ゲーム, 地域活性 公開

 
「ITとゲーム」をテーマに行われた『TechLION vol.21』の登壇者。左から2人目が伊藤学氏

「ITとゲーム」をテーマに行われた『TechLION vol.21』の登壇者。左から2人目が伊藤学氏

IT業界やブロガーの間で人気を博しているGoogle発の多人数参加型位置情報ゲーム『Ingress』。最近では企業や自治体とコラボする事例も増えており、地域活性に一役買っているとも言われている。

2015年5月25日に開催されたエンジニアトークイベント『TechLION vol.21』は、「ITとゲーム」がテーマ。その中で、「Ingressと地域活性とコミュニケーション」と題した講演が行われた。

登壇したのはフリーランスのWebディレクター伊藤学氏。自身Ingressのヘビーユーザーであり、数々のIngress関連のイベントをプランニングしていることでも知られている。

昨年9月に「まち・ひと・しごと創生本部」が安倍晋三首相の肝入りで設置されたように、地方創生は喫緊の課題となっている。Ingressはなぜ地域活性に有効なのか。うまく地域活性に結び付けるためのポイントはどこにあるのか。伊藤氏の講演内容を紹介しよう。

プロフィール

STUDIO Freesia

伊藤学氏(@gaku

学生だった1999年にWeb制作ユニットを結成。接客・サービス業の傍ら、Web制作や派遣登録スタッフへの講師などを行う。2006年にWebSystem Inc.入社、日本最大手の自動車会社のWebサイト設計などを行う。2010年に独立し、Web制作だけでなく映像制作、カメラマンとしても活動しつつ、東日本大震災を機にインターネットとリアルを融合させる地域活性活動を行っている

「Ingress飴」を発端に、さまざまなイベントをプランニング

学生時代に自らWebページ制作ユニットを立ち上げたところから、IT業界に足を踏み入れたという伊藤氏。

Ustreamのエバンジェリストを務めていた時期もあり、仕事で地方を訪れる機会も多かったことから、2011年の東日本大震災を経て、インターネットを使って地域活性に貢献できないかという思いを強くしていったという。

「まいあめ工房」が自主的に制作した「Ingress飴」。現在はGoogle Japanから許諾され、一般に販売している

「まいあめ工房」が自主的に制作した「Ingress飴」。現在はGoogle Japanから許諾され、一般に販売している

Ingressを使った地域活性にかかわり始めたのは、ユーザーの間ではよく知られた「Ingress飴」が発端だった。

製作している名古屋の「まいあめ工房」代表・中村貴男氏と知り合いだった関係で、関東でIngress関連のイベントが開催される際に、参加者に飴を配るようになった。

「製造工程が見たい」という声に応えて、見学イベントも開催(製造工程の動画はコチラ)。その時のツイキャス中継を見た堀江貴文氏からも「分けてほしい」と声が掛かった。

その後は、地元・川崎市の商店街などとコラボし、リアルイベントも開催している。Ingressのミッションをクリアした上で「はしご酒」などの地域活性イベントに参加すると、特典がもらえるなどの取り組みを行った。

「手探りの開催でしたが、もともと地元だからということもあって、商店街の人たちも非常に協力的でした。参加者の中には、東京などの遠方から来てくれた人もいました」

自身が講師を務めるバンタンデザイン研究所では、学生がミッションエンブレムをデザインするプロジェクトも実施中。近々、教室のある恵比寿周辺でIngressのイベントを開催する予定もあるという。

地域活性のために押さえるべき3つのポイント

「地域活性の必要が叫ばれるような地域は高齢化が進んでおり、たまに若い人がいても生活に手一杯で新しいことに取り組めないでいる。また一方では、その土地とゆかりのない“よそ者”に完全に任せたくはないという心理も働いている」と指摘する伊藤氏。

最近は地域活性に取り組むNPOも多いが、活動に継続性がなく、助成金を得るのが目的化している例も少なくないという。

地域活性の抱えるそうした課題を踏まえ、伊藤氏が上記のような活動をする上で大切にしているのは、以下の3点だという。

・普段から地域の人と付き合いがあること
・イベントを開催することのメリットを明示すること
・地域の人たちが自分たちで持続的にできる内容であること

「地域活性には、外から来た人が大きな理想を掲げて、地元の人に無理をさせてしまっているケースも多い。無理をさせないこと、またIngressエージェントと街の人とのリアルな交流が発生するような仕掛けも意識しています」

昨年9月に岩手県が自治体として初めてIngressを観光振興や地域活性に活用することを宣言し、県庁内に研究会を設置したのを皮切りに、横須賀市東村山市などでもIngress専用のWebページを作って、本格的な取り組みが始まっている。

伊藤氏の取り組みや各地域の事例を見ると、今のところはIngress目的で多くの観光客がその土地を訪れるというよりも、地元の人がポータルを探して歩く中で地域を再発見できるというメリットが大きいように映る。

とはいえ、Ingressの地域活性への活用はまだ始まったばかり。ゲーム自体のユーザーが増えて一般層にも広く浸透すれば、大きな価値を生み出す可能性があると言えるのではないだろうか。

>> 2015年8月7日、京都で開催される『TechLION vol.22』出演者・開催概要はコチラ

取材・文・撮影/鈴木陸夫(編集部)




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