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IoT、HTTP/2、VR……開発者が知っておくべき、10年後を支えるIT動向【TechLIONレポ】

タグ : HTTP/2, IoT, TechLION, VR, ドローン, メイカーズムーブメント 公開

 
「10年後の生活を支える最新IT動向」をテーマに開催されたTechLION vol.23の登壇者

「10年後の生活を支える最新IT動向」をテーマに開催された『TechLION vol.23』の登壇者(主催者提供)

先端技術を駆使して新しいサービスを生み出すエンジニアは、一般人にとっての未来を作り出す存在といえる。逆にいうなら、ちょっと先の未来がどうなるかが分かれば、今どう振る舞うべきかのヒントが得られるかもしれない。

エンジニアトークライブイベント『TechLION vol.23』は東京・六本木で20日、「10年後の生活を支える最新IT動向」をテーマに開催された。ゲストスピーカーを務めたのは、以下の4人。

・ヤフー株式会社 myThingsエヴァンジェリスト 山本学氏
・株式会社レピダム シニアエンジニア/マネジャー 前田薫氏
・株式会社Cerevo 広報 コミュニケーションデザイナー あくやんさん
・株式会社ユビキタスエンターテインメント 取締役副社長兼CTO 水野拓宏氏

ここでは、それぞれのセッションと、最後に行われたパネルディスカッションの模様をダイジェストでレポートする。

「あらゆるものがつながる未来」は確定している——山本氏

山本氏

「あらゆるものがつながる未来は確定している」と話すヤフーmyThingsエヴァンジェリストの山本氏

山本氏がエヴァンジェリストを務めるmyThingsとは、ヤフーが来るべきIoT時代の事業者向けに提供するプラットフォーム。その第1弾として先日、一般ユーザーもモノとWebを気軽につなぐ楽しさを体験できるスマートフォンアプリがリリースされた。

myThingsが掲げるコンセプトは「Connect Everything」。事業者向けと言いながらも、モノやWeb、それを作っている企業や開発者のみならず、一般の利用者や、そうした人たちが住む街自体までを包括してつなぐハブを目指しているという。

山本氏は「ヤフーはこれまでWeb上の課題を解決してきたが、現実世界の課題を解決することが得意ではなかった。たくさんのモノやデータが集まれば、その分、新たな価値が生まれる可能性が高まる。こうしたものがつながる手助けをすることで、最終的にリアルな課題を解決していきたい」と話した。

山本氏は、3Dプリンタやオープンハードウエアの登場により、「10数年前にブログができて個人がメディアになり、情報発信が加速度的に進んだのと同じくらいのパラダイムシフトが起きようとしている」とも指摘。「10年後にあらゆるモノがつながる世界が来ることはおそらくもう確定している。myThingsを通じてそれを少しでも後押しできたら」と話していた。

高速化、パーソナライズの進む通信プロトコル——前田氏

レピダムの前田氏はHTTP/2とその先の通信プロトコルの動向について語った

レピダムの前田氏はHTTP/2とその先の通信プロトコルの動向について語った

レピダムでOpenID Connect、OAuthなど認証・認可技術のコンサルティング、IETFを通じた標準化サポートに従事してきた前田氏は、IETFにより今年2月に正式な仕様として承認された、HTTPの最新バージョンHTTP/2について解説した。

1度のTCP/IP接続で複数のリクエストの処理ができること、HTTPでは巨大化していたヘッダを圧縮できることなどから、トラフィックを高速化できるHTTP/2のメリットを紹介。

また、「プライオリティーの制御も可能になるため、Webページの一部を優先的に送信することができる」利も大きいと強調した。

一方で、移行するには対応サーバを用意する必要があり、規模によっても実感できるメリットは変わってくるため、「移行すべきかどうかはサービスの性質によっても変わってくる」と指摘。「急いで移行しなければ困るということはないが、競合社が便利になっていく分取り残されることはあり得るので、最新情報を追うことは必要だろう」と話した。

10年後に向けては、「すでにHTTP/3に関するアイデアが出ていたり、Googleが実験的に開発を進めているQUICというプロトコルにも注目が集まっている。通信の仕方をサービスの性質に応じてパーソナライズする方向の議論も進んでおり、標準化されるまでにはまだまだ時間が掛かるものの、10年の間には大きく変わる可能性もある」とした。

自分がほしいモノを自分で作れる時代に——あくやんさん

自身が広報を務めるCerevoのプロダクトを例にメイカーズムーブメントについて語ったあくやんさん

自身が広報を務めるCerevoのプロダクトを例にメイカーズムーブメントについて語ったあくやんさん

あくやんさんは、「これまでは一部の会社だけが行うことができたモノづくりが、3Dプリンタやレーザーカッターなどの登場により低コスト・小ロットで作れるようになったこと、そしてそういう情報が共有されたことにより、多くのコミュニティに解放された」と改めてメイカーズムーブメントと呼ばれる動きを紹介。こうした盛り上がりを象徴するように、Cerevoではこの1年で社員が10人から80人まで増えたという。

Cerevoが開発基準に置くのはグローバルニッチ。「一部の人しかいらない偏ったものではあるが、その仲間が世界中にいるようなもののこと」を指す。

今後10年は一般的にもこうした方向の動きが加速し、「自分だけがほしいモノを、必要なだけ作れるようになるのではないか」とあくやんさんは言う。

「例えば、今もスマートウオッチと呼ばれるモノがたくさん出ているが、個人的にはどれもデザインがあまり好きではない。これをイチから作るのはハードルが高いが、Cerevoが出しているBluetoothや基本的なセンサがついているモジュールを組み合わせれば、自分が好きなスマートウオッチを簡単に作れてしまう」

こうした方向性をひと言で言えば、リアルなモノづくりでも進むパーソナライズ。あくやんさんは「そのうちIoTネイティブな子供たちも生まれ、夏休みの自由工作にIoTを作ることも普通になるのではないか」と話していた。

人間は情報空間、コンピュータは実空間での動きを獲得する——水野氏

Oculusに代表されるVRやドローンがもたらす意味について刺激的なプレゼンを行った水野氏

Oculusに代表されるVRやドローンがもたらす意味について刺激的なプレゼンを行ったUEIの水野氏

Oculusから製品版が出て、プレイステーションからもVRが出る予定の2016年は、VR元年と言われる。

これまでのVR用コンテンツには一般的にCGを使ったものが多いが、ユビキタスエンターテインメント(UEI)の動画VRコンテンツ制作ソリューション『VRider』は実写を扱うのが特徴という。

「4K以上のパノラマ動画を使ってVRコンテンツを作ると、本当にそこにいるような感覚になれる。また、初音ミクのようなキャラクターを使ったコンテンツであれば、キャラクターと本当に目が合ったような体験ができる。これは、ディスプレイで同じものを見ても得られない感覚。つまり、VRであれば人間の心理を変え得るような、実体験に近い体験をさせることができる」

UEIと水野氏がVRと並んで注目するのが、ドローンだ。UEIではVRカメラを装着してドローンを飛ばす、さまざまな実験的な取り組みを行っている。

「ラジコンは操縦者の思うように動く反面、それ自体は情報処理ができない。対してドローンは、設定された飛行禁止空域があればこちらで指示を出しても言うことをきかないし、逆にあらかじめ緯度経度や速度を細かくプログラミングしておけば、電波が飛ばなくても自立飛行してくれる。つまり、情報処理ができるドローンは、空を移動するコンピュータであると言うことができる」

ドローンがコンピュータであると考えれば、コンピュータは実空間での動きを獲得しつつあると言うことができるというのが水野氏の主張。一方ではVRによって、人間は情報空間に入り込んで動くことができるようになる。

「これまで人間のいる実空間とプログラムが動いている情報空間は完全には一致できなかったが、今後10年は、コンピュータと人間が相互に入り込んで動くようになる。これからの“Techサバンナ”はこの間にあると言えるのではないだろうか」

リスクとベネフィットのバランスを取ることが新時代のリテラシー

最後に行われたトークセッションでは、こうした未来を実現する上でネックになりそうな2つの障害について話が及んだ。一つは法律的な縛り、もう一つは人々の心理的障壁だ。

あくやんさんは「さきほどのドローンの飛行禁止空域のように、現時点ではモノを作る方向性と決まりごとが仲の良くない状態にある。もっと折り合いがつけばもっと楽しいことができるはず」と主張。これに対し前田氏は、「ヨーロッパでは法律をXMLで計算機が処理可能なように書くという取り組みも始まっている」と事例を紹介し、将来的な解決策につながる可能性を指摘した。

山本氏は「機械学習などもデータさえ集まればすごく精度が上がり、さまざまな予測が可能になるだろうが、プライバシーやセキュリティーに関する懸念がデータを集めることを妨げるように思う。この心理的障害をどう取り除いていくかが大変な10年間になるのではないか」ともう一つの障壁に言及。

水野氏はこの課題について、「僕自身も個人情報を取られることに対してネガティブだったが、宿泊予定などをGoogleが勝手に取得して知らせてくれるのは非常に便利だと感じた。こうしたユーザーが喜ぶポジティブな体験をもっと増やせば、心理的障害を取り除けるのではないか」と提案していた。

また、前田氏は「現在セキュリティーというとリスクの話ばかりされるが、リスクばかり追求してベネフィットを考えないのは思考停止。今後はリスクとベネフィットのうまいバランスが取れることがインターネットリテラシーになってくるのではないか」と予測した。

取材・文・撮影/鈴木陸夫(編集部)




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