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巨大ドローンが飛び、1輪スクーターが走る!マンガのような発明品が目白押し~Maker Faire Shenzhen 2015レポ後編【連載:高須正和】

タグ : MakerFaireShenzhen2015, 高須正和 公開

 
高須正和のアジアンハッカー列伝

高須正和(@tks

無駄に元気な、チームラボMake部の発起人。チームラボニコニコ学会βニコニコ技術部DMM.Makeなどで活動中。MakerFaire深圳、台北、シンガポールのCommittee(実行委員)、日本のDIYカルチャーを海外に伝える『ニコ技輸出プロジェクト』を行っています。日本と世界のMakerムーブメントをつなげることに関心があります。各種メディアでの連載まとめはコチラ

前編に続き、後編はアジア最大のMaker FaireとなったMaker Faire Shenzhen 2015の出展物やプロジェクトの話をまとめたいと思う。

深圳(シンセン)はMakerの街だ。生物が遺伝し、時に突然変異して進化するように、よく似たものが大量に生まれ、時にはとんでもないものも生まれる。

MakerFaireShenzhen2015は、ドラえもんの道具みたいなモノが並ぶMakerFaireだった。

まるで「マッドマックス」の世界、空気清浄機能付きバックパック

とても面白かったのが、このバックパック「浄化背包」。

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浄化背包PM2.5対抗バックパック

なんとバックパックの底に空気清浄機が仕込まれていて、PM2.5を浄化するという。肩ベルトのところに空気パイプが連結されていて、胸の前から浄化された空気が出てくるところがなんともマッドマックス感満載で、非常に楽しみなプロジェクトだった。

中を見ると空気清浄機そのものはさほど大きくなく、バックパックとしても十分に使える。

スーツケースが変形してオートバイに!

こちらもアイデア商品。スーツケースにしか見えない、取っ手のついた立方体が、ガチャガチャと変形して電動のスクーターに変わる。

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このスーツケースが

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このようにオートバイに変形

それほど速度は出なさそうだったが、ブースの周りではみんなうれしがって走らせていた。タイヤが小さいから公道で走行するのは性能的に難しそうだったが、開けた場所では威力を発揮しそうだし、ベニヤ板を切ってつなげたぐらいの造作に見えたので、本当にプロトタイプだったのだろう。

この変形スクーター、急遽展示を思い立ったらしく、初日は出展していた僕の友だちから、「ちょっとブースを空けていたら、勝手に自分のブースを乗っ取って展示していた」なんて話も聞いた。人迷惑なんだけどエネルギッシュな話だと思う。

さまざまなものが飛ぶ!走る!

何より圧倒されるのが、野外であることと、国を挙げて公式で行っていることを背景にした、インドアでは展示が難しそうな動くものだ。

ドローン界の代表的企業の一つDJIは深圳の企業で、MakerFaireでも巨大なブースを構えていた。

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深圳を代表する新しい形の製造業DJI

DJIは深圳の空港にも巨大なブースを構えるほど、イノベーションの街・深圳では自慢になっている企業だ。

ブースの前には相撲の土俵ぐらいのサイズのデモスペースが設けられ、そこでカメラ付きのドローンが飛びまくっている。

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終始大人気だったDJIブース

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デモブースを飛び越えて、客席の頭の上までバンバン飛ばす

ドローンはデモブースをはるかにはみ出して、客席の頭の上を飛び回る。ビルの高層階まで移動する。

写真に写っているのはカメラ付きのせいぜい2kg内外のサイズだが、側には一眼レフを搭載できる10kgぐらいのサイズのマルチコプターも飛行準備万端だった。

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充電中の巨大ドローン

DJIだけではなく、多くのブースで自分たちで開発したクアッドコプターが展示されている。製品として開発されたものも、ワークショップなどで作られたモノもある。

固定翼機やローターが1つのヘリコプターに比べて、マルチコプターはマイコン制御で各ローターの出力をコントロールすれば安定するので、比較的作るのが簡単になった。ジャイロなどの入力をもとに姿勢を制御したり、ドローンとして自動飛行するプログラムもかなりの部分までオープンソース化されている。

Makersの著者クリス・アンダーソンが経営している3DRoboticsは、まさにオープンソースドローンキットの会社だ。

とはいえ動くモノだから、実際の設計・実装の上手い下手で、デキは変わってくる。しかも飛ぶモノだから、上手い下手が実際のクオリティに大きく影響する。そこが起業家の心をくすぐるのか、やたらにたくさんのクアッドコプターが展示されている。

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無線技術を扱うMakerSpaceにて展示されていたドローン

いろんなブースから飛行を開始するドローンは、観客の頭上を気持ちよさそうに飛び回っている。それに加えて、地上では電動スクーターが走り回っている。

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電動スクーター

電動スクーターも今深圳ではアツい分野の一つだ。ベーシックな一輪スクーターは2~3年前から見られるようになっているが、ジャイロを高機能化したり、MP3プレーヤーやLEDといった装飾を付け加えたりして、多くのバージョンが生産されるようになってきている。

値段もさほど高くない。上の写真の1輪タイプなら、最も安いものは400元(約8000円)ほどから見かける。こちらで僕が乗っているのは1200元(約2万4000円)だった。

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深圳で買った二輪バランスホイーラー

1輪スクーターはバランスを自力で取らないとならなくて、僕はシンガポールで数時間乗ったけど、まだおっかなびっくり乗っている。慣れるとスピンターンできたり段差を飛び越えたりできるみたいだけど、乗りこなすのにかなり訓練が必要だ。

僕が買った2輪バランスホイーラーはジャイロで簡単に姿勢をキープしてくれるけど、割り箸ぐらいの段差があるとちょっと躊躇する。いずれも移動手段というより、スケボーのようなオモチャだと思う。

これがセグウェイのような形になると、値段も10万円近くまで上がるが、移動手段としてもアテになるぐらいになる。2輪スクーターは速度がMax時速20km程度(僕は10kmぐらい以上は出す気しない)だが、セグウェイ型は時速30km以上出るらしい。まさにスクーター型だ。

観客だけでなく、運営チームの多くがスクーターに乗って会場を走り回っている。

人間を乗せて走るパワーがある機械が、混雑した会場を闊歩し、頭上をローターを備えた飛行物体が飛んでいるのだから、そういえば何となくキケンな気もするのだが、誰も気にしていない。今回のMakerFaireは政府が主催のため、出入り口には多くの警官が警備についていたのだが、スクーターを持って会場に入ろうが何も言われない。

アメリカのベイエリアのMaker Faireでは、入場チケットとは別に「私はこの会場で何が起こっても自分の意思でやりました」的なサインをすると、デモンストレーションを試すことができるが、深圳ではそういうものもなかった。安全についての価値観が僕らと違うのかもしれない。

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至るところでドローンが飛び、スクーターが走り回る

普通にドローンが飛んでいたり、スクーターが走ってるぐらいでは、すぐそばの人以外は誰も気にしていない。案外、未来はこれらのものが、普通に生活に溶け込むのかもしれない。

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ドローンの真下の人だけ写真を撮っているが、ちょっと離れるともう気にしていない

額につけるアクションカメラ

何もヘンテコなモノばかり作っているわけではなく、いわゆるガジェットやIoT(InternetofThings/モノのインターネット)がらみのプロダクトも多く展示されている。

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額につけるアクションカメラ

このforeamという製品はとても面白そうだった。アクションカメラを使ってライフログとか、見ているとおりの映像を撮りたいというニーズはあるが、GoProをアタッチメントをつけてヘルメットの上につけると大げさすぎたりぶれすぎたり、胸につけると視点が低すぎてテーブルの下や前の人の後頭部しか映っていなかったりする。

このforeamは頭に巻いて、額の部分にレンズが来るアクションカメラだ。布のヘットバンドがよくできていて、つけていて不快感はかなり少なかった。

額だと見ているものに近い絵がとれるし、ブレも少ない。SONYのカメラモジュールを使っていて、とても広角で映像もきれいだった。

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foreamの公式サイト

公式サイトに撮れた映像が上がっているが、なかなか面白い映像になっている。899元(1万8000円ぐらい)という価格を聞いて、次のバージョン待ちと判断したのだが、ほかの日本人では買った人もいた。。

いかにも売れそう、HAX発スマート水槽MOAI

この連載で何度も触れているHAXからもプロジェクトが出展されている。

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IoT水槽MOAI

MOAIは第6期のHAX卒業生で、水槽の壁面に張り付いてキレイにしてくれるお掃除ロボットであり、水中の魚の様子を撮影してインターネットで見ることができ、スマホからロボットを操作して水槽の様子を撮影することもできる。

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解像度が素晴らしく高いRETINA3DPrinterことKAST

HAXで2年以上開発が続けられていた、解像度が非常に高く、見ても触ってもSLA型の3Dプリンタで作ったと分からないことから、Retina3DプリンタをキャッチコピーにしているKASTも「開発終盤段階」として外装を展示していた。

出力結果物に触れなかったのが残念だったが、HAXのブースは、他にも生物や化学に使うピペットをCNCで制御する製品など、市場が見えるものが多く置かれていた。

カルチャー、ホビー、ハイクオリティの成果が目立つ日本からの出展者

この記事で書いたように、Maker Faire Shenzhenの実行委員長であるケヴィンとSeeedstudioの社長であるエリック・パンは、2014年のMaker Faire Tokyoをすごく楽しんでいた。その後、僕も深圳の運営に協力することになったときに、日本から招待したいMakerのリスト作りや選定に協力した。

彼らが日本から呼んだのは、ホビーから始まってだれもを楽しませるクオリティに上がったプロジェクトたちだった。

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3Dプラネタリウム 日陰に見える行列の待ち時間は1時間以上にもなる

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スケルトニクスの周りには常に人だかりが

ヒゲキタさんの3Dプラネタリウム、スケルトニクスHardware girls、ニコニコ技術部、ハッカソンで生まれたいくつかのプロジェクトや、チケット完売の中2時間を超えるフルプロダクションのライブを行った明和電機といったMaker Faire Tokyoでもおなじみのプロジェクトは、会場の地図にも大きくマークされ、常に大きな人だかりの中にいた。

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ここでも注目を集めるHandiii

去年のMaker Faire Shenzhenに出展、来場した日本人は、招待ゲスト含めておそらく30人程度だったように思う。去年来た人たちが「深圳は面白いよ」と触れ回ったり、Maker Faire Shenzhenでも実行委員会に日本人を入れたりしたことで、今年は総勢で100名を超えた。

アジアで一番世界から注目され、海外からのゲストも多いフェアだけに、ここで日本のプロジェクトが注目されたことでもっと世界に日本のMakerが出て行くようになるとよいと思う。

また、深圳でこういう形のプロジェクトを実際に見て体験し、開発者と話した人がたくさん生まれたことは、深圳のMakeにも深い影響を与えるんじゃないかと思っている。

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世界のMakerが注目。スケルトニクスの白久レイエス樹代表を中心に、Arduinoの共同創業者TomIgoe,香港/マレーシアでOLPCのエヴァンジェリストをしているT.K.Kang,ニューヨーク大学上海キャンパスのマリアンヌなど

世界のギークが踊るパーティーで終わる

最終日の夜、秋葉原MOGRAで行われているようなギーク向けダンスパーティーを深圳に持ってくることをコンセプトに、AkiPartyと題されたパーティーが会場すぐそばのライブハウスで行われた。

日本発のネットレーベル・マルチネレコーズ主宰のtomad氏の協力により、日本のアーティストたちが深圳でパフォーマンスを行った。

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TORIENAきゅんくんといった日本のアーティストが登場(撮影:NAgeek)

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観客も自作のウェアラブルLEDを(撮影:NAgeek)

下の動画は、DJ WILDPARTYのプレイで盛り上がるフロア。

3日間で19万人を超える人が来場し、世界でもベイエリアに迫る最大規模になった深圳のMakerFaire。来年は会場を移してさらに巨大化すると聞いている。

ここのメイカーたちは、さらに面白い発明品を持って集まるはずだ。来年さらにエキサイティングなフェアになると思う。

>> Maker Faire Shenzhenの全体、構造的な話はこちら

告知です

■7月25日(土)~26日(日)東京・秋葉原のDMM.MakeAKIBAにて、出展自由の物作り系イベントNT東京2015を行います。また、去年大好評だったギーク向けダンスパーティー「新宿AkiParty」を25日(土)の夜に行います。こちらも出展、ご来場お待ちしています!

■7月29日水17時から、今回の記事でも登場したSeeedstudioのエリック・パン氏と僕が、明治大学中野キャンパスで講演を行います。こちらもぜひご参加ください。

>> 高須正和氏の連載一覧




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