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ついに韓国でもメイカームーブメントが!「Mini」が取れたメイカーフェアソウル2015に行ってみた【連載:高須正和】

タグ : MakerFaire, メイカームーブメント, 高須正和 公開

 
高須正和のアジアンハッカー列伝

高須正和(@tks

無駄に元気な、チームラボMake部の発起人。チームラボニコニコ学会βニコニコ技術部DMM.Makeなどで活動中。MakerFaire深圳、台北、シンガポールのCommittee(実行委員)、日本のDIYカルチャーを海外に伝える『ニコ技輸出プロジェクト』を行っています。日本と世界のMakerムーブメントをつなげることに関心があります。各種メディアでの連載まとめはコチラ

エンジニアtypeがリニューアルするということで、1年あまり続けてきたこの連載も最後になりました。さまざまなコメントをいただき、誠にありがとうございました。

ちょうどこのタイミングで、この連載でレポートしてきたようなアジアのメイカーズ事情を、井内育生さん・きゅんくん・江渡浩一郎さん・山形浩生さんらニコニコ技術部深圳観察会の面々とまとめた『メイカーズのエコシステム』という書籍が出ます。

深圳のエリック・パンやシンガポールのヴィヴィアン・バラクリシュナン大臣といった、過去登場した人たちの活躍ぶりと、日本との関わりが描かれているので、ぜひご一読ください。

さて、最終回の今回は、お隣の国・韓国ソウルのメイカーをレポートします。

2015年10月10~11日の2日間、ソウル市の南カンナムエリアに近いGwacheon National Science Museumにて、『Maker Faire Seoul 2015』が開かれました。

今年から「Mini」が取れてフルスペックのメイカーフェアとなったのを機に足を運んできました。

ソウルにメイカーフェアがやって来た

アドバルーンの上がる会場。屋外にはテントがいっぱい

アドバルーンの上がる会場。屋外にはテントがいっぱい

筆者はアジアのメイカーイベントによく参加するが、中国人やマレーシア人はよく見るけど、韓国人のメイカーを見ることは少ない。クラウドファンディングなど、オンライン上でもあまり見かけた経験がないため、これまでソウルのメイカームーブメントの感じがつかめずにいた。

2015年の6月、この連載でも何度か紹介したシリコンバレー・深圳のベンチャーアクセラレータHAXを訪問した時に、代表のCyril Ebersweiler(シリル・エバースワイラー)から

「今年はもう2回もソウルから大規模な訪問団が来てて、パク大統領に直接呼ばれて話に行ったりもした。もともと、優秀な人間ほど大企業に入るカルチャーだから、スタートアップがもてはやされるわけじゃなかったけど、今は世界が多様化してきているし、あの国は決まると早いからね」

と聞いた。その言葉通り、メイカームーブメントが一気に普及するのではないかと感じさせてくれるフェアだった。

とても大きな科学館Gwacheon National Science Museum。中にはメイカースペースもある

とても大きな科学館Gwacheon National Science Museum。中にはメイカースペースもある

「ホビー」「学生」「スタートアップ」とバランスのとれた展示

出展は193組、あいにくの雨で客足は2日間合計で5673人だったが、さまざまなバックグラウンドを持つ出展者が集まっていた。

最初に目にとまったのがこれ。ぜひ下の動画を観てほしい。木製の海と船。とてもよくできている。

上の船は木製のハンドルを回すと、波打つ海に揺られる船のジオラマが、船も海もダイナミックに稼働する。下部のギア含めてすべて木で作られていて、設計のアイデアも工作精度も必要になる作品だ。2カ月程度で完成させたという。

思わず現地からTwitterに上げたところ、多くのMakerから賞賛のリプライが届いた。

こちらは金属を3Dプリントする3Dプリンタ。金属の3Dプリントは珍しく、メイカーフェアに出すレベルの人たちがやってるのはさらに珍しい。どうやって実現しているのかと思ったら、なんとアーク溶接で金属を繰り出し、盛り上げて3Dプリンティングする仕組みだった。

アーク溶接で金属3Dプリントを!

アーク溶接で金属3Dプリントを!

プリントアウトされた金属

プリントアウトされた金属

この形の3Dプリントそのものは以前からある形だが、実際にメイカーフェアで見たのはソウルが初めてである。アルゴンガスを使った溶接なので、ガスが拡散しないようにするなど、実際に作るためのノウハウが必要なものだと思う。きっちりと作って展示しているところにクオリティの高さを感じた。

アーク3Dだけでなく、普通の3Dプリンタももちろんたくさん展示されている。

韓国製の『ZENTRA 3D』というデルタ式3Dプリンタ

韓国製の『ZENTRA 3D』というデルタ式3Dプリンタ

変形するドローンやバッドモービルのようなバイクも

会場の端には網で囲われた空間があって、ドローンの飛行スペースになっている。良いアイデアだと思ったのが、この変形するドローン。

ソウルの学生が作ったこのプロジェクトは、輸送時はローターガードを外側に向けスーツケース型に畳むことができ、飛行する時は広がってクアッドコプターの形になる。

輸送時は取っ手の付いたスーツケースぐらいの大きさに折り畳める

輸送時は取っ手の付いたスーツケースぐらいの大きさに折り畳める

広げると飛行できる。ケージ内の限られたスペースの中で見事に飛行していた

広げると飛行できる。ケージ内の限られたスペースの中で見事に飛行していた

開いたり閉じたりするのもサーボで駆動させているため、飛行時にその分の荷重が負担になると思ったが、見事に安定して飛行していた。大きいドローンは、さらに大きいケースで囲んで運ばなければならないので、これはグッドアイデアだと思った。

こちらは映画『バットマン』に出てくるバッドモービルのような電気自動車。車輪はスクーターからの流用で、DIY感あふれるプロダクトだった。

バッドモービルのような電気自動車

バッドモービルのような電気自動車

下の写真はプロダクトデザインを手掛ける学生の作ったIoT歯ブラシ。電動歯ブラシにセンサを取り付け、十分に磨かれたかどうかを判断して、歯の形の人形が笑ったり泣いたりする。

歯磨きの習慣化はよく言われるテーマだし、人形のように形を持ったものがアクションするのは、よりアピールする力がありそうだ。

歯ブラシとガジェットを組み合わせたもの

歯ブラシとガジェットを組み合わせたもの

3Dプリンタで外装、ワイヤーとサーボで動作を作っている義手。ロボティクス義手は多くのメイカーフェアで見かけるアツいテーマ

3Dプリンタで外装、ワイヤとサーボで動作を作っている義手。ロボティクス義手は多くのメイカーフェアで見かけるアツいテーマ

森翔太さんの仕込みiPhone的な何か? と思いきや、テルミン的な音色のアナログ入力シンセサイザー

森翔太さんの仕込みiPhone的な何か?と思いきや、テルミン的な音色のアナログ入力シンセサイザー

こちらはプロの犯行っぽいプロジェクト。工作機械にレンガを積ませて壁を作らせる。会期終了時にはけっこう積み上がっていた

こちらはプロの犯行っぽいプロジェクト。工作機械にレンガを積ませて壁を作らせる。会期終了時にはけっこう積み上がっていた

メイカーフェア東京にもあるダークルームもあり、メディアアート系のMakerが作品を展示していた。

3Dプリンタで作った人形と懐中電灯を使った作品

3Dプリンタで作った人形と懐中電灯を使った作品

これは人形に懐中電灯で照らすと、向こうのスクリーンに影が映り、その影が突然アニメーションを始める作品。懐中電灯の光も人形の影も全部プロジェクタで作ってある。

日本ほか海外からのメイカーも活躍

ソウル~東京間は、正規料金でも往復2万円台、2時間半でフライトできるので、金曜夜に東京を出発して日曜夜には帰ることができる。東京のメイカーにとって、最も身近な海外フェアになるだろう。そのせいか、日本からも何人かのメイカーが参加しており、それぞれ人気となっていた。

台北、山口など、各地のメイカーフェアに出展している、みうさんの「おにんぎょうづくり」ワークショップ。ソウルの中古街で素材を買い付けて新作を展示

台北、山口など、各地のメイカーフェアに出展している、みうさんの「おにんぎょうづくり」ワークショップ。ソウルの中古街で素材を買い付けて新作を展示

ソウルのメイカーが作ったロボットハンドとペアショットを撮るロボティクスファッションクリエイターのきゅんくん。現地テレビの取材を受けるなど人気だった

ソウルのメイカーが作ったロボットハンドとペアショットを撮るロボティクスファッションクリエイターのきゅんくん。現地テレビの取材を受けるなど人気だった

こちらも各地のメイカーフェアでおなじみ、オープンソース化した羽ばたき飛行機を展示しているFablab北加賀屋の高橋祐介さん。後日ソウルのFablabに訪問するなど、交流を持っていた

こちらも各地のメイカーフェアでおなじみ、オープンソース化した羽ばたき飛行機を展示しているFablab北加賀屋の高橋祐介さん。後日ソウルのFablabに訪問するなど、交流を持っていた

スウェーデンのメイカーが生んだStrawbeeを台湾で展開中のアメリカ人ジェイソンときゅんくん。シンガポールからは僕も参加

スウェーデンのメイカーが生んだ『Strawbee』を台湾で展開中のアメリカ人ジェイソンときゅんくん。シンガポールからは僕も参加

何人かのメイカーは、ソウルの運営チームがメイカーフェア東京や深圳で直接声を掛け、集めたという。僕も招聘などで少し手伝ったりしている。

今後も逆にメイカーフェア東京に出展しに来るソウルの人が増えたり、両方のコミュニティがより近くなるといいと思う。

>> 高須正和氏の連載一覧




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