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プロトタイピング導入がもたらす5つのメリット~UI Crunch #3レポ(DeNA×グッドパッチ×クックパッド×スタンダード×グリー)

タグ : UI Crunch, 元山和之, 吉竹遼, 土屋尚史, 坪田朋, 村越悟 公開

 

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この中で、実際にプロトタイピングを使って仕事を進めている人いますか――?

2015年2月19日にディー・エヌ・エー サクラカフェにて行われたUI Crunch #3。会場に詰め掛けたデザイナーやエンジニア約70人に投げかけられた上のような問いに、「Yes」と答えたのはわずか3割程度に留まった。

プロトタイピングの導入がもたらすメリットについては、グッドパッチが2014年にリリースしたプロトタイピングツール『Prott』がDeNAやグリー、クックパッド、ビズリーチなどで相次いで導入されたことなどにより、ある程度認知されてきている印象がある。にもかかわらず、このようなイベントに参加する“意識の高いデザイナーやエンジニア”の間でも、いまだ普及しているとは言えないことが分かった。

イベントを開催している「UI Crunch」は、DeNAとグッドパッチの現役クリエイターが中心のコミュニティ。デザイナーやエンジニア、ディレクターを対象とした勉強会やワークショップを定期的に開催している。

第3回となる今回は「今、プロトタイピング開発に求められること」をテーマに4名のスピーカーがプロトタイピングへの考え方や活用方法などを伝えた。

スピーカーは以下の4名。

■土屋尚史氏(株式会社グッドパッチ CEO)
■元山和之氏(クックパッド株式会社 デザイナー)
■吉竹遼氏(株式会社スタンダード デザイナー)
■村越悟氏(グリー株式会社JapanGame事業本部Art部UXデザインチームマネージャー)

登壇者は先端IT企業でUIデザインを担当する第一人者と『Prott』を生み出したCEO。ここでは、率先してプロトタイピングに取り組んできた彼らに加え、モデレーターを務めたDeNAの坪田朋氏が感じた、プロタイピング導入がもたらす5つのポジティブな変化についてレポートする。

【1】プロトタイピングがコミュニケーションを変えた(坪田氏)

DeNAでは『Prott』導入後にコミュニケーションが変わりました。正直「メッチャいい」です。毎日メンバーと『Prott』を見ながら話しているんですが、プロトタイピングは、「コミュニケーションツール」として、とても有用だと感じました。

スクラップアンドビルドする際にもいいものができるし、逆に自分がつくったものを否定するタイミングが無い中で、触ってみて肌で感じて改善することができています。

【2】会社の文化を変えた(土屋氏)

グッドパッチはプロトタイピングが文化になっています。プロジェクトを進める上で議論にハマる時ってありますよね?数時間答えの出ない議論が続くというか。そんな時に、「まず、動かせるものを作ろう」という話になります。

以前は煮詰まってしまい、数日、数週間お客さんの確認待ちで過ぎていた時間が、「動くものを数パターン持って行こう」という思考に変わりました。すごく話が進みやすくなった印象を受けています。意見が強い人の発言が優先されるという事も無いですし、パターンを作ってユーザーに触ってもらうことができるようになりました。

プロトタイピングの導入は「トライしよう。やってみよう」という、議論よりも手を動かす文化につながったと感じますね。

【3】受託開発での受注フローを変えた(吉竹氏)

前職での話になりますが、営業担当が会社の売り込みツールとして使っていました。案件獲得前にお客さんから要件をヒアリングし、デザイナーがプロトタイプをつくるという流れです。そして、営業担当がプロトタイプをお土産に持って来訪していました。

自分たちだけではなく、お客さんも含めて、実際に触って動かせる。可視化できるメリットが大きいと思います。実際に受注した後もプロトタイプをベースに話が進められるため、コミュニケーションコストも省くことができました。

【4】サービス設計を変えた(元山氏)

プロトタイピングはUIやユーザビリティの部分をチェックするところが大きいと思います。が、そもそもサービス設計自体が上手く進んでいるのかが確認できる点でも価値があると感じています。実際に動くものでないと、検証が難しいところもあるためです。

また、今回は『Keynote』をサービス開発・改善のプロトタイピングツールの一つとして使うことをご紹介しましたが、アニメーションまで実装できる新しいツールが出てくると、よりプロトタイピングに対しての評価が変わってくると思います。

【5】意思決定時の納得感を変えた(村越氏)

プロトタイピングを行うことにより、デザインについて議論を重ねる中で、思考のプロセスを共有できることは大きいと思います。

プロダクトオーナーが「これで行こう」と発言した時に、メンバーが「本当ですか?」とならないような意思決定になると実感しています。プロトタイピングを実施し、可視化することで、全員が納得できる。

また、議論に関してもコンテキストの中から出る反論になるため、建設的な話し合いができる点も大きいですね。

工数への意識を変えてみる

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パネルディスカッションでは、使用しているツールやプロトタイピングを行うっている理由など、賑やかな空気感で話しが進んだ。(左から)土屋氏、吉竹氏、元山氏、村越氏、坪田氏

以上が、5人が語ったプロトタイピング導入がもたらすメリットだ。まず、目に見えるものを作る。その上で行う議論や改善、施策はコミュニケーションの幅と質を上げる。他者に先駆けてプロトタイピングを試してきた実践者の声だからこそ、導入を迷っている人たちにとっては背中を押す力を感じるのではないだろうか。

ただ一方で、多くの人がそうしたメリットを知りつつも導入に踏み切れないでいるのは、プロトタイピングには相応の工数が掛かってしまうからだろう。この点については、どう克服したらいいのだろうか。

イベント終了後、吉竹氏に聞いたところ、「工数を掛けるタイミングを考えることが重要。また、プロトタイピングは日本語だけではなく、英語を使ってコミュニケーションできるようなイメージ」だと語っていた。

デザインのイメージやクオリティーを事前に把握することで、理想と異なるデザインが出来上がった際に発生しうる、“リスクとコストを削減できる”と発想を変える。この重要性を吉竹氏は語った。

リスクヘッジとクオリティーコントロールを同時に実現できる可能性を秘めたプロトタイピング。まず、一度経験してみるのはどうだろう。

>> UI Crunch #3当日の様子はこちらから
http://schoo.jp/class/1951/room?ref=fbapp

取材・文・撮影/川野優希(編集部)




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