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『Wantedly』がiOSアプリのリリースで目指すのは、転職活動の「スマホ最適化」と「セレンディピディ」の創造

タグ : iOS, Wantedly, スマホアプリ, ソーシャルリクルーティング, 転職 公開

 

今の時代、どんなジャンルのサービスも「スマホ対応」は当然の流れになっている。だが、そのすべてがスマホ用に「最適化」されているかと問えば、実際のところはまだまだだろう。

転職関連のサービスもその一つだ。SNSの普及でソーシャルリクルーティングが活発になっているものの、求職者・求人企業ともにPC Webが中心。スマホアプリは求人検索~応募までを前提とし、詳細閲覧やプロフィール編集、応募後のやりとりなどは、PC Webで行うスタイルが多い。

そんな中、日本のソーシャルリクルーティングを開拓してきたWantedlyが、今度は求人サービスのスマホ最適化に乗り出した。

2月24日に同社がリリースしたiOSアプリ版『Wantedly』は、同サービスの特徴であるソーシャルグラフを活用した求人検索はそのままに、応募、プロフィール編集、企業担当者とのやりとりなどすべてを「スマホだけで行える」ように設計されている。

iOSアプリ専用の機能として搭載されたもののうち、特徴的なのは以下の3つだ。

【1】「今日のピックアップ」タブで、日々の新着求人が閲覧可能

【2】募集要項ページには「あとで見る」「話を聞きに行きたい」の2つのタブを設置

【3】企業とのやりとりを楽にするチャット型の「メッセージ機能」

上記【2】で「話を聞きに行きたい」を選んだ企業情報は、その場でスマホのマップ機能と連携し、現在地からの行き方がすぐ分かるように。かつ、【3】のメッセージ機能はLINEのようなメッセージチャットと同じUIになっており、メールベースでのやりとりとはまったく異なる使い心地になっている。

数字の実証とUXの視点で「スマホならではの速度と使い心地」を追求

iOS版『Wantedly』の開発を担った、エンジニア久保長礼氏(左)とデザイナーの弥真フィラース氏(右)

「メッセージ機能をLINEのようなUIにしたのは、スマホアプリならではの“速度”を意識したからです。ほかの機能の開発でも、『スマホアプリを使い慣れたユーザーなら、きっとこうやって使いたいだろう』と考えながら進めました」

そう話すのは、iOS版『Wantedly』の開発者である久保長礼氏。iOS版の開発は、コンセプト設計から実装まで、すべて彼とデザイナーの弥真フィラース氏の2名で行ったという。

企業とのやりとりは、LINE風UIのチャット型メッセージで行えるように

久保長氏は「数字をベースに現状を分析しながら考えるタイプ」で、一方の弥真氏は「ユーザー視点、UXの視点で物事を考えるタイプ」と互いを評する。今回、タイプの異なる2人がiOS版『Wantedly』の開発で重視したのは、スマホアプリとしての実用性とセレンディピディの両立だ。

「セレンディピディ」とは偶然の出会いのことで、求人サービスとしては「スキルや経験ではマッチングしないけれども実は親和性のある職種」をどうやってユーザーにオススメしていくかが問われる。もともと、同アプリは

《すきま時間で”ココロオドル”仕事をサクサク検索できる》

というコンセプトで開発をスタートしたこともあり、セレンディピディをどうやって具現化するかは2人にとっての命題だった。

「今日のピックアップコーナーを設けたのも、このコンセプトがあったからです。多くの人が日々ニュースをチェックすると思うのですが、それと同じように求人情報を見てもらうにはどうしたらいいかと考えた結果でした」(弥真氏)

開発当初、2人は「毎日新着求人を出しても、ユーザーは見ないのでは!?」と半信半疑だったそうだが、ユーザーテストを行ってみると「毎日見たい」という声が多かったという。ピックアップコーナーは、「実証派」の久保長氏と「UX重視」の弥真氏それぞれの特徴がうまく噛み合って生まれた形だ。

さらに、Web版『Wantedly』の売りでもあるソーシャル機能(=Facebookアカウントとの連携により、ユーザーの役職や友だちつながりなどを基に募集要項が抽出される)も、スマホアプリ用にアルゴリズムを精査。

詳しくは企業秘密となっているが、「友だち情報と(求人に対する)応援数をミックスして、よりユーザーと親和性の高い募集要項を探せるアルゴリズムにする」(久保長氏)ことで、セレンディピディを生み出そうとしている。

「例えば、友だちの友だちが在籍している会社や、自分のFacebook友だちが応援している企業は、ユーザーとの親和性も高いかもしれないというロジックです。また、『技術』や『経験』でマッチングすると出てこない募集要項でも、自分に近い職業の人が応募している場合は、ユーザーにとって親和性が高いかもしれません。こういった視点で求人の“重みづけ”を変えながら、検索順位を変えているのです」(久保長氏)

検索のアルゴリズムは今以上にパーソナライズできる

「コンセプト設計から任せてもらえたので、開発は楽しかった」と話す2人

他方、「スマホ最適化」という視点に立ち、Web版にある機能でiOS版には搭載しなかったのが「企業一覧」だ。もともと同サービスはiPhoneからの閲覧が多かったそうだが、アクセス解析をした結果、企業一覧はさほど見られていなかったからだ。

こうしてiOS版の機能を取捨選択していく中で、機能としては必要不可欠でなくても、Web版を踏襲したものもある。

「Web版のWantedlyでは、最新情報のローディング時に『W』のロゴがクルクル回るのですが、これは見ていて楽しいからiOS版のローディングページにも同じ仕組みを採用しています」(弥真氏)

このように、データを重視しつつも“ココロオドル”感を演出することで、使いやすく、かつ日々使いたくなるアプリを目指している。

「今後はAndroid版のリリースも視野に入れています。合わせて、企業側の担当者がモバイルで求職者とやりとりするためのアプリも開発していきたいと思っています」(久保長氏)

さらに募集要項の検索アルゴリズムも、これから各ユーザーが閲覧する募集要項の内容を解析して、今以上にパーソナライズとセレンディピディの両立を図っていく予定とのこと。

転職活動を一過性の取り組みではなく「毎日気軽に行うもの」へ変えるべく、Wantedlyの挑戦は続く。

取材・文/伊藤健吾(編集部) 撮影/竹井俊晴




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