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[連載:Web業界「先駆者」の履歴書 paperboy&co.・福田大介 2/2] 目指すべきは、失敗を糧に成長できる”雑食系”キャリア形成

タグ : paperboy&co., SNS, Webサービス, エンジニア, ザ・インタビューズ, ソーシャル, デザイナー, ペパボ, 企画, 技術者 公開

 

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後藤 paperboy&co.への入社を「直感で決めた」とおっしゃられましたが、その背景には、さっきおっしゃっていたBtoCサービスの面白さがあったんですよね? やはり、BtoB以上に反響がダイレクトに返ってくる部分に魅力を感じたのでしょうか?

福田 それもあります。でも、一番大きいのは、自分が作ったWebサイトやサービスを、たくさんの一般の人が実際に使ってくれるところ。その様子を自分の目で見ることができる。それがとても面白くて魅力的だったんです。

後藤 お仕事の内容は、当時から新規サービスの立ち上げだったんですか?

福田 そうですね。そこは一貫して今に通じています。

後藤 転職してから何年が経っているんでしたっけ?

福田 今年で8年目になります。

後藤 今度ばかりは、4年目の退職はなかったということですね。わたしは「もしかしたら4年周期の人なのかも」と思ったりしましたが。

福田 あ、なるほど。でも、言われてみれば「4年周期」説は今も健在ですよ。paperboy&co.に入社してちょうど4年経ったころに、大きな転機がありましたから。

ドラマチックな展開で、端から見ている分には面白いのですが、ご本人はこの時も勇気をふるって決断したはず。しかも、一つ一つの仕事やミッションを少なくとも4年続けてから次に移行しているところです。

それだけ続けた上でのキャリアチェンジだったからこそ、前の経験を次の異分野に活かしてこれたのだと思います。

企画・デザイン・コーディング、すべてできてこそ「良いPM」だ

後藤 4年目にどんな転機があったんですか?

福田 当時のわたしは、基本的にサービスを企画する人間。デザイナーとエンジニアが各1名ずつ加わって、ユニットでプロジェクトを回していました。まあ、デザインならば自分でもできるんですけど、本格的なプログラミングについてはエンジニアに頼っていました。そうして会社がうまく動き始めると、やっぱりチームメンバーや社員のマネジメントにもかかわる立場になっていくじゃないですか。ところが、これがうまくいかない。だから、マネジメントの仕事はしないようにしていた時期があったんです。

「これまでのキャリアの変遷のなかで福田さんが取ったアクションの一つ一つを振り返ってみると、今の仕事に通じるものが見えてきます」(後藤)

「これまでのキャリアの変遷の中で福田さんが取ったアクションの一つ一つを振り返ると、今の仕事に通じるものが見えてきます」(後藤)

後藤 そのマネジメントを、4年目になったらうまくできるようになったんですね?

福田 そういうことです。きっかけは、自分で簡単なプログラミングもするようになったことでした。ディテール部分の詰めはやっぱりエンジニアに頼んだりしましたが、企画をまとめ上げていく段階で、大枠の仕組みのプログラムなどは可能な限り自分で書くようになっていったんですよ。

後藤 もともとデザインについてはご存じだったわけだから、プログラミングにかかわることでWebサービスづくりの全体像が見えるようになったのでしょうか。

福田 そうなんです。そしたら、どんな技術を使って、どのくらいの期間とコストで作れるか、というのを肌で理解できるようになりました。「今のオレならマネジメントもできるんじゃないか」と思って再チャレンジしたら、自分でも驚くほどうまくできるようになったんです。

後藤 理想的じゃないですか。サービス企画ができて、デザインが分かって、プログラミングもできる。結果として、プロジェクトマネジメントまでうまくやれている。今エンジニアに求められているすべての資質が備わっていることになりますね。ただし、計画的にそうなったわけではない、と。

福田 そうなんです。計画性ゼロでしたからね。でも、結果的に良い感じになった。

後藤 わたしはキャリアアドバイザーとしてたくさんの相談者の方とお会いしていますが、結局キャリア形成の傾向って2つに分かれるんですよ。一つが肉食系。「こういう人材になるために、これをやって、あれを経験して」と考えて、その計画を自分から仕掛けて実行していくタイプです。もう一つが草食系。「将来のことを考えていないわけじゃないけど、今はこれをやりたい。あれはやりたくない」というタイプです。

福田 それだと、わたしは草食系ですかね。

後藤 少し違う気がします。何と言えば良いのか……。

広報 (ここで、取材に同席していた広報担当が一言)雑食系、ですかね…?

後藤 あ、うまい!それです(笑)。

「好きなことをとことんやるかわりに、興味のないことはやらない」というのが、わたしの言った草食系ですが、福田さんは失敗や挫折のたびに「自分のできること・できないこと」を認識しています。

ある意味、いずれ超えなければいけないテーマを無意識で自己設定している。だからマネジメントにも再挑戦し、成功した。

「雑食系」は、そんな福田さんにジャストフィットなキーワードです。

広報 福田は、決して熱く饒舌に語るタイプじゃないんですけど、ウチのメンバーには「先生」って呼ばれているんです。「先生が『なんか違う気がする』とか言うと、ドキッとする」って。これ、リスペクトされている証なんですけど。

後藤 確かに福田さんは静かな感じですもんね。でも、企画・デザイン・プログラムのすべてが分かっている人だから、そういう人がボソッと口にする言葉に重みがある。説得力がある。

思わぬ広報担当の横槍に、少し照れた様子の福田氏

思わぬ広報担当の横槍に、少し照れた様子の福田氏

福田 そうかなあ。単に煙たがられてるだけじゃない?

広報 違いますよ。「先生がいると『デザイナーだからプログラミングのことは分からない』とか言えなくなる」って話がよく出るんです。皆が福田にあこがれてるし、一緒に仕事することで、良い影響力を感じているようです。

後藤 マルチに動ける人が組織にいるだけで、周りはプラスの影響を受けますよね。それもまた、マネジメントにおける福田さんの力量ということですよ。もしも、福田さんがこうなることまで想定していたのだとしたら、paperboy&co.に誘った先代社長の直感力はただごとじゃありませんね。

福田 そこはどうなのか分かりません(笑)。でも、今は本当にやりたいことが次々に見えてきて楽しいですよ。

後藤 代理店を辞めるころの福田さんとはそこが違いますよね。今後もマネジメントに力を注いでいくんですか?

福田 はい。あくまで自分のペースで進めるとは思いますが、面白そうなものを皆で積極的に手掛けていきたいと思います。

これから、技術の領域はますます先が見えにくくなります。

「次はこういう技術が時流を作る」なんて先読みは、難しくなるどころか、「不可能になっている」んです。では、好きなものだけやればいいかというと、そうもいかない。

「雑食系」キャリア形成は、多くの人が参考にすべきスタンスだと思います。

文/森川直樹 撮影/赤松洋太

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