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タケコプターも実現間近!? 最新技術で研究・実現化が進む、ドラえもんのひみつ道具5選【連載:五十嵐悠紀】

タグ : AR, HCI, ひみつ道具, ドラえもん 公開

 
天才プログラマー・五十嵐 悠紀のほのぼの研究生活
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筑波大学  システム情報工学研究科  コンピュータサイエンス専攻  非数値処理アルゴリズム研究室(NPAL)
五十嵐 悠紀

2004年度下期、2005年度下期とIPA未踏ソフトに採択された、『天才プログラマー/スーパークリエータ』。筑波大学 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻 非数値処理アルゴリズム研究室(NPAL)に在籍し、CG/UIの研究・開発に従事する。プライベートでは二児の母でもある

今年の3月下旬。新宿駅を通りかかった際に、突然の人だかりの中にドラえもんを見つけました。うちの子どもたちは大はしゃぎ。写真を撮るための行列までできていて、何年経っても老若男女に人気のドラえもん。

ドラえもん100展(新宿にて)

その人だかりを作っていたのが『ドラえもん100展』というイベントの一環で、用意された100体のうち、新宿駅に設置されていた5体のドラえもん見たさに行列ができていたのです。

残りのドラえもんは箱根エリアに展示してあるとのことで、わたしも、翌日子どもたちを連れて遊びに行ってきたのでした。

おそらく読者の皆さまも一度は見たり読んだりしたことのあるドラえもん。たくさんのひみつ道具を見て、「現実にあったらなぁ」なんてことを、誰もが思ったことでしょう。

そんな、わたしたちの夢がたくさんつまったひみつ道具のいくつかが、Augmented Reality(AR)やHuman Computer Interaction(HCI)といった分野の研究者たちによって、すでに現実のものになろうとしていることをご存知でしょうか?

今回は、ARやHCIの技術を用いて実現しそうな、ドラえもんのひみつ道具を挙げてみたいと思います。

あの「タケコプター」も!?  研究が進む5つのひみつ道具

①みせかけつり針

道具解説: この針に魚が掛かると、細胞をふくらませて何倍もの大きさにみせかける。(Wikipedia参照

東京大学廣瀬・谷川研究室の鳴海拓志さんによる『拡張満腹感』は、AR技術を使って、お腹一杯に食べた気にさせる研究です。食べ物の見た目が満腹中枢に与える影響を利用して、鳴海氏は食べ物を実物よりも大きくしたり小さくしたりしてヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示できるシステムを開発したことにより、満腹感を演出することを行っています。

これを使うことで、いつもと同じ量を食べたように満腹感を感じていながらも、実は腹八分目で食べ終えることもでき、ダイエットにもつながるかもしれません。

②植物自動化液

道具解説: これをかければ、植物が自由に動けるようになる。また、水に肥料をまいておけば、いつでも好きな時に飲みに行くことができる。(Wikipedia参照

のび太が大事に世話をしていた「キー坊」といえば、思い出す人もいるのではないでしょうか? わたしも好きな話の1つです。

お茶の水女子大学の福地あゆみさんによる研究、『Pot Pet』では、植物がまるでペットのように人間に働きかけ、人間が世話をしてあげると即座にフィードバックしてくれて、世話をしてあげたい気持ちをうながす研究です。この研究のいいところは、光が当たるところに自動で行くのではなく、「人が世話をしてあげたい」という気持ちをうながしてくれるような動きを植物がしてくるところです。

③運動神経コントローラー

道具解説: 人や動物をラジコンのように動かすことのできる道具。専用のアンテナを人や動物の頭に付けると、中枢神経を電波で刺激することによって、専用のコントローラーで思いのままに操ることができる。(Wikipedia参照

東京大学の玉城さんらは、『PossessedHand』という、電気刺激を用いてヒトの手を制御することのできるシステムを研究・開発しています。

電極パッドの位置と電気刺激の大きさによって前腕の筋肉を局所的に刺激することで腕を動かすことに成功しています。この技術を使って、琴の演奏を支援するアプリケーションなどが提案されています。

④小人箱

From MIKI Yoshihito (´・ω・)
22世紀のひみつ道具が着々と現実のものになりつつあるが、「どこでもドア」ははたして実現できるのか!?

道具解説: 眠っている間に、どんな仕事でもしてくれるロボット。起きているときには出てこない。(Wikipedia参照

五十嵐ERATOインターフェースプロジェクトによる研究『Magic Cards』では、カードインターフェースを使ってロボットに「ここをお掃除しておいてね」などと指示を与えると、いない間にロボットがそのタスクをこなしてくれます。

お掃除をしてくれたり、荷物を運んでくれたり……。ロボットにどのような指示をどうやって与えるかは、今後ロボットが家庭内に普及する際には必須の検討事項です。例えば、すでにお掃除ロボット『ルンバ』では、“バーチャルウォール”を使って、ルンバの稼働区域を設定することができます。

⑤タケコプター

道具解説: 自由に空を飛べ、どこへでも行くことができる。ドラえもんといえば……と言ってもいい定番アイテムの一つ。(Wikipedia参照

東京大学暦本研究室の樋口啓太氏による『Flying Head』は、身体動作に追従して無人航空機を操作できる技術が、その夢のような道具を現実のモノにしてくれるかもしれません。遠隔での無人ロボットは災害救助などの分野で研究開発されてきていますが、通常は無人ロボットを遠隔で操作するのは難しく、リモコン操作やジョイスティックなどによって操作をしなければいけません。

この『Flying Head』では、頭部に装置を付けておけば、人間の「歩く」「かがむ」といった身体動作によって遠隔の無人飛行機を操作することができます。

少し離れた後ろから自分自身を観察するような視点で追従してくることもできますし、あたかも遠く離れた場所にいるような感覚で、自由に顔を傾けたり振り返ったりするだけで、景色を見ることにも使えるでしょう。

すでに実現してしまった、“かつて”の未来道具たち

先に挙げた研究はまだコンセプト段階のものも多く、実際に技術が製品化するまでにまだ数年掛かるものもあるとは思います。ただ、ドラえもんのひみつ道具の中には、すでにわれわれの生活に役立っているものも多々あります。

例えば、糸でつないでなくてもお話しができる『糸なし糸電話』 は、いまや生活必需品とも言える携帯電話ですね。また、マイクに向かってしゃべれば、自動的にタイプしてくれる『ききがきタイプライター』 も、すでに音声認識技術の分野で研究・発展しており、実用レベルになっています。

壁を通してどこの景色でも見られる『かべ景色きりかえ機』は、空間を共有できないまでも、壁に掛けてある大型プロジェクタや大型スクリーンを通してリアルタイムに街の様子を見ることができます。

『インスタントミニチュア製造カメラ』も、写真から3次元立体を復元する技術、そして3次元プリンタでミニチュアをプリントアウトする技術などの普及により、かなり現実に近付いています。

ドラえもんっぽい道具の研究でイグ・ノーベル賞受賞者も

イグ・ノーベル賞を受賞したスピーチジャマーシステム

産業技術総合研究所の栗原一貴氏と、はこだて未来大学の塚田浩二氏によるおしゃべり妨害装置『SpeechJammer(スピーチジャマー)』を紹介します。しゃべっている人に向けてこの装置を作動させると、なんと強制的に発話を阻害することができるのです!

話者の聴覚に音声を遅延させて到達させると、話者は正常な発話が阻害されるという一般原則を応用したもので、指向性マイクと指向性スピーカーを組み合わせたシステムを構築。一定の離れた場所から特定の話者に向けてシステムを作動させます。

『スピーチジャマー』は2012年にイグ・ノーベル賞を受賞しています。世界的に有名な「ノーベル賞」に対して、イグ・ノーベル賞とは「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞で、まさにドラえもんの道具のような研究。YouTubeなどでスピーチジャマーを実際に使っているビデオを見ることもできます。

大学入学試験にも登場するドラえもん

大学の入学試験にもドラえもんは登場しています。例えば、平成14年度の大学入試センター試験・総合理科では、漫画『ドラえもん』の中に出てくる道具に関する問題が出題されました。

また、平成11年度千葉大学の高校2年生を対象とした飛び入学の記述問題でも、ドラえもんのひみつ道具4つ(「タケコプター」「エネルギー節約気球」「消光電球」「望遠メガフォン」)を取り上げて、

箱根桃源台特設会場にて

■ 道具を1つ選んで、それが実現可能かどうか検討しなさい。不可能ならばその理由を道筋を立てて詳しく説明しなさい。可能ならばどのような原理に基づくのか、実現するにはどのような工夫が必要なのか論述しなさい。

といった問題が出題されています。こんな風に、昔も楽しんだけれど、今でも十分楽しめるドラえもん。最近読んでないなぁと思う方は、ぜひ手に取ってみると、技術の視点から面白い発見ができるかもしれませんね。

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