「契約交渉のプロ」が教える!「技術+α」のスキルが未来の技術者の理想形

技術を生み出し、支えるのは「人材」だ。採用担当者が語る「理想の技術者像」から、2010年にあるべき技術者の姿を探る。
松本 剛 氏
ダイハツ工業株式会社
グローバル人事部 人材計画室
採用グループ グループリーダー

「少数精鋭」の環境の下で技術者を採用・育成
創立100周年を迎え、「国内スモールカー事業」「アジアを中心とした海外展開」「トヨタ自動車との連携強化」を今後の事業展開のキーワードとしているダイハツ工業。同社の松本剛氏は、2010年を見据えた技術者の採用計画を以下のように語る。

「今年度は、若手・中堅層を中心に、ボデー開発・設計、エンジン・ドライブトレーン開発・設計、生産技術部門などで100名前後の採用を計画しています」

現在、アジア圏を中心にグローバル展開も進めている同社。国内でも、2004年12月に稼動した大分県の中津工場の2期目の拡張工事や、2008年夏には福岡県で新工場の建設が予定されている。そのため、生産技術部門での人材採用が活性化している。では、拡大路線を突き進む同社で活躍できる技術者とは、どのような人材なのだろうか。

「夢を持って、高い目標にチャンレジし、やり切ること。さらに、他部署と連携しクルマ作りに取り組み、開発・生産技術力とマネジメント力のバランスが取れている技術者が活躍できるでしょう」

現在、人材育成に注力している同社では、プロ人材を計画的に育成する取り組みも開始している。部門内ではOJTに加え、定期的に研修会も開催し、ベテランが築いてきた技術力とノウハウを伝授。計画的に開発担当車種をローテーションするなど、幅広いスキルを身につけるための取り組みがなされている。

2010年のキーワードを「環境」と「安全」の2つを挙げた松本氏は、「100周年を迎えた今、機械・電気・材料などの分野を中心に、次世代を担う人材を採用したい」と語る。“少数精鋭”の環境下で、小型車開発の「幅広くも深い」スキルを習得するチャンスだろう。
山北優介 氏
株式会社デンソー
人事部採用室
社会的意義のある製品作りへの想いが重要
現在、幅広い職種で技術者の採用を進めているデンソーの山北優介氏は、「なかでも、ディーゼル車の燃費向上や排気中の有害物質を飛躍的に軽減するコモンレールシステムは代表的な将来の地球環境を左右する技術を持つ製品です。この分野の技術者採用は活発です」と語る。

不完全燃焼を抑えるためには、燃料をどのタイミングで噴霧するかを制御することが重要であり、更なる技術革新が求められている。そのため、同社では、制御仕様を考え、それを実現していくためのソフト系技術者と、インジェクター、ポンプなどのハード系技術者の採用が拡大している。では、2010年に活躍できる人材像とはどのようなものなのだろうか。

「自動車の未来を考えて仕事に取り組める方です。当社では、完成車メーカーとその先にいるユーザーからの期待と信頼に応えていきたいというひたむきな技術者を求めています。そして、社会的意義のある製品を作りたいという強い想いを持ち、それをやり切ろうと努力し続けることができる方がベストです」

同社では、研究開発、設計、生産技術の部署が連携して“ユーザーを意識した製品作り”を進めている。これを支えているのが、若手の意見から新技術が生まれる“ボトムアップの文化”だという。「若い技術者の考え方から、新技術の種が生まれ、製品になることが多いです。また、経験を積みながらスペシャリスト、ゼネラリストのいずれかを希望することができます。技術者としての幅を広げることができ、社内の様々な分野の技術者や充実した社内教育からスキルを習得することもできます。2010年以降も理想の技術者像を実現できる環境が整っていると自負しております」
前田利治 氏
富士重工業株式会社
人事部人事グループ
主任
若手から積極的に幅広い業務を任せたい
現在、富士重工業では、新商品を1車種/年以上リリースすべく新商品開発を進めており、全社を挙げて「モノづくりをしたい」という若手技術者の中途採用に取り組んでいる。 「特に若手技術者に活躍していただきたいのが車体やパワーユニットの開発部門、生産技術の部門。どの部署でも若手から活躍できるフィールドが沢山あります」と人事部の前田利治氏は話す。

たとえば、開発業務おいては、多くのメーカーでは企画・仕様変更や決定・試験・データ取得から解析、結果を基に他部署との調整とプロセス一つひとつが細分化され、役割を分担されているケースが多い。しかし、同社では全てのプロセスに1人の技術者が包括的に携わり業務を進める。また、卓越したプロダクトをつくり出すために、個人の裁量に任せる部分を大きくしている。これこそが同社のクルマづくりの根幹なのだ。

さらに前田氏は、「常にお客様第一を念頭に“理想のクルマづくり”を目指すというのが当社の風土であり、文化として定着しています。ですから、クルマづくりの最前線で汗を流したい、懸命に取り組みたいという想いやタフさが、当社で活躍する条件となるでしょう」と語る。業務遂行のためのスキルや経験は当然のこと、バイタリティやプレッシャー耐性、状況適応力、リーダーシップ、そして自分らしさを持っていることを求める。

「技術ありきではなくお客様への想いや技術者のプライドといったいわばソフトの部分がより良い技術を生み出していくのが開発や製造現場のスタンス。ですからお客様に満足していただくクルマをつくりたい、また様々なスキルを身に付け成長したい、自分の想いを実現したいという方をぜひとも採用したいですね」
西村耕治 氏
株式会社ヨロズ
管理部 人事グループ
世界に通用する “足回り”のプロを育成
ボディの軽量化の波を受け、サスペンションの開発においても同様の課題を抱えている。ヨロズの西村耕治氏は、「軽量化と強度の相反する目的を達成することは、サスペンション開発の永遠の課題。それに加え、コストの削減、納期の短縮という要求も無視できない」と語る。

現在同社では、設計と生産技術部門で開発エンジニアを募集している。開発エンジニアとして求められるのは、PDCAサイクルを回すことができること。そのため、異業種などからの採用実績もある。加えて、素材に関する深い興味や理解が必須。サスペンションには特殊な加工技術が必要とされるため、確固たるスキルを身に付けたい人にとっては面白い分野だと、西村氏は語る。

「現在は、軽量化にちなみアルミに関する素材開発が活発ですね。また、ヨロズの技術力を活かしたハイテン材の利用も注目です」

いずれの技術者に関しても、ヨロズでは、自社教育を徹底して行っている。第2新卒レベルのポテンシャル人材はもちろん、高スペックな人材に対しても、スキルの棚卸しや細分化を行い、その人に合った教育を行うのが特徴だ。「厳しい教育があってこそ、どこでも通用するエンジニアが育つのです」と西村氏。

ヨロズの特徴は、企画構想からカーメーカーと共に行っていく、トータルプロダクションシステム。実験や試作から、量産、品質保証に至るまで、首尾一貫してモノづくりに携わることが可能だ。

「ひとつの部品に対し、設計や生産技術者を含めたプロジェクトチームが責任を持って対応していきます。そのため、個人の裁量権も大きく、モノづくりに対する喜びはひとしおでしょう」
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