難関Web企業 転職の「赤本」

かつては小規模なベンチャーがほとんどだったWeb企業も、業績を伸ばし大企業化したものが少なくない。それに伴って中途採用のハードルも上がり、大手SIerへの転職にひけをとらない“転職難関企業”も増えてきた。ここでは、そうした企業へ転職するための秘訣を探る。
高野秀敏 氏
Hidetoshi Takano
株式会社キープレイヤーズ
代表取締役
中途採用は難易度UP!?“質実剛健”な技術者には追い風
「ここしばらくWeb系企業の多くは、中途採用に対してやや慎重な姿勢をとることが予想されます」

そう語るのは、Web企業を中心に人材紹介を展開するキープレイヤーズ代表の高野秀敏氏。活況だったここ1〜2年に企業が技術者を多く採用した反動か、今後半年〜1年は様子を見る意味でも技術者の中途採用は控え目、というのが転職市場のトレンドといえそうだ。

「その意味では採用ハードルは以前に比べ上がっていると見てよいでしょう。さらに最近は、Web事業に対する思い入れの強い技術者ばかりが応募に踏み切る傾向にあり、内定獲得は至難の業です」

なぜ採用ハードルは上がったか

たとえば、株式市場への上場審査基準の改正により、以前に比べWeb企業の上場は難しくなった。ほかには、Web事業の利益率は一般的にいえば良くて15%前後。他の業種に比べ、さほど儲からない事業領域だという認識が浸透しつつある。こうした要因が、「転職でストックオプションを取得して上場すれば一攫千金」といった“浮ついた”動機の転職希望者を応募以前に淘汰する効果を生んでいるという。儲かる・儲からないは別として、業務内容をはじめ、シゴト自体に強く惹かれるホンモノの技術者だけがWeb業界への転職を希望する時代になったともいえる。

そんななか、熾烈化する競争を勝ち抜いて内定を獲得する技術者には、どんな共通点があるのだろうか。

「明確に成功体験を持っている人ですね。ただ技術スキルや経験があるだけでは他の応募者との差別化が難しい。自分ならではの『伝説』『武勇伝』と呼べるほどの実績がある人に人事担当者は惹かれるもの。同時に、技術者といえども会社員なので、仕事ができさえすればいいというスタンスは敬遠されがち。特にクリエイティブな業務では、同僚との相性や職場の人間関係が能率や成果に直結しやすいので、組織適応力のある人が有利なことは間違いないでしょう」

難関Web企業内定必須能力

Ability01 成功体験

ここでいう成功体験とは、仕事において「自分が中心となって」実現した「具体的な成果」のこと。ありがちな勘違いとしては、大手SIerなどの勤務時代などに何百人もの技術者が関わる超大型案件に“携わっていた”ことを、あたかも自分1人の手柄のように述べるケース。小さくても本当に自分の力で何かを変えたことを語ろう。また、プレゼンの際には数値など具体的な指標でわかりやすい伝え方を。

How to Brush Up

あらかじめ成功体験をエピソード化しておこう

まず自分自身が自分の成功体験を明確に把握しておくことが必要だ。成果を上げた事柄を「5W1H」に要素分解し、時系列に沿って話せるように整理する。面接の現場では「演説」ではなく、あくまで「会話」としてエピソードを語れればOKだ。

Ability02 ストレス耐性

SIerなどに比べ開発スピードが速く、頻繁な仕様変更や突発的なトラブルへの早急な対応が要求されるWeb業界。一定の秩序に基づき、安定したペースでの開発しか経験してこなかった技術者ほど「話が違う!」「理不尽だ!」「筋が通っていない!」といったストレスを抱きやすい。しかしこの業界で活躍したいなら、そうしたストレスに関わらず一定以上の成果を出せる強さが必要だ。

How to Brush Up

日常生活のなかで自分を客観視するクセをつける

まずは日頃から、自分が何にどれだけストレスを感じやすいのか。ストレスによって仕事の能率や行動、言動にどんな変化が起きるかを客観的に把握するよう努めよう。そうすれば、耐える、受け流すなど自分に適したストレスの対処法を見つけやすい。

Ability03 対人感受性

わかりやすくいえば「相手の立場になって物事を考える」能力のこと。組織構造がフラットで職場の雰囲気も和やかなWeb企業だけに、同僚であっても本音をオブラートで包む、婉曲的に伝える場面は少なくない。クライアントと接するなら尚更、重要になる能力といえる。 「Web企業で活躍している人で対人感受性が低い人は、まず見かけませんね(高野氏)」

How to Brush Up

自分の発言を自分自身にフィードバックする

人と話すとき、自分が相手に言ったことをそのまま自分自身が誰かから言われたと仮定して考えるクセをつけてみよう。「自分が嫌だと思うことは相手にもしない」という基本原則が、案外できていないことがあると気づくことこそ、成長の第一歩だ。

Ability04 コミュニケーション能力

ただでさえ数式や造語など、一般的には「意味不明」な言葉が飛び交うWeb業界。技術力に覚えがある人ほど陥りやすいのが、“ITスラング”ともいうべき略称や崩した話し方でしか要件を伝えられなくなることだ。一般的な日本語として通じる言い回しで人に技術を語れてこそ、一人前の技術者といえる。情報や想いを人に「言う」のとそれが「伝わる」のは別問題だということを忘れずに。

How to Brush Up

あえて「型に嵌めてみる」謙虚さを持つ

人との接し方は人それぞれという思い込みを捨て、同じ職場でコミュニケーション能力が高いと言われる人のやり方を徹底的にマネてみよう。特にビジネスの場では、独創的な言い回しよりも紋切り型の伝え方のほうが歓迎されやすい。

Ability05 組織適応力

転職者が選考の過程でもっとも重視される能力。特にベンチャーの場合、学生サークルのような“ユルい”ノリや極端な頭脳集団、その実は営業力がすべての事業会社だったりと特殊で強烈なカラーを持つ企業も少なくない。努力で獲得することもできるが、先天的な気質との相性にも依るので、どうしても合わないと感じた企業であれば「縁がなかった」と割り切るほうが賢明なことも。

How to Brush Up

自分とタイプの異なる人との付き合いを増やす

自分のこれまでの価値観と違うものを認めるのは誰でも抵抗あること。まずは身近にいる異なるタイプの人間とちょっとした交流を持つところから始めよう。どんなに巨大な組織も、その構成要素は「人」。人を理解することは、組織理解へとつながる。

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