キャリア Vol.30

朝6時からDJがレコードを回し、アイドルファンが宙を舞う『早朝フェス』ってなんだ!?

ここ数年、朝目覚めてから出勤するまでの空き時間を利用して、自分磨きや健康維持のための運動などを行う「朝活」という言葉がおなじみとなりつつある。

そんな中、ついに平日の早朝からクラブイベントを行う催しが現れた。それが「早朝フェス」こと、『Morning Gloryville Tokyo』だ。

2014年7月から開催されているこのイベント、2/18(水)に第5回目が開催されるというので参加してきた。そこには、ヨガあり、DJサウンドあり、アイドルありのカオスな空間が待っていた。

朝から汗だくで体が目覚める

早朝フェス

AM6:30、この日は前日夜から冷たい雨が降っており、気温は2℃。周囲は薄暗い中、会場の『3331 Arts Chiyoda』には明かりが煌々とともり、すでに多くの人影が見える。

早朝フェス

「おはようございます!」と元気のいい声に迎えられて、受付を済ませるとすぐに目に入るのは飲食もできるフリースペース。

早朝フェス

コーヒーや宮崎県産の食材にこだわったスムージーなど、朝にふさわしい飲み物が並ぶ。

早朝フェス

おにぎりやベーグルなどの軽食も売っていて、腹ペコで参加しても、ここでおなかを満たすことができる。

早朝フェス

フリースペースから建物の奥に歩を進め、本会場につくと、まず目に入るのが、このストレッチ&マッサージのエリア。プロレスの「指輪固め」を髣髴とさせる体勢だが、参加者いわく、「見た目よりも苦しくない」とのこと。当日予約制ではあるが、無料で受けることができる。

早朝フェス

ヨガコーナーも盛況で、マットが足りないくらいの人数が講師のレクチャーを受けていた。

早朝フェス

「クラブイベント」といえば、欠かせないのがやっぱりアルコール。会場の一角にももちろん発見。と、思いきや実はこれ、ノンアルコールのクラフトビール。実際に飲んでみると、クラフトビール独特のアロマや苦味が感じられる。そのため、ノンアルコールながらも朝からビールを飲むという「何かいけないことしている感」は味わうことができた。

早朝フェス

メインステージではafromance氏のDJに合わせ、Taiki氏とMaikoさんの2人のヨガインストラクターによる『Yoga Party』が行われた。ヨガとエアロビクスを合わせたようなアクティビティーだ。

早朝フェス

参加者達は彼らの動きに合わせ、汗を流す。

早朝フェス

後半には新潟在住の3人組アイドルNegiccoが登場。朝8時からアイドルのライブに参加するという貴重な体験。

早朝フェス

ネギを模したサイリウムは会場でも販売されており、当日ファンになった人でも楽しむことができる。

早朝フェス

ファンたちの盛り上がりも最高潮に。飛び散る汗。揺れる体育館。

灰色の通勤時間を
フェス後のようなカラフルな気持ちに

朝6時から音楽フェス。「朝活」が浸透してきているとはいえ、この一見突飛ともいえる組み合わせ。この発想はどこから来たのだろうか。主催者の藤本太一氏に話を聞いた。

早朝フェス

『Morning Gloryville Tokyo』主催者の藤本太一氏

「僕自身、毎朝の通勤電車が嫌だったんです。そんな時、イギリスにいる友人が早朝フェスを始めたという話を聞きました。その時、『これを日本でもやれば憂鬱な通勤時間が楽しくなるかもしれない』と思ったんです。みんなが俯いている通勤電車とは対照的に、フェスやライブの後の電車ってみんなニコニコしているじゃないですか」(藤本氏)

「憂鬱な通勤時間をカラフルな気持ちにしたい」そう思い立ち2014年7月に第1回を開催した藤本氏。思惑通り、参加者の評判は上々で、藤本氏が当初思い描いていた「通勤時間の憂鬱を吹き飛ばす」という効果以外にも、いろいろな参加者の声が集まっている。

当日参加していた、会場の近くの企業で広告営業をしているという営業マンの男性はこう話す。

「Negiccoのライブに参加するために来ましたが、同じNegiccoファンはもちろん、隣で踊っていた初対面の人に話しかけられたりして、交友関係が広がる可能性を感じました」(営業マンの男性)

また、藤本氏が直接参加者からもらった声の中には社内の関係改善に役立ったという意見もあったという。

「社内で誘い合ってくる方たちもいて、『小学校の頃の集団登校みたいで、一緒に参加したメンバーとのコミュニケーションが円滑になった』という感想もありました。これは主催者側としては予想外でしたが、企業活動に貢献できていることはうれしいですね」

毎朝の会社までの満員電車。藤本氏のように憂鬱な気持ちで過ごしている人も少なくないだろう。そんな人はいつもよりちょっと早起きして早朝フェスに参加し、ハイテンションな通勤時間を試してみるのもいいかもしれない。

早朝フェス

「行ってらっしゃーい!」

取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)


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