スキルアップ Vol.206

なぜ「落ち込んだらエロ本を読め」なのか? 日本一飛び込み営業が得意な男が語る、受注を取るための意識改革のススメ【ビジネス書3分リーディング】

著者が教える「ここだけは読んで欲しい!」ポイント
人気ビジネス書3分リーディング
本を読んでスキルアップしたいとは思いつつも、忙しくて読書の時間が確保できないあなた。そんなあなたに、人気のビジネス書の著者が、本の中で「どうしてもここだけは読んでもらいたい」という部分を3分で読める分だけ自ら抜粋! さらに詳しい解説までしてもらった。(著者の皆さん、スミマセン!)気になった本は購入して、がっちりスキルアップだ!

アポなしで担当エリア内の個人・法人を訪ねては営業活動を展開する「飛び込み営業」。門前払いは日常茶飯事、行く先々で相手に迷惑そうに断られ続けることで、自分の仕事に罪悪感を抱いている営業マンも中にはいるかもしれない。

つらいイメージの強い飛び込み営業を5万件以上行った経験を持ち、「日本一飛び込み営業が得意な男」を自称するのは、杉山彰泰氏。彼の著書『トップセールスはお客さまの何を見ているのか?』では、彼がいかに飛び込み営業で売上を上げてきたかが紹介されている。

今回、杉山氏には、心が折れがちな飛び込み営業において、モチベーション高く前向きに売上げアップを実現する方法を聞いた。

プロフィール画像
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株式会社A&S 代表取締役 杉山彰泰氏1973年生まれ。青山学院大学卒業後、大手消費者金融会社に就職。債権回収などの業務を手がけ、約2年6カ月在籍した後に転職。外資系保険会社および国内大手保険会社でともにトップセールスに。5万件超の飛び込み営業で培った独自の営業スタイルでOA機器販売会社へ転職し、30歳の時に独立を果たす。以後、現役の営業マンとしての本業のほか複数の企業経営や税理士・社労士と連携する独自のビジネスモデルを展開中

杉山彰泰氏が抜粋「どうしてもここだけは読んでもらいたい!」

『トップセールスはお客さまの何を見ているのか?』という1冊を通して、杉山氏がもっとも伝えたいこと。それは、「セルフイメージを高く保つ営業マンであり続ける」ことだという。

あなたもそうだと思いますが、「自分はダメ営業マンです」と言っているようなセルフイメージの低い営業マンからは買いたくないのです。
では、セルフイメージを高く保つためにはどうすればいいのかというと、一つは寄付です。1件契約が取れたら、いくら寄付するかを決め、それを実行するのです。
寄付先は、どこでもかまいません。
これを行うことで、自分の仕事は間接的に世の中の役に立っているという感覚を持つことができ、セルフイメージを上げることができるのです。
ちなみに私は保険の営業を始めたころ、1件契約が取れるたびに両親に仕送りをするということをやっていました。

(『トップセールスはお客さまの何を見ているのか?』183~184pより抜粋)

現在、経営者として営業マンの育成も手がけている杉山氏は月1回のペースで「セルフイメージアップ会議」を行っている。これは、営業マン全員でお互いのいいところを3つずつ紙に書いて読んでもらうのだという。

「『すぐに行動するところがいい』とか『報告や連絡が的確』といった些細な内容なんですが、自分でも気付いていないところを他の人から評価されるので、かなりセルフイメージが上がります」

実際にやってみるとわかりますが、言われたほうはかなりセルフイメージが上がるものです。
さらに、言うほうも相手のいいところを見つける目が養われるため、商談の際にお客さまのいいところを見つけてほめることができるようになるという効果もあります。

(『トップセールスはお客さまの何を見ているのか?』185pより抜粋)

「セルフイメージを上げるには、とにかくポジティブなことを考えるのが効果的です。だから私は心が折れている営業マンには『エロ本を読め』と言うこともあります。エロ本ってポジティブなことしか書いていませんから」

1回目の飛び込み営業は「情報収集」と割り切る

杉山氏が「セルフイメージ」の重要性に気付いたのは、保険会社に転職した際、成績の良い営業マンの秘密を暴こうと、同じ部署のトップセールスを尾行したときだったという。

「彼が営業活動をしていたのは朝イチや夕方だけでした。日中はカフェやファミレスで計画を立てていたり、スポーツクラブやサウナで時間をつぶしたりと、ほとんど営業らしい営業活動をしていなかった。決裁権者がオフィスにいる確率の高い朝や夕方以降だけ、余裕綽々の元気でさわやかな顔で訪問していたことに気付いたんです」

しかし、飛び込み営業の場合「訪問したからには契約をとりたい」という気持ちから、どうしても必死さが表情や態度に表れがちだ。しかし、その“ガツガツした感じ”も逆効果になると、杉山氏はクギを刺す。

「営業とナンパは似ています。『今夜ヤリたい』と鼻息荒く女性を誘う人は大体失敗します。ナンパに成功するのは、心理的な壁を相手が作りにくい『もし電話番号が交換できればラッキー』とダメ元で声をかける人なんです」

では、飛び込み営業においてそんな必死さを心に抱かないためにはどうしたらいいのだろうか。

「発想の転換です。1回目の訪問は『受注のため』ではなく、『情報収集のため』と割り切ることですね。最初に必要な情報をしっかり手に入れておけば、実は2回目の訪問で契約が取れる確率が高くなるので効率的なんです。断られたら、『1件訪問先が減って楽になる』くらいの感覚のほうが精神的にかなり楽ですよ」

飛び込み営業を成功させる秘訣は、やみくもに足を運んで数を稼ぐのではなく、案外一見回り道にも見えるところにあるのかもしれない。

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取材・文/浦野孝嗣


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