スキルアップ Vol.76

大手企業を顧客に持つ営業ならではの、相手に気を遣わせないための「先回りの気遣い」

同僚も、友達も、お客さんも、全部ボクらの人脈だ!
営業マンの“つながリスト”
“つながリスト”――それは営業マンにとって必須の「人脈のリスト」のこと。仕事ではどうしても顧客リストばかり増やしがちだが、実は大事なのって利害関係を越えた横のつながり。現役営業マンたちをリレー形式でつないで、等身大の人脈構築ノウハウを学ぶ!
ソフトバンクモバイル 山田洋介(やまだ・ようすけ)さん

ソフトバンクモバイル株式会社
法人第一営業本部
山田洋介(やまだ・ようすけ)さん

神奈川県出身。28歳。三男に生まれ、お兄さんの顔色を伺っていたため、気配りが上手だと言われるそう。また負けず嫌いでもあるとのこと

つながり№004
営業の決め手は、仮説提案と気持ちの良い第一印象

Q.1 営業スタイルは?

自動車会社や鉄道会社など大手企業に、クラウドやネットワークといった通信インフラサービスを提供する法人営業を行っています。飛び込み営業は少なく、すでに弊社のサービスを導入して頂いたお客さまのニーズを深堀りしたり、ご紹介頂いた別のお客さまへの新規開拓も行います。提案するサービスに付随したデバイスとして、携帯電話の実機導入を提案することはありますね。

大企業の場合、商材により同一企業内で窓口が複数あるということも多く、我々が間に入ってお客さま社内の部署間をつなぐこともあります。
例えば、固定電話であれば総務部へ、ネットワークサービスだと情報システム部へ営業させていただくのですが、その際に、総務部はコスト削減を望んでいるが、情報システム部はインフラを拡張し投資したいと思っているようであれば、「○○部はこう思っているようなので、その方針だとバッティングする可能性があります」といったことも突っ込んでお話します。営業を通して、俯瞰的にお客さまの会社を見ることでよりクライアントのニーズに応えることができるのだと思います。

Q.2 仕事での“つながリスト”を教えてください。

商談後、同年代のお客さまからお茶に誘われたことをきっかけに仲良くなった方がいます。各方面で熱心に仕事をしている同年代とよく飲むそうで、私もそのお酒の席に参加させていただくようになりました。

そのつながりでは思いがけず大きな影響を受けましたね。その方は、有名大学出身なのにベンチャー企業に勤めていて、そのことが気になり、「どうしてその会社を選んだのですか?」と尋ねると、「大手の会社だと会社名という看板がある。でも、自分は自分をブランドとして仕事がしたいんだ」という答えが返ってきました。その話を聞いてから、“会社の看板が無くなったとき、自分にどんな価値があるのか”ということを考えるようになり、自分もアイデンティティーを確立して仕事をするべきだと思うようになりました。

Q.3 新しい“つながリスト”の作り方は?

お酒が好きで週2、3回飲みますが、友人が飲んでいる場所に合流して新しい人と知り合うことはよくあります(笑)。もともと人と話すのは好きで、友達のコミュニティーへ積極的に入って行くことで、プライベートのつながりを広げたりしていますね。人脈を作る上では結構重要な場だと思います。

Q.4 SNSの“つながリスト”を教えてください。

新規開拓の際は、仮説提案を心掛けるようにするのが私のテッパンです。お客さまの業界のトレンドや同業他社の動向なども調べ、こういう点でお困りではないですか?といった切り口で話します。
実際にその予想が当たっていなくても、「いや違うんだよ、うちはこういう面で困っていて……」という形で話が広がり、お話を伺えることもありますから。
また、第一印象にはかなり気を付けています。1人の方にお会いできる時間は限られているので、一回で多くの情報を聞くために、違和感のないコミュニケーションを取るよう心掛けています。お客さまの時間の浪費を防ぐためにも、第一印象からすんなり会話できる状態でいたいと考えています。

余計な時間を使わせないという意味で、訪問先に合わせた装いも気を付けていますね。例えば、製造業のお客さまがクールビズを推進しているのに、こっちがネクタイをして暑そうな見た目だと、気を使ってエアコンをつけてくださるようなこともあります。なので、そうならないよう訪問先に合わせてネクタイを外すといった工夫は忘れないようにしています。

Q.5 営業としての“テッパンネタ”ってありますか?

移動中も作業するためiPadは必須。作成した資料は、アダプターでプロジェクターから投影可能。営業先でシステムの構成図を書くため、ノートはA4サイズ

移動中も作業するためiPadは必須。作成した資料は、アダプターでプロジェクターから投影可能。営業先でシステムの構成図を書くため、ノートはA4サイズ

新規開拓の際は、仮説提案を心掛けるようにするのが私のテッパンです。お客さまの業界のトレンドや同業他社の動向なども調べ、こういう点でお困りではないですか?といった切り口で話します。
実際にその予想が当たっていなくても、「いや違うんだよ、うちはこういう面で困っていて……」という形で話が広がり、お話を伺えることもありますから。
また、第一印象にはかなり気を付けています。1人の方にお会いできる時間は限られているので、一回で多くの情報を聞くために、違和感のないコミュニケーションを取るよう心掛けています。お客さまの時間の浪費を防ぐためにも、第一印象からすんなり会話できる状態でいたいと考えています。

余計な時間を使わせないという意味で、訪問先に合わせた装いも気を付けていますね。例えば、製造業のお客さまがクールビズを推進しているのに、こっちがネクタイをして暑そうな見た目だと、気を使ってエアコンをつけてくださるようなこともあります。なので、そうならないよう訪問先に合わせてネクタイを外すといった工夫は忘れないようにしています。

Q.6 同世代営業職の“つながリスト”と盛り上がる話題は?

営業職なら、仕事の苦労話ですね。仕事上では、お客さまの要望と会社の方針との板挟みになることが多いので、そういった話をすると共感できて盛り上がりますね。成功した人の話を聞くとモチベーションも上がりますし参考にもなります。

最近面白いなと思ったのは、女性と男性では仕事に対するモチベーションの方向性が違うという点です。男性は、プライドが先に立って、ただ数字を追うという傾向が強いですが、女性は家庭を持っている場合、家事や育児をしながら働く方もいます。そうなると、効率よくノルマを達成し、なるべく残業を減らさないと生活に支障がでることも多い。そういった点で、男性とは違った視点で仕事に向きあっているなと感じました。同じ営業職同士でも男女による違いはどこにあるのか、女性とはそんな会話をするのも楽しいですね。

Q.7 移動中の愛読書を教えてください。

山崎 武也『「気の使い方」がうまい人』(三笠書房)
実は感情表現が苦手で、以前サプライズパーティーをしてもらった時に、上手く反応できなかったという残念な思い出が(笑)。それで、相手にとって気持ちのいい関係を築きたいと思って読んだのがこの本です。“人を褒めるときのテクニック”や、“褒められた時の過度な謙遜は嫌味になる場合も”など具体的な内容も書いてあり参考にしています。

Q.8 前回の“つながリスト”府川さんによると「頑張り屋で熱い反面、全体を俯瞰的に見つつ冷静な判断や分析ができる。そんな熱さと冷静さを持った魅力的な人」とのことでしたが……。

ありがとうございます。褒められるのは恥ずかしいのですが……(笑)。
府川さんは、一言でいうと“しっかりもの”。また、相手のパーソナリティを知ろうとする気持ちが強く、人とのコミュニケーションの取り方が上手なイメージですね。大学時代に、マスコミの専門学校に入って知り合ったのですが、スピーチが面白かったのが印象的でした。

Q.9 最後に“つながリスト”からステキな営業マン・営業ウーマンを紹介してください!

株式会社ZenPlusの福田洋平さんをご紹介します。私が社会人1年目の時に、友人を介して知りあったのですが、明るく誰に対しても分け隔てなく接する方なので、自然と仲良くなっていました。そんな風に、仕事上でも人間関係を上手くするテクニックを持っているだろうと想像でき、福田さんの仕事への取り組み方を私も知りたいので紹介させて頂きます。

取材・文・撮影/questroom inc. 撮影/柴田ひろあき


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