Vol.111

日本橋で食すふわふわの天然モノ! 「穴子丼ランチ」1400円に学ぶ江戸前の美味【ザ・営業食】

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そのネタいただきます!
ザ・営業食
営業マンたるもの、ランチをただのエナジーチャージで終わらせるなんてもったいない! 空腹を満たすと共に、アイスブレイクや飲み会で使える“ネタ”も仕込むべし。

煌びやかな商業施設のそばにたたずむ
年季が入った一軒家

日本橋エリアは、1604年(慶長9年)に日本の交通網の要となった。江戸幕府が、東海道、甲州街道、奥州街道、日光街道、中山道を五街道として制定し、日本橋はそれら街道を結ぶ拠点になったのだ。すると自然に人の往来が生まれて、文化が流れ込み、商売も盛んになったというわけだ。そして、このエリアは現在でも商業や金融、ビジネスの中心地として栄えている。

今回訪ねた店は、そんな日本橋エリアにある穴子専門店『日本橋 玉ゐ』。読み方は“たまい”である。日本橋駅から徒歩2分、『COREDO 日本橋』のそばにひっそりとたたずむ2階建ての一軒家だが、まずはその年季の入った外観にびっくり! なんと味わい深い建物だろう……。

1953年に建てられたこの一軒家、以前は酒屋として営業していたが10年ほど前に『玉ゐ』がこの場所を借り穴子専門店をはじめたのだそうだ。

暖簾をくぐり一歩店内に入ると、どこか懐かしいような不思議な感覚に襲われた。
近隣にある現代風の建物とは全く異なった純和風の店内には、何とも言えない居心地の良さもある。この立地で、このいぶし銀な店構え、そして穴子専門店という渋い業態。これは期待するなという方が無理である。極上のランチを堪能すべく、いざ着席!

やわらかくほどける穴子に悶絶

穴子といえば、江戸の夏の味覚を代表する食材としても有名だ。しかし、旬の味覚とはいかんせん値が張るもの。『玉ゐ』の名物「あなご箱めし」は、小箱1750円、中箱2950円、大箱3950円。中箱と大箱は、穴子の煮上げと焼き上げが1枚ずつのってたまらなく豪華。しかし、ランチにはこのお値段では少々ハードル高い……。

そこで今回はまずはリーズナブルに楽しめる「ランチ穴子丼」1400円(写真は穴子のお出汁付きで1600円)で、その実力を確かめてみることにした。

穴子の胴体が味わえる「箱めし」と違って、「穴子丼」には穴子の尻尾が丼にのるそう。では、胴体と尻尾では、どういう違いがあるのだろうか?

「尻尾というとあまり良いイメージではないかもしれませんね。でも実は胴体の部分よりよく動かす部位であるため、身がよく引き締まっていておいしいんですよ」

そう教えてくれたのは営業部長兼広報業務の佐藤裕二さん。なるほど、「箱めし」と「穴子丼」は、別メニューと考えたほうが良さそうだ。ちなみに「箱めし」には煮上げと焼き上げがのるが「穴子丼」には煮上げのみ。
煮上げた方がふっくら仕上がるので、引き締まった尻尾をおいしくいただくには煮上げの方が良いとのこと。部分それぞれで、一番おいしく味わえる方法を考えているのである。さすがは専門店、細かい気配りが効いている。

早速、穴子に少量のワサビをつけていただいてみる。身がやわらかくて、まさに絶品! 品よく絡むタレの味わいも絶妙だ。
また、小鉢に盛られた鮮度抜群のお刺身に、開店当時より約10年育てているぬかで漬けたぬか漬けといった、メインにひけを取らないサイドメニューに箸がすすむ。

さらにこの穴子丼ランチ、200円を追加することで少し違った楽しみ方もできる。なんと、穴子丼をお茶漬けとしても楽しめるのだ!

おすすめの食べ方としては、ひと口かふた口ほどを残した穴子丼に、穴子の出汁を入れて、お茶漬けのように味わうのだが、この出汁がまたたまらない。穴子の焼骨とカツオ節からとった出汁が使用され、さっぱりとした中にコクがありなんとも美味。200円追加したとしてもこの内容なら十分満足できる味わいだ。

天然穴子を120%楽しめるからこその“専門店”

そういえば、鰻の専門店はあるが、穴子の専門店って見たことがない。これはどういうことなのだろう?

「穴子は養殖できないので、すべて天然のものを使わなくてはいけません。そのため旬の時期が限られ、その時にどれだけよい穴子を安定して確保できるかが鍵になります。それが難しいので、穴子専門店は成立しにくいのです」と佐藤さん。

なるほど、そんな理由があったのか。『玉ゐ』が年間で確保する穴子の数は15万本! 1年を通じておいしく提供できるよう日々努力を重ねているのだそうだ。

また、このように専門店としてやっていくことが難しい業態だからこそ、専門店ならではの特色も生まれる。それは、大量に仕入れることで成り立つ味のクオリティーと料理のバリエーションだ。

●味のクオリティー
『玉ゐ』は、仕入れた約15万本の穴子をすべてきれいにさばき、一度煮てから保管する。この時、煮汁には穴子の旨みが染み出るのだ。つまり膨大な量の穴子の旨みが濃縮された煮汁が作れるということだ。そしてこの煮汁が、先ほど紹介した穴子丼のタレなどに使用されるのである。

●バリエーションの豊かさ
穴子を専門で仕入れるのでとにかく穴子の数が多い。そのため「握り」や「白焼き」などのほかにも、骨をカリッと焼き上げる「骨せんべい」、お酒に穴子の一夜干しを入れた「あなご酒」など、多彩なメニューが提供できるのだ。

穴子に始まり穴子に終わる穴子づくし。そんな芸当をやってのけられるのは、『玉ゐ』が専門店だからこその贅沢だ。高級な寿司屋に行ってもこの体験は簡単には得られないだろう。

素材を引き立てる磨きあげた職人技

ここまで、専門店ならではの特色をあげてきたが、質の高い職人が育つということも専門店の強みと言えるだろう。

『玉ゐ』のエースと呼ばれる職人の渡部拓也さんは、10年ほど寿司職人として修業を積んでから穴子の世界に入門した。それから毎日のように、大量の穴子をさばき、調理をしてきたのだから、腕が上がらないわけがない。穴子をうまく焼く秘訣を尋ねたところ「こればかりは経験を積むしかないですね」と笑顔の渡部さん。

「江戸前の穴子はずんぐりむっくりしています。ツチノコみたいなイメージですね。そして顔つきは丸っこくて、頭の後ろにこぶがある。同じ穴子でも、別の産地のものは顔がスッと長いものがあるなど、産地によって特徴が違うんです」

ずっと穴子に向き合っていると、顔つきを見ただけで産地が分るというから驚きだ。積み重ねた鍛錬の日々の重さに、ただただ圧倒される。

良い立地に店を構え、良い穴子に、良い職人がいて、と3拍子揃った『玉ゐ』。この店で味わう穴子と職人さんたちのキビキビした威勢のよさは、午後からの仕事への活力を与えてくれること間違いなしだ。

【今回のお店】
・店名:玉ゐ 日本橋本店
・住所:東京都中央区日本橋2-9-9
・電話番号:03(3272)3227
・営業時間: 11:00~14:30(LO.14:00)/17:00~21:30(LO.21:00) 土・日曜・祝日11:30~15:30(LO.15:00) /16:30~21:00(LO.20:30)
・定休日:無
・アクセス:東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線日本橋駅から徒歩約3分
・お店のHP:http://anago-tamai.com/

取材・文/questroom inc.、井上晶夫 撮影/柴田ひろあき

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