Vol.397

コミュニケーション量1.2倍でチームが変わる~イクボス&マネジメント学の専門家に聞く、短時間で成果を挙げる5つの仕事術

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コミュニケーション量1.2倍でチームが変わる~イクボス&マネジメント学の専門家に聞く、短時間で成果を挙げる5つの仕事術

ワークライフバランスが叫ばれている昨今、男女問わず、仕事と自分にとっての大切な「何か」を両立するため、効率よく仕事を終わらせて、仕事後の時間を有効活用したいと考えている人が増えている。

しかし、実際に仕事を早く終わらせて、アフターワークを自由に、かつ有効に使えている人は少ないのではないだろうか。ワークライフバランスの実現がなかなか日本社会に浸透しないのは、日本気質な会社経営から来る職場の雰囲気が大きく関係していると考えられるが、会社が変わるのを待っていてはいつまで経ってもワークライフバランスは夢物語として、実現することはないだろう。

では、自分の理想の働き方を実現するにはどうすればいいのだろうか。ワークライフバランスを実現できている人と、できていない人の差とは一体何なのだろうか。

今回、限りある時間の中で効率よく仕事を進め、アフターワークを楽しむために必要なことについて、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏と、行動科学マネジメントを専門に研究しているウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者の石田淳氏に話を聞いた。

「仕事はチームで行う」からこそ大切な、コミュニケーション改善

2人への取材を通して見えてきた、時間マネジメントで必要なこと。それは、「仕事上でのコミュニケーションを増やす」ことだ。

仕事におけるコミュニケーションは当たり前、だと考える方も多いと思うが、その「取り方」次第で仕事の効率は格段に上がると二人は口をそろえる。

どんな仕事においても1人でやる仕事は少ない。しかも、自分が持っている仕事を早めに終わらせたいと考えた時、やはり一緒に仕事を進めているメンバー、もしくは取引先の相手の協力が必要不可欠になる。その時のコミュニケーションの取り方こそ、仕事が早く終わるか、終わらないかの命運を分けていると言うのだ。

それでは、どのようなコミュ二ケーションが有効なのか。短時間で成果を出すために必要な5つの方法を紹介したい。

~今すぐ実践したい5つの仕事術~
【1】メールは3行にする
【2】仕事の進め方を野球型からサッカー型に変える
【3】70%で仕事をする
【4】メンバーや後輩は褒めて育てる
【5】1日のコミュニケーション回数を書き出してみる

メールが「3行で済む」か「5行以上必要か」でコミュニケーション手法を変える

【1】~【3】を提案するのは、数々のイクメン・イクボスプロジェクトを手掛けている安藤氏。安藤氏自身もNPO法人の代表、セミナー講演者、官公庁推進プロジェクトの実行委員など多くの肩書きを持って仕事をしながら、二男一女の父として育児参加も積極的に行っている、“忙しい”人物である。

そんな安藤氏は「メールは3行、5行になる場合は電話、10行になるなら会う」方がいいと語る。

NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏
NPO法人ファザーリング・ジャパンの代表理事 安藤哲也氏

これを見ると【1】メールは3行にするなんて無理だと弱気になってしまう方もいるかと思うが、「メール返信」という一つの時間は短いながらも大量の量をこなさなくてはならない業務の“ムダ”を省くことで、結果多くの時間を削減できることになるという考え方だ。

「メールを短くするよう意識付けすると、長時間かけて返信内容を考えることなく、すぐに返信することができるようになります。そのため、スムーズに次の予定を決めることができ、さらには『メールをすればすぐに返してくれる人」というビジネスパーソンとしての価値を高めることにもつながるのです」(安藤氏)

次の【2】に関しては、プロジェクトの進め方についての提案だ。

野球型の仕事とは、仕事が終わらなければ、永遠に延長戦が続くような仕事。チームメンバーと勝負がつくまで試合(仕事)をやり続けることが美徳とされていた一昔前までの考え方も、今の風潮の中では少し時代遅れの進め方とも言える。

一方、サッカー型の仕事とは、限りある時間の中で、どう動くかの戦略を立て、その中でスケジュールを組む仕事のやり方。

「90分という時間の中で、前半、後半にどう業務を組み立て、仕事を進めていくか。この考え方をリーダーや上司が持つことで、スケジュールの組み方が変わり、『時間内で終わらせる』という目標のもと、チームメンバー1人1人に工夫の意識が生まれ、業務が効率化してきます」(安藤氏)

最後の【3】は、仕事への取り組み方への提案だ。「70%」とは手を抜いて仕事をする、ということではない。仕事に対しては常に100%で臨むことはもちろんであるが、70%とは、「余裕を持つ」ということだ。

仕事も精神状態も常に一杯いっぱいのまま仕事をしていたら、周りから、「渡した仕事だけでこれ以上頼めない人」というレッテルを貼られてしまい、やってみたい仕事や自分の成長に繋がる仕事へのチャンスを逃してしまうことになる。

「そうならないためにも、受けた仕事は100%で返すという意識を持ちつつ、メンバーの仕事を手伝ったり、自分から率先して別の仕事をやってみたりする余裕を持つことが大切です。周りに配慮しながら仕事を進めることで、逆に自分が業務過多になっている時、もしくは仕事を早く終わらせなければならなくなった時に、周りから協力の手を差し伸べてもらえることになるでしょう」(安藤氏)

「毎日誰と何回コミュニケーションを取ったか」を見える化させる意味

続いて、【4】と【5】についても考えてみよう。【4】と【5】は、米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本に取り入れた石田氏の提言だ。

株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者 石田淳氏
株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者 石田淳氏

石田氏は、日本の大手企業や成長中の中小企業の経営層・リーダーに、組織の在り方について伝える研修を行っており、多くの組織を変えてきた実績がある。そんな石田氏が提唱している「良い組織」とは、メンバーのモチベーションが高い組織だという。

「良い組織」作りのために、石田氏は「褒めて」メンバーのモチベーションを上げ、組織力を高めることの重要性を伝えている。

「一昔前は出世やお金をモチベーションとして、人が動いていました。しかし、今はモノがあふれており、人それぞれ、欲しいもの、満足できるものが異なるため、出世や給与アップをリワード(報酬)としてメンバーを動かすことは難しくなっています。そんな中で、今のビジネスパーソン、特に若手のモチベーションとなるのが、『褒められた』という成功体験なんです」(石田氏)

「褒められる」という経験は、現在のビジネスの場ではそうそうあることではない。「目標を達成した」、「大きな契約がとれた」など、頑張りを労う場合がほとんどであるため、常日頃から褒められて成長してきた、というビジネスパーソンは少ないのではないだろうか。

だからこそ、今のビジネスパーソンは褒める、ということに慣れていない。

しかし、時代が変わってきている今、若い力を活かし、組織力を高めるためには、チームメンバーのモチベーションを上げ、自ら動けるメンバーを育てていく必要がある。そのために必要なことこそ、まさに【5】のコミュニケーション。相手を知り、良い部分を見つけるために会話をすることは、今多くのマネジャーに欠けている動きであると石田氏は語る。

「私のセミナーでは、参加者にいつもメンバーとどのくらいコミュニケーションを取っているか、について実際に回数を出してもらっています。そうすると多くの方がメンバーとほとんどコミュニケーションを取っていないという結果を目の当たりにすることになります。

そのような現状を知った上で、次にコミュニケーションを1.2倍にするように伝えます。ある方は実際にシートを作り、チームのメンバーに『自分の机の上にシートを置いておくから、どのくらいメンバーとコミュニケーションを取っているか、いつでも見てくれ』と伝え、1日に1回以上メンバーとコミュケーションを取るようにしたそうです。そうすると、チーム内のコミュニケーションが活性化し、売上が上がったという事例もあります」(石田氏)

コミュニケーションは、自分では取っていると思っていても、実際チームのメンバーは全然話す時間がない、話しかけづらい、と考えている場合が多い。このような状況を打破するために、まずは自分が1日どのくらいメンバーとコミュニケーションを取っているのか、測ってみることから始めてみてはいかがだろうか。

タイムマネジメント=ライフデザインになる

上記5つの提言により、自分のワークスタイルを変えるためには、自分1人で努力するより、周りに働きかけて、みんなで仕事の効率を上げていくことが重要だと分かる。

今、短時間で仕事を終わらせ、自分の好きなことにも注力したいと考えているならば、まずは自分を変える必要がある。「働き方は心の習慣」と安藤氏が語る通り、強い意思を持って周りに働きかけていかなければ、周りは動かず、結果働き方が変わることはない。

時間をメイクするのは自分だ。限られた時間の中でどう動き、周りをどう動かしていくか、を意識することが、ワークライフバランスを実現するための第一歩だ。

取材・文・撮影/小林由乃

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