Vol.475

「全ての情熱を1社に注げ」大手コンサルからベンチャーに転職した男が語る、新規開拓営業の極意

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「大手企業で知名度の高い商材を扱いたい」
「会社の規模が小さいと、商品も無名で売れないのでは?」

営業マンの中には、会社の大小や商材知名度の有無を気にする人も多い。だが、今や大手企業であっても安泰とは言えない時代。営業マンにとって、本当のやりがいとはどこにあるのだろうか。

大手コンサル企業である船井総研から、社員数たった数名のベンチャー企業の営業マンに転職し、数々の新市場を開拓してきた株式会社メドレーの藤田健太氏から「会社の知名度や規模に頼らない」営業のやりがいを聞いた。

 株式会社メドレー CLINICS事業部 セールスグループ マネジャー 藤田健太氏

株式会社メドレー CLINICS事業部 セールスグループ マネジャー 藤田健太氏

1985年生まれ。大学卒業後、2010年4月に船井総合研究所に新卒入社。11年12月にベンチャー企業のビズリーチに転職、13年8月に弁護士ドットコムに移り新規事業の立ち上げ営業を手掛ける。16年7月、メドレーに転職し同社の新規事業であるオンライン診療アプリ『CLINICS(クリニクス)』」のセールスグループでマネジャーを務めている

名刺を出しても誰にもわかってもらえない。だから自分の力が問われる

現在はメドレーでオンライン診療アプリ『CLINICS』のセールスグループを率いる藤田氏のキャリアは、大手コンサルティング企業である船井総研への新卒入社から始まる。就職氷河期と言われていた時代だが、大手企業に内定を獲得したことで周囲の喜びも大きかったという。

「船井総研への入社後は、先輩コンサルタントをサポートする立場で物流、住宅・不動産、士業、広告と4つの分野・業界を一通り経験しました。でも3年後、5年後の自分を考えた時に、本当にこのままコンサルタントになるのが正解なのか、とふと疑問に感じたんです」

新卒で入社して間もなく2年。出会ったキャリアコンサルタントとこれまでの経験や今後目指すべきキャリアについて深堀りしたことも転機になり、当時はわずか数人規模のビズリーチへ転職。新規事業の立ち上げにともなう営業としてのキャリアをスタートする。

藤田健太氏

「ビズリーチでの新規開拓営業を手掛けるオファーを受けて、とりあえず話してみようということで創業社長の南壮一郎さんに会ったんです。それがもう衝撃的で。それまで船井総研にいて、仕事を通して出会う人たちとは全く人種の違う人に会ったという印象でした。まだ世の中にないサービスを広めたいという熱い思いにすっかり魅了され、自分もこんな環境に身を置いて力試しをしてみたいと思いましたね」

藤田氏が転職した当時、ビズリーチはまだ20名程度の組織。転職直後の年収は半分以下になり、名刺を出しても誰にも分かってもらえない。しかし藤田氏は、そんなベンチャー企業の“壁”を打ち破り、新市場を次々に開拓するトップ営業マンへと成長した。

「そんなことまでやってくれるのか」無名商品はクライアントの心を動かさなければ売れない

“知名度のないベンチャー企業”と聞いて営業マンの多くが入社を躊躇しがちなのは、その「商材」も「マーケット」もまだ誰も手掛けたことがないからだろう。新しいモノ、新しい相手は、営業マンでなくても苦手に感じるものだ。だが、そんな環境で藤田氏が高い成果を挙げてこられたのは、営業マンとしての「基本姿勢」を徹底して守り抜いてきたからだ。

「営業の基本は『顧客の声を聞くこと』と言われますが、現場ではそこまで耳を傾けていないことに気付きました。お客さまは、聞いたことのない商品の価値を理解するまでの工程すら面倒なんですよ。それでも営業マンは必死に説明をして、空回りしてしまう人が多い。どんな工夫をすれば顧客が自社の商品やサービスを気にかけてくれるようになるか。とにかくそれだけを考えて実現していきました」

新規開拓営業といえども魔法のようなノウハウはなく、基本的な「正攻法」が大事なのだという。

「例えば私の場合、企業の担当者が作業しなければならない仕事も全て引き受けて、『私がやっておきますから、あなたは何もしなくて大丈夫』というフェーズまで持っていきます。そこまで手厚く対応すれば、『そんなことまでやってくれるのか』と担当者の心を動かすことができます。自分が代わりに対応してみることで、顧客側の視点でサービスの改善点に気付き、解決していくこともできる。こうして商品の活用環境を万全に整えることで、お客様も徐々に商品自体の価値を理解してくれて、長期的に利用いただけるようにもなります」

こうして藤田氏は、短期間のうちに毎月トップの成績を残す存在になった。しかし営業マンがお客さまの仕事を何でも引き受けていたら、そのうち限界がきてしまうのではないか。その秘訣を藤田氏は「実はその方法を取るのは、たった1社だけでいいんです」と話す。

「契約を目指す相手=ターゲットが何社かあったとして、その分野や業界には必ず『イノベーター』が存在します。まずそのイノベーターにアプローチして、商品の価値と会社のビジョンに共感してもらい、契約をとる。全ての情熱をその1社だけに注ぐくらい、とにかく手厚く丁寧に対応して、成功事例をつくるんです。そうすれば『〇〇社導入実績』という武器が完成する。この武器と、イノベーター企業のリアルな声を持って入れば、競合他社・同業他社にぐっと展開しやすくなります」

まずは全力でイノベーター企業に挑む。それこそが、藤田氏がベンチャー企業で学んだ営業ノウハウだ。この手法でさまざまな業界を開拓した藤田氏は、ベンチャー営業にさらなるやりがいと醍醐味を求め、その後は弁護士ドットコムなど2社を経て、現職のメドレーに至る。「新規事業の立ち上げ営業といえば藤田だ」と言われる地位を築いていった。

ベンチャー営業の醍醐味は、自分の成果が社会貢献につながっていくこと

藤田氏の野心的な挑戦を支えた原動力とは何だったのか。自身はそれを「周囲にいる多彩な能力を持った人たちの存在」だと話す。

「どのベンチャー企業に行っても、志の高い優秀な人物が集まっていることが多かった。すごい人たちが同じチームにいることが刺激的ですし、ライバルのような存在でした。営業は組織よりも個人が重視されているような風潮もありますが、私はそうではないと思います。仕事で悩んだ時、落ち込んだ時、一人では立ち直るのにも時間が掛かるし、モチベーションの維持だって難しい。知名度がなくたって自分自身が“絶対だ”と思う商材と、その価値観を共有できる仲間がいることは大事ですね」

藤田健太氏

自分が自信を持って人にすすめたいと思える商材と、優秀で志高い仲間。それらが揃っていない職場で働いている営業マンには「自分の環境を変えて、もっと営業の醍醐味を感じてほしい」と話す。

「自分が結果を出すことが、広く世の中に貢献しているという実感ほど営業マンにとって幸せなことはありません。思うような結果が出ないと、商材や会社が悪いと批判する営業マンがいますが、僕に言わせれば『心から売りたいと思える商材や会社に転職するのも一つの手だ』と思います」

現在、藤田氏はメドレーで、スマートフォンやPCのビデオチャットで医師の診療を受けられる“オンライン診療”という新しい診療スタイルを実現するサービスを医療機関に広めている。入社前に、社長からオンライン診療が世の中を大きく変える可能性を熱弁され、その革新性に魅了されて入社を決めた。現在では、市場で圧倒的なシェアを誇るまでに成長しているという。

まだ誰も手掛けていない「商材」と「マーケット」だからこそ、チャレンジする価値がある。どんな企業で働くかより、自分の仕事に誇りを持てるか。そんな視点で仕事を選んでみるのもいいだろう。

文/浦野孝嗣 取材・撮影/大室倫子(編集部)

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