スキルアップ Vol.103

歌舞伎町のスカウトマンが教える“人間観察力”【連載:シネマセラピー】

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映画ソムリエ 東 紗友美1986年6月1日生まれのA型。あだ名は“ガシヒー”。広告代理店勤務の後、フリーランスの映画コメンテーターへ転身。年間400本以上の作品を鑑賞し、映画関連のテレビ番組に出演する一方で、新聞や雑誌、Webなどへの執筆も行う。また、映画公開イベントのMCとしても活動し、映画業界を盛り上げるため多方面で活躍中。『ヒガシアター。』: http://higashisayumi.net/

今月の相談

僕は飛び込みの営業を行っているにも関わらず人見知りをしてしまい、初対面のお客さんと関係を構築するまでに時間がかかります。とはいえ、商談時間は無限じゃないし、できるだけ早くお客さんと打ち解けたいのですが、そんなアイスブレイク術を学べる映画なんてありますか?
(20代/不動産営業)

今月のお悩みにピッタリなのはこの1本!
『新宿スワン』

新宿スワン

©2015「新宿スワン」製作委員会

こんにちは、映画ソムリエの東 紗友美です。
私もそのお悩み、激しく共感します! 得意先と過ごす時間って本当にあっという間ですよね。
夢中になって話していて、ふと腕時計を見るともうこんな時間……、なんて驚くこともしばしば。
早く仲良くなれる程、仕事のチャンスも増えるのでアイスブレイクの技を知っているか知らないかって案外重要なんですよねー。

クライアントと早く仲良くなりたい!
そんな方にオススメするのは豪華な俳優陣でも話題の『新宿スワン』です。

2015年5月30日公開の作品で、監督は日本が誇る鬼才・園 子温。
金ナシ仕事ナシの主人公・白鳥龍彦(綾野 剛)が、新宿・歌舞伎町を舞台に、女性たちに水商売を紹介するスカウトマンとして、スカウトビジネスの頂点へ上り詰めようとする男のロマンを描いた物語です。

原作は、連載8年の人気漫画でコミックも38巻まで発売され、その面白さは保証済み!

「歌舞伎町のスカウトマンが営業職と関係あるの?」と、裏社会が舞台のため驚かれる方もいるかもしれませんが、本作にはクライアントとの距離を縮める会話術を学ぶにあたって、参考になるヒントが隠されているんです。

例えば、足早に街を歩く無数の女の子たちに話を聞いてもらえるチャンスはたった一度ですよね。当然、そのチャンスをつかむためには最初の一言が重要です。

そこで先輩スカウト(伊勢谷 友介)が龍彦に、声を掛ける際は相手を観察してから行うようにと教えるのですが、その観察方法には脱帽します。
歩いている女の子の、服装・歩き方、その人から醸し出す全体的な雰囲気を分析してから声を掛けるのですが、なんと分析方法によっては出身地までも見分けられるんです!
ちなみにその方法は……、映画を観てのお楽しみ!

相談者さんもきっと“相手をよく観察する”ことで、お客さんと打ち解ける時間が短くなるのではないでしょうか。
また、50人以上声をかけて“成果が0”と落ち込む龍彦に、「断られるのが仕事なのだからすぐに諦めてはいけない」と励ます先輩の台詞には、私も営業時代に新規のアポイントメントにひたすら苦戦した日々を思い出しました。初心忘れるべからずですね!

ココにも注目!
「龍彦の仕事のポリシー」

新宿スワン

©2015「新宿スワン」製作委員会

本作では、商業施設と飲食店が密集する静岡県浜松市の駅周辺を、新宿歌舞伎町の通りに見立てて作りあげた、圧巻のセットにも注目です!

また、作中には仕事をするにあたって大切なメッセージも込められています!
“どんな仕事も誰かを幸せにするためのもの”これが龍彦の仕事のポリシー。この揺るぎない信念を胸に毎日街へと繰り出す彼に、周りの人間もどんどん動かされていきます。

その姿からは、“どんな仕事でも哲学を持っている人って魅力的なんだ”ということを学べますし、底辺から自分の力でのし上がっていく物語は、明日の仕事へのパワーもチャージしてくれるかもしれません。

お悩み解決のために、週末は映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか?
それでは、「お客さんとの会話が弾む方法」の処方箋として、『新宿スワン』をオススメしておきますね! お悩み、早く解決しますように!

【今月の1本】

新宿スワン

『新宿スワン』
監督:園 子温
出演:綾野 剛、山田 孝之、沢尻 エリカ、伊勢谷 友介 ほか
制作年/国:2015年/日本
公開日:2015年5月30日(土)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
クレジット:©2015「新宿スワン」製作委員会
URL:http://shinjuku-swan.jp/


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