転職 Vol.352

エンジニアのキャリア形成にも寄与するSkyの「つぶやき」コミュニケーション

会社としての生産を上げるため、属人化しがちなナレッジを共有するために、カギを握るのが社内のコミュニケーション。自然と活発なやり取りがわき起こるためには、どんなツールを選び、どんな運用をするのが良いのか。

多くの企業やそこで働くエンジニアが頭を悩ませているこうした問題への一つの回答として、Sky株式会社の取り組みを紹介したい。

Sky株式会社・ICTソリューション事業部の佐藤健太氏(右)と田中伸一氏(ともに仮名)

Sky株式会社・ICTソリューション事業部の佐藤健太氏(右)と田中伸一氏(ともに仮名)

Skyは業務系システムや自動車、デジタル複合機などの組込み系システムの開発で成長してきた企業。現在は、教育分野のICT活用支援ソフトウエア『SKYMENU』シリーズや、情報セキュリティ市場向けの『SKY SEA Client View』など、自社パッケージ製品の開発・販売にも注力している。

全国15の拠点を持ち、パートナー企業を含めると約2000人という大所帯だ。客先常駐するエンジニアは多く、本社で自社製品開発を担うエンジニアにも、非エンジニア職の社員との密なコミュニケーションが求められる。

そこでSkyでは、社員同士を強く結び付けるためにさまざまな社内情報共有ツールを活用している。中でも面白いのが、全社員が「つぶやき」を投稿できる社内Twitter「Skyなう」を使ったコミュニケーション。

部署や役職を超えてリアルタイムで情報をやり取りすることが、業務の生産性向上や社内文化の醸成だけでなく、エンジニア個人のキャリア形成にも大きく寄与しているという。

商談中の「つぶやき」が開発の速度と精度を上げる

「商談中のリアルタイムのつぶやきが、情報共有の精度を上げる」と佐藤氏
「商談中のリアルタイムのつぶやきが、情報共有の精度を上げる」と佐藤氏

佐藤健太氏(仮名)は、現在のSkyの主力商品である『SKY SEA Client View』の開発に、プロジェクト立ち上げ当初から中心で関わってきたエンジニア。

開発部門のトップとなった現在は、クライアント企業を訪問して機能改善やカスタマイズの要望を聞き、現場エンジニアにフィードバックする機会が増えた。

こうしたシチュエーションで、「Skyなう」は威力を発揮する。 「クライアントとのやり取りの最中に、受け取った要望をPCからリアルタイムでtweetします。すると、社内にいる開発メンバーからは、『その要望はこういう理解で合っていますか?』、『そういった内容であれば、この方法でやった方が安く収まりますよ』といった具合に、問い合わせや提案が即座に返って来ます」(佐藤氏)

その場でやり取りすることで、伝言ゲームによって意図が食い違ってしまったり、後から質問し直したりする必要がなくなるため、素早く、高い精度で情報を共有できる。

例えば営業職の社員が商談中につぶやき、開発部門に技術的な問い合わせを行うこともある。電話で問い合わせるには商談を中断しなければならないが、「Skyなう」であれば、会話と並行してスムーズに行うことができるというメリットもある。

重要で緊急を要する案件は見逃されないよう、タグを付けて発信することで、社内で作業中の開発メンバーのPCにポップアップされる仕様にもなっている。

オープンに情報をやり取りする「仮想会議」

田中氏は「常時あふれている情報に触れることが、社内の文化を共有することにもつながる」と指摘する
田中氏は「常時あふれている情報に触れることが、社内の文化を共有することにもつながる」と指摘する

本家のTwitterでイベントや講演の内容を速報的につぶやくというのは一般的になったが、同様にSkyでは、社内の会議の内容を「Skyなう」を使って実況する。

営業部門やシステムサポート部門の社員は外出の機会が多く、出席するはずだった会議に出られないといったケースも多い。

そこで、会議に出席しているメンバーは、会議の内容をタグを付けて発信する。欠席者は後からタグを辿ることで内容を確認することができるし、場合によっては、外出先からリアルタイムにレスポンスを返すこともできる。

決まった曜日・時間に行われる定例会議は、毎回同じタグを使用することで、議題などをあらかじめ共有でき、会議の生産性を上げる効果も期待できるという。

「つぶやき」はオープンなものであるから、社員であれば、会議の出席予定者以外も当然閲覧できる。人事評価や一部の機密情報を除けば、基本は情報をオープンにするというのが、Skyのスタンスだ。

『SKYMENU』シリーズの開発に携わる田中伸一氏(仮名)は、「直接の業務に関係はなくても、あふれている情報に常時触れることが、会社を知ることにつながります。新しく会社に入ってくる人にとっても、それが会社に慣れるための第一歩になっているのではないでしょうか」と、その意図を説明する。

本社とは離れた場所で働く客先常駐のエンジニアは、社内の情報から隔離されていることに不安を抱えていたり、会社への帰属意識を持ちにくかったりといった問題を抱えがちだが、オープンなコミュニケーションは、こういった社員と会社の距離を縮めることにも役立っている。

一つの事業や部門の中で完結する「部分最適」ではなく、会社全体がコラボレーションしながら大きな成長を目指す「全体最適」を大切にする「All Sky」の考え方が、根底にはある。

部署や役職を超えたコミュニケーションがキャリアを開く

多様な職種、役職の人とかかわりながら仕事をすることが、エンジニアの視野を広げ、キャリアを開くことにもつながるという
多様な職種、役職の人とかかわりながら仕事をすることが、エンジニアの視野を広げ、キャリアを開くことにもつながるという

こうしたコミュニケーションがもたらすものは、業務の生産性向上や社内文化の醸成にとどまらない。

業務上は直接的にかかわりはなくても、部署や役職の異なるさまざまな社員の考えに日常的に触れることが、エンジニアの幅を広げることにもなると田中氏は言う。

「客先常駐にしても自社開発にしても、技術者にはどうしてもプログラムを組んで満足する傾向がありますが、それだけではいずれ立ち行かなくなることは目に見えている。技術者も商売人としての意識を持つ必要があると思います」(田中氏)

一開発者からマネジメント職へと立場を移してきた佐藤氏は、自身の経験を通じて、その点を実感するという。

「営業の人は、商品を売るために目玉となる機能の有無を最優先する。システムサポート職の人は、仕様設計段階から完成後のメンテナンス性を強く意識する。Skyの商品開発は技術職だけでなく、さまざまな職種の人とコミュニケ—ションを重ねながら進めていくものです。いろいろな立場の人と交わってきたからこそ、ビジネスに耐え得る商品を、という視点が身に付いた。そのことがマネジメントを行う現在に活きています」(佐藤氏)

エンジニアとはいえ、定年まで実装だけしていればいいケースは稀、と佐藤氏はあらためて強調する。

「いろいろな人の視点に立って、苦手を一つ一つ克服していくことが、歌って踊れるエンジニアになるための道であるといえるのではないでしょうか」(佐藤氏)

取材・文/鈴木陸夫(編集部) 撮影/大島哲二

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