

意欲から育てる“誰でも”採用? 4300人を育てたランスタッドが挑む、本気のエンジニア育成
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「未経験でもやる気があればOK!」「意欲重視のポテンシャル採用」
未経験採用が増えたエンジニア。求人などでよく見かけるキャッチコピーに、背中を押される人は多いだろう。その一方で「やる気」や「意欲」を問われること自体にプレッシャーを感じる人もいるのではないだろうか。
そんな「まだ将来に迷っている」「本当にエンジニアになりたいのかさえわからない」という段階の人材も積極的に採用し、一人前のエンジニアへと育成している会社がある。外資系総合人材サービス企業のランスタッドだ。
同社は2014年から未経験者を対象としたエンジニア研修をスタートし、これまでに4300人を超える人材をIT業界へ送り出してきた。未経験者の採用数は年々拡大し、24年には約1000名もの人材を異業種から受け入れている。
なぜランスタッドは、従来の未経験採用で重要とされてきた「意欲」を条件としないのか。スキルも経験もなく、まだキャリアの方向性も定まらない人たちをどのようにしてエンジニアに育て上げているのか。
人材育成・研修に携わる3名のインタビューから、同社が大切にしている育成哲学と具体的な取り組みに迫った。

ランスタッド株式会社
デジタルタレントソリューション事業本部 エンジニア事業部
事業部長
向 良和さん(写真中央)
2014年、業界に先駆けて未経験者向けのエンジニア育成制度を立ち上げ、研修から実務までを見据えたスキームを設計・運用。以降、事業部の成長とともに制度を進化させ、育成モデルとして多くの企業にも影響を与えてきた。エンジニア事業部の責任者として、17年度の売上48億円を24年度には168億円へと押し上げ、組織と人材の両面から事業拡大を牽引している
デジタルタレントソリューション事業本部 エンジニア事業部
セールスデパートメントマネージャー
橋本健太さん(写真左)
2014年ランスタッド入社。セールスマネジャーとして企業課題をリサーチし、研修や育成制度へフィードバックを行うことで、現場に即した制度づくりに貢献
エンジニア事業部 スタッフリクルーティングデパートメント
デパートメントマネージャー
川畑未夢さん(写真右)
2015年ランスタッド入社。営業を経て、2019年から採用マネジャーへ。母集団形成からプロセス改善まで、年間1,000名の採用を支える体制づくりをリード
意欲が無くたって、動機付けから始めればいい
ーーランスタッドではITに触れたことがない完全未経験者の採用に力を入れているそうですね。しかも、本人の意欲も不問だとか。なぜこのような採用を行なっているのですか?
向:きっかけは、自分の意欲を前面に出せない若者も多いのではないかと気付いたことです。
若い世代の求職者と話すと、「どうすれば自分のやりたいことが見つかるか」「どうすれば社会人として活躍できるのか」といった、キャリアの描き方を教わっていないケースが多く見られます。
また、ひと昔前と比べると、現在は周囲の人たちと仕事やキャリア観について、踏み込んだ会話をする機会も減っていますよね。
その結果、頑張りたいという意欲はあっても、それを表立って口にできなかったり、何を頑張ればいいのか誰にも相談できなかったりするまま、社会に出た人も多いのではないか……そんな実感がありました。
ならばわれわれ人材会社は、IT技術を身に付ける手前の動機付けから行えばいいと考えたのです。

ーー将来を見通せていない方々が意欲を持てるようになるためのサポートからやっていこう、ということですね。
向:その通りです。ただ、私たちは決して「意欲がなくても仕事はできる」と言っているのではありません。周囲が一方的に「やる気を出せ」と求めるのではなく、本人のやる気を周囲がどう引き出すかが重要だと考えているのです。
ーーランスタッドに入社したエンジニアたちが実際に働くのは、クライアントである企業先ですよね。エンジニアを受け入れる側の企業は、やる気とキャリアを併せ持った人材が欲しいのではないでしょうか?
向:一昔前はそうでしたが、最近では企業側の意識も大きく変わりつつあります。背景にあるのは、日本におけるIT人材の不足です。
経済産業省によれば、30年までに最大で79万人のIT人材が不足する可能性があると予想されています。大企業ですらエンジニア採用に苦戦する状況が続き、社内のリソースだけでは手が回らず、ランスタッドのような人材会社を活用するケースが増加しているのです。
中には経験が浅いエンジニアでも対応できる業務も多数あります。そのため、近年は企業も積極的に未経験者を受け入れるようになりました。裏を返せば、これまでエンジニアを目指すことに敷居の高さを感じていた人たちも、チャレンジしやすい環境になっているわけです。
こうしたクライアント側の意識やマインドセットの変化も、私たちがより幅広い層に、エンジニアに挑戦する門戸を開く理由となっています。
目指すのは「スキル“だけ”じゃないエンジニア」の育成
ーーまだキャリアに迷っている人材を採用し、エンジニアとして育成するのは、貴社にとっても本人にとっても、簡単なことではないと思います。どのような育成方針のもとで研修を行っているのですか。
向:私たちが目指すのは、単にスキルを身に付けるのではなく、「社会で活躍できる人材」を育成することです。どうすれば活躍できる人材が育つのかと言えば、やはり自分がやりたいことを見つけて、その動機付けによって主体的にキャリアを形成することが重要になってきます。
私自身も若い頃に経験がありますが、「やらされ感」のある受け身の仕事は意欲が湧かないし、頑張れないので成果も出ない。一方で、自分がやりたいことなら結果が出るまで粘り強く取り組めるし、その過程で必要なスキルもおのずと身に付くはずです。
そこで私たちは「なりたい自分への、挑戦」をテーマに、スキルだけではない人材の育成をコンセプトとした研修や育成制度を構築しています。
ーーそうは言っても、受け入れる企業としては「スキル優先の研修をしてほしい」と思うものでは……?

橋本:私はセールス担当として企業ニーズをお聞きする立場ですが、近年はITスキル以上に、社会人としての基礎的なビジネススキルを重視するお客さまが増えています。報連相ができるとか、ビジネスマナーに則ってメールを作成できるといったことです。
エンジニアの採用が難しくなる中で、お客さまは私たちが派遣した人材も同じ会社の一員として迎え入れ、協業したいと考えています。そのためにはITスキル以前に、まずは社会人としての心構えや振る舞いが備わっていなければなりません。
お客さまからも外部人材との協業について、「スキルは後からでも身に付くが、仕事に対する姿勢や意識までこちらで教育するのは難しい」とのお悩みをよくお聞きします。その点、ランスタッドのエンジニアは社会人としての土台がしっかりできているので、「業務や技術のことを教えれば、すぐにチームの一員として動いてくれるのでありがたい」というお声をいただくことも多いんですよ。
ーー「ITスキルだけではない育成」は企業が望んでいることでもあるのですね。
川畑:その点では、実は異業種での経験がプラスに働くことも少なくありません。ランスタッドのエンジニア事業における採用は、98%がIT未経験者で、うち60%がオフィスワークも初めて。前職は販売や飲食店スタッフ、介護士など、ITとは無縁の業界がほとんどです。

一見するとこれらの職種とITの仕事は全く別の仕事に思えますが、人とコミュニケーションをとったり、現場の状況に応じて物事を調整するスキルは、エンジニアがチームで仕事をする時にも役立ちます。ですから未経験者の方には、異業種の経験があることをむしろメリットと捉えてほしいと話しています。
ーー具体的に、入社後の研修・育成はどのように進めるのですか。
向:未経験からITエンジニアを目指せる当社の研修制度「randstad technologies +(ランテクステージプラス)」では、ITやビジネスマナーをゼロから学習できる「インフラ基礎研修」をはじめ、「インフラ上位研修」「RPA研修」「CAD研修」「Azure研修」など様々な研修を用意しています。今年4月には新たに「Python研修」が加わりました。
未経験で入社した社員は、まず1カ月間の研修を受講します。ビジネスマナー研修に始まり、IT研修で基礎から知識や技術を学び、実践的な課題に取り組む実機研修を経て、配属先での就業がスタートする流れです。
ーーこのプロセスの中で、最初に伺った「動機付け」をしているんですよね?
向:そうです。当社の特徴は、高い専門性を持つスタッフが1つのチームを組んで、未経験者の育成やキャリア支援を行っていること。採用、面接、研修、就業先への配属、キャリアカウンセリングと、それぞれのプロセスにおいてプロフェッショナルがきめ細やかなサポートを行います。中でも動機付けに深く関わるキャリアカウンセリングは、特に注力していることの一つです。
私はよく高校の進路相談に例えるのですが、高校では2年に進級する時に本人のやりたいことを聞いて文系・理系などにクラス分けを行い、2年になると今度は卒業後の進路を想定して学校と生徒が話し合いますよね。それと同じように、ランスタッドの研修でも段階ごとにキャリアカウンセリングの場を設けて、本人の志向や価値観を丁寧にヒアリングしながら、それぞれの「なりたい自分」を明確化できるよう支援しています。
橋本:就業先を決める際はセールス担当が面談しますが、入社前の面接から研修中のキャリアカウンセリングまで全ての情報をチームで一元管理しているので、私たちセールスも本人の志向を理解しています。
それを踏まえて「あなたはこんなキャリアを目指していますね」とか「今はまだ進みたい方向性がはっきりしないんですね」といった確認をしながら、本人の志向とクライアントの依頼をマッチングさせ、できるだけその人に合った就業先を提案するんです。

向:人が仕事に求めるものはさまざまです。「スキルアップしたい」という人だけでなく、「お金を稼ぎたい」「人間関係が良好な職場で働きたい」「ワークライフバランスを重視した働き方がしたい」など、人によって欲求は異なります。それを見極めて、一人一人に寄り添ったキャリア支援をするのがランスタッド流の人材育成です。
ーーIT研修でありながら、キャリア形成についてもこれだけ丁寧にサポートしてもらえるケースは珍しいですね。
向:サポートするのは就業前だけではないですよ。就業後も継続的なサポートを行います。実際に仕事をする中で、志向性が変化したり、新たな悩みや迷いが出てきたりすることもありますから。
まず、就業先にいるエンジニア全員に対し、月に1度、電話で連絡を取る。これは状況確認を目的とし、当社の専門チームがヒアリングを行います。
その中で個別のケアが必要と判断したものは、セールス担当につなぎ、本人からさらに詳しく事情を聞いて対応する。必要であれば配属先を見直したり、スキルアップのために新たな研修を受けたりと、具体的な提案をしながら本人と一緒に将来のキャリアを考えます。この2段構えの仕組みが、人に寄り添ったサポートを継続できる理由です。
ーー経験の浅いエンジニアにとっては心強い限りですが、サポートする側としてはかなりの手間とコストが掛かりますね。
向:一斉送信のメールやアンケートでも状況確認はできますし、そちらの方が確かに効率はいいでしょうね。それでも私たちは電話で接触し、本人の声を聞くことを大切にしたいんです。
その代わり、全員と長時間話し込んでしまったら全国各地に数千人規模で就業するエンジニアたちをフォローできないので、1段階目は状況確認のみに徹する。そして個別対応が必要なケースは2段階目でじっくりケアすることで、全体を最適化しながら一人も取りこぼさない工夫をしています。
エンジニアの採用において、経験者を中心に採用する企業が多いのは事実です。けれども、未経験の方にもチャンスを届けたい。それが私たちの原点です。経験の有無で機会が制限されるのではなく、挑戦したい気持ちを後押しできる社会にしたい。そんな想いから、誰もが最初の一歩を踏み出せる仕組みづくりを続けています。

川畑:他の人材会社では、エンジニア研修の講師を外注するケースも多いのですが、ランスタッドでは自社のエンジニアが講師を務め、研修で使うテキストも一から社内で作成しています。
これもコストがかかる方法ではありますが、研修のカリキュラムや教材を内製すれば、求職者の志向の変化やクライアント企業のニーズにタイムリーに対応できますからね。本当に現場で役立つ内容を研修で伝えることも、未経験者が安心してIT業界に挑戦できる体制づくりにつながっています。
橋本:RPAやPythonなどさまざまなカリキュラムを用意しているのも、お客さまのニーズに応え、社会で活躍できる人材を育成するためです。これは専門性を突き詰めるための研修というより、幅広い技術や考え方に触れ、エンジニアとしての汎用性や柔軟性を養ってもらうことを目的としています。
どの企業の仕事も、毎日同じことの繰り返しではなく、状況によって日々変化します。そのため「私はこれしかやりません」という人材より、求められることに柔軟かつ前向きに取り組んでくれる人材が重宝されます。
このような背景から、研修制度もあえて専門性より汎用性を重視して設計しているんです。
向:私たちのミッションは社会で活躍できる人材を送り出すことであり、研修はあくまで手段です。研修にお客さまのニーズを反映すれば、就業後もクライアントの期待に応えられるし、お客さまから高く評価されるエンジニアになれます。
そうすると将来に迷っていた人も自信がつき、主体的にキャリアを描くようになって、社会で活躍できる人材へと成長していく。そんなケースを私も数多く見てきましたよ。
活躍できる人材になる可能性は、誰にでもある
ーーこれまで多くの未経験人材と向き合ってきた皆さんから、「やりたいことが見つからない」という人にアドバイスをいただけますか?
川畑:「やりたいことが決まっていない」というのは、見方を変えれば無限の可能性があるということです。私たちは人材会社だからこそ、多種多様な就業先を紹介できますし、十人十色のキャリアを描けます。「やりたいことが見つからない」という人こそ、私たちに相談していただけたらうれしいですね。
橋本:ランスタッドの取引先は大企業や有名企業が多く、就業先ではビジネスやITの最前線で活躍する人たちと同じチームで働くことができます。そこから得られるものや学べることは多いので、ぜひ当社の育成制度を利用して、絶好の環境でエンジニアとしての第一歩を踏み出してもらいたいと思います。

向:他にも未経験からの育成をうたっている人材会社はありますが、ほとんどがITスキル重視の研修で、徹底して「人」に寄り添うことをコンセプトとしているのは、私が知る限りランスタッドだけです。
誤解を恐れずに言えば、私たちは「誰でもいい」というスタンスで幅広く人材を受け入れています。これは決してネガティブな意味ではなく、「誰にでも可能性がある」という非常にポジティブな意味です。
どんな人にも、社会で活躍できる人材になれるだけのポテンシャルがある。私たちはその信念のもと、これからも一人一人の「なりたい自分」の実現を応援していきます。
>>ランスタッド株式会社の中途採用情報はこちら
取材・文/塚田有香 撮影/桑原美樹 編集/秋元 祐香里・今中康達(ともに編集部)
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