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[チームラボ11th Anniv.企画④ 後編] 永嶋氏「”自ら作る”、”きちんと作る”、”自分の色を出す”。3つの要素すべてを実現できる人になる選択を」

公開

 

―― 具体的には、どんな気持ちになったんでしょう?

まず最初は「何かカッコイイな。こういうのが作れたらいいな」という印象を強烈に受けました。その時に、自分は目の前の仕事と真剣に向き合ってはいたけど、自分を作り手として成長させる努力をサボっていたんじゃないか、と気付いたんです。

―― そのタイミングでチームラボへの転職に動き始めても不思議ではないんですが、そうしませんでしたよね?

実はその時、「自分がまだ転職の土俵に上がっていない」と感じたんですよね。そして、先ほども話した刺激というのが、「自分もあんなカッコイイモノを作りたい」というものでした。その出来事がきっかけになり、ちょうどiPhoneアプリのブームが始まっていた時期でもあったので、カメラアプリやユーティリティツールのアプリなどを自作するようになりました。おかげで自分の今の実力を見つめ直し、前向きに動いていく習慣みたいなものが始まった気がします。

この連載に登場する皆さんに共通している点だと思います。転職、つまり場や環境を変えることで成長しようとするのではなく、まず自分を見つめて、自分を変えることから着手する。「作る」ことをビジョンにしていたのに、そこを忘れていたことに気付き、まずは仕事とは別の「作る」行動を起こしていた。それによって、永嶋さんは転職前に大切なことに気付いていきます。

やはり、自分としっかり向き合う事ができる人には、自然と転機を生み出せる(思い込める)という良い例だと思います。

目先の面白さより、先を見据えて道を選択する

―― アプリを作ったことによる成果というか、そういうものはありましたか?

当たり前なんですが、「やっぱり作るのって面白い」ということを思い出しました。それがきっかけで、勉強会とかにも積極的に参加するようにもなりました。次第に、勉強会などでチームラボの社員さんお会いする機会も増え、どんな会社なのかいろいろ教えてもらいましたね。

―― どんなことを教えてもらったんですか?

会社の雰囲気やチーム作りの話を聞くと、アウトプットほどにはイケイケな人たちではなく(笑)、チームを大切にしながら結構まじめに考えて作っているということを教えてもらいました。そこで、自分の中で一気にチームラボとの距離が近付いた気がします(笑)。

―― では、チームラボが「堅実な開発をする」という点に共感し、それから転職を志したということですね?

永嶋氏は、新しい刺激を受けた時に、自分がまずやるべきことを自然と選択していた

永嶋氏は、新しい刺激を受けた時に、自分がまずやるべきことを自然と選択していた

実は違うんです。iPhoneアプリを自作したことで、一つの気付きを得ていました。SIの仕事では、ほぼすべての問題解決をサーバサイドで行うのが当たり前でした。ところがアプリの領域だと、ナローバンドの回線を前提にしているので、むしろクライアントサイドで問題解決をしていくようにしなければいけない。

同じITサービスでも、局面が変われば問題解決の常識まで変わる、ということが分かって、すごく面白く感じたんです。それが前職の仕事にも活きていくようになったんです。

―― それはつまり、どういう面で活きてきたんでしょう?

わたしの場合、多くの仕事でJava を使っていますが、iPhoneだとObjective-Cですよね。で、当時の現場にはCOBOL世代もいれば、デジタルネイティブ世代もいる。「技術」というのは世代やバックボーン、そして使う局面によっても全然違う。わたし自身がいろいろな経験でいろいろな技術を知れば、あらゆる世代の人と共通の理解をしていくことが可能だと分かったんです。つまり、コミュニケーションスキルとかの問題も、技術面で広がりを持っていけば、解決できたりする。そういう面白さに気付いたんです。

―― 魅力的な会社にも出合ったけれど、現職も面白くなってきた、というわけですね?では、最終的に転職を決断した決め手は何だったんでしょう?

成長のスピードを考えて、自分はラボのスピード感が合っていると思い、一緒に成長できそうだと感じた点です。そう考えたら、いても立ってもいられなくなって、取締役の田村(哲也氏)のTwitterに「エンジニア募集、していませんか?」といきなりメッセージを送りました。前職が面白くなってきたこともあって、いざ転職する時には悩みましたけど、仕事の幅が広がって、今は後悔していないですね。

―― 入社して気付いた面白さ、というのがあれば教えてください

当たり前の話ですが、お客さまには要望があり、解決したい問題があって、それをシステムで解決する。この姿勢がみんな徹底していることに驚きました。この姿勢自体は、良い意味で前職と変わらないですね。思い付きだけでアートっぽく作る会社だったら、わたしは今のように充実してなかったと思います。

そして、良い意味で前職と違うのは、「きちんと作る」ことを進めながら、その中に「自分の色」というか「自分なりのアイデア」などを提案していける点。両方の要素が備わっているからこそ、面白いものが作れる。そう確信しています。

例えば、サイト構築をしていく時に、前職のような発想だと「クリックしたら画面が変わるまで3秒かかる」なら、「どうすれば1秒にできるか」が唯一の問題解決でした。BtoBならそうかもしれない。けれども、チームラボではBtoC やBtoBtoCのプロジェクトが多い。ケース・バイ・ケースではありますが、時には「無味乾燥な1秒にするくらいなら、3秒かかるままでいいから、その3秒の間にちょっと楽しいイベントが起きるようにして……」みたいな発想もアリなんです。きちんと問題解決を考えていく過程で、こういう面白さも追求できる。そこが独自の醍醐味だと思います。

―― 最後に、今後はどんな方と一緒に働きたいですか?

ずっと個人で開発してきた方もすごいとは思いますが、「みんなで一つのモノを作る」ことに意義を感じられる方と一緒に働きたいですね。その点で、SIerで開発プロジェクトに携わってきた方は、その経験を活かせると思いますよ。

―― お忙しい中、お話ありがとうございました。

チームラボが、実は「きちんと真面目に作る」ことの重要性を知っていて「顧客の問題を解決する」ことの責任も知っている集団だと分かったからこそ、永嶋さんは転職を決意しています。

もちろん前職になかったものもここにはある。それも理解できている。だからこそ、すべての経験を総動員して有効活用できているのだと思います。ここは社会人になってからの経験による成長の証でしょう。後天的に仕事で身に付いた価値観も、進化には重要な要素の一つです。

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文/森川直樹 写真/小林 正

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