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[対談:ひがやすを×バスキュール号 2/2] オペレーターに成り下がらないために。技術屋は”異文化交流”を

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田中 最終的なゴールのイメージが完ぺきに分かった上で開発に臨むんじゃなく、やりながら落としどころを探していけるエンジニアは、とても価値があるんです。結局のところ、Webサービスはスタートしてみないと分からない部分が非常に多いですから。

ひが 企画、開発、運用それぞれの視点でサービスを考えながら、そのサイクルをぐるぐる回し続けるというか。そうやって動くのが、まさにアジャイルなんだと思います。まず作ってみる。実際に触って考える。そうして問題点を解決する。

田中 そうなんですよ。だからこそ、企画の面白さを一緒に考えてくれるエンジニアにそばにいてほしいと考えましたし、古川のような存在をわたしたちはもっともっと増やしていきたいんですよ。

企画者に「近づく」、「口を出す」、「興味を持つ」から始めてみる

―― 盛り上がっているお話に水を差すようで恐縮ですが、それをエンジニアがすべて一人でこなすのは、現実的に考えて難しい気がするのですが……。

ひが そういうエンジニアが少ないからこそ、価値が出るんですよ。誰でもできそうなことをやっていては、良い給料なんてもらえない。

―― 厳しいご指摘ですね。

ひが 田中さんが言っていたように、サービスは作ってみないと反響が分からない部分も大きい。だから、コアになるコンセプトを作るフェーズからエンジニアがかかわっていかないと、さっき僕が言った一連のサイクルには付いていけなくなる。

田中 まぁでも、企画から開発まで本当に一人で全部やり切るのは、やっぱり難しいとは思いますよ。それができれば、皆がマーク・ザッカーバーグみたいになれるわけで(笑)。

ひが だからこそ価値があるんだけどな。でも、最初は、サービス企画をやっていくのが苦手だという人は、当然いると思います。そういう場合でも、「企画をやってる人の近くにいるようにする」、「企画に口を出してみる」、「企画に興味を持つ」の3つを意識してやってみるとだんだん企画できるようになると思います。

―― ひがさんも最近、あるクリエイティブ集団と一緒にお仕事をしていらっしゃるんでしたよね?

ひが ええ、彼らから学ぶこと、気付かされることって多いんですよ。

「いったん考えを吐き出してもらう我慢が大切」(古川氏)「流れを止めない人って心強い」(田中氏)

「いったん考えを吐き出してもらう我慢が大切」(古川氏)「流れを止めないエンジニアは心強い」(田中氏)

古川 それは僕も今まさに実感しています。さっきお話したラジオ連動企画の時なんかも、最初に企画の相談をされた時は、エンジニアとして「それ、無理ムリ!」と思うわけです。でも、そこでグッとこらえて、ひとまず企画サイドの話をいったん全部吐き出してもらうようにすると、次第に解決の糸口が見えてくるものです。

田中 流れを止めないって大事だよね。それに、サービスでもゲームでもそうだけど、企画の細かな部分を最後にギュッと詰める時が一番重要で。そこでこそ、エンジニアの存在価値が発揮されるものだから。

ひが そういう意味では、エンジニアはそこでどんどんプロトタイプを作ればいいと思うんですよ。実際にモノがあれば、面白いか面白くないかが分かりやすくなるわけだし、もしダメなら捨てれば良い。

古川 捨てる勇気、確かに大切です。

ひが それと最近、今まで一緒に働いたことのなかった職種の人たちと仕事をするようになって、面白いか・面白くないかを正直に言い合うのはものすごく大事なことだなぁ、と思っています。

古川 まさにそれが、「企画づくり」に積極的に参加する、最もシンプルなやり方ですしね。

ひが氏が『ブラウザ三国志』を1年やり続けて分かったこと 

―― では、そういう感性というか、共感力といったものを、どうすれば手に入れられるんでしょうか?

ひが氏が2010年からほぼ1年中やり続けてきたというオンラインゲーム『ブラウザ三国志』。その理由は?

ひが氏が2010年からほぼ1年中やり続けてきたというオンラインゲーム『ブラウザ三国志』。その理由は?

ひが 僕の場合、今日お話したようなことを2010年くらいから考えていて。「まずはゲームアプリでも企画してみようか」と思って、1年間ずっと『ブラウザ三国志』をやり続けました。

古川 えーっ、1年間ずっとですか?

ひが そう、毎日。仕事中もやってました。『ブラ三』やることが仕事でしたね。夜は10時から12時過ぎまで家でチャットですよ。ちょっとのめり込み過ぎて、奥さんの機嫌が悪くなり始めたのでやめたのですが(笑)、そのくらい本気でやってみないと、面白さを理解できないと思ったから。

田中 誰かのレビュー記事を読んでいても、どこが本当に面白いのかは分かりませんからね。

古川 「仕事だから」と思ってやっていると、結局楽しいサービスって作れないってことですよね。

田中 サービスに魂を入れるには、まず「魂を知る」必要があるわけで。

ひが ただね、さっきの僕の話にはまだ続きがあって。何か面白いゲームアプリを企画してみようと『ブラ三』を1年間もやり続けたのに、その後自分で「本当に面白いな」と思えるアプリが作れなかったんです。

田中 そうなんですね。

ひが で、今、クリエイティブ畑の人たちと一緒に働いてみると、『ブラ三』をやり続けていた時よりも、発想だったりサービスの切り口みたいなものがどんどん浮かんでくる。そこで分かったのは、一人でガムシャラに勉強するのも大事だけど、本当にクリエイティブな人たちと一緒に仕事をしている方が、学習スピードも格段に速いってことなんです。

「自分と違う人たち」の輪に飛び込むと、思わぬ能力が際立つ

―― つまり、エンジニアが企画力を身に付ける最も効果的な方法は、自分でいろんなサービスを試しつつ、企画力に長けた人たちと一緒に働ける環境に身を置くことだと?

「閉じた世界」でスキルアップに向けて頑張っても、その効果はそれほど見込めないと、3人の意見が一致

「閉じた世界」で一人スキルアップに励んでも、その効果はそれほど見込めないと、3人の意見が一致

ひが そういうことになると思います。これは企画力に限った話じゃなくって、例えばオープンソースの世界でその道の専門家たちと一緒に開発していくことで、技術力も上がっていくでしょ。

田中 要は、それと同じだと?

ひが そう。「わたしはプログラマーだから」という自分の殻に閉じこもったままでいると、これからは一介のオペレーターに成り下がっていく一方ですよ。

古川 僕も、バスキュール号に入社してから、同じような感覚がありますね。それに、ある分野では「とっくの昔に解決していること」が、違う分野では全然解決できていなかったりするものですよね? 「企画」と「開発」も、似たようなところがあると思うんです。

田中 というと?

古川 僕は学生時代に原子力工学を学んで、その後に外資系メーカーでマーケティングをやる時期があったりと、プログラミング以外の仕事や経験もそれなりに積んできました。そこで知ったのが今話したようなことで、自分とは異質な環境に入っていくと、自分の思わぬ能力が際立ったりするんだと。

ひが 田中さんがさっき「サービス企画の細かな部分をギュッと詰める時にこそエンジニアの価値が発揮される」と言っていたけど、これも近い部分があるよね。

田中 やはり、実際にどう動くか、使ってみた感じがどうなるのかというサービスの肝になる部分を決めるのは、技術力の有無ですから。

古川 僕は過去にそういう経験があったから、バスキュール号に転職して企画から携わるようになっても、比較的スムーズに適応できたんだと思っています。

ひが じゃあ今日の話の結論はこうだね。まずは企画をやってる人たちと積極的に交わることが、企画のできる技術屋になるための第一歩。UIやUXについても同じで、「それはデザイナーが決めることで……」とか言ってないで、どんどんお互い交流しなきゃ、ということです。

―― うまく締めていただき、ありがとうございます! 今日はお忙しい中で貴重なお話をありがとうございました。

※当記事でバスキュール号が気になった方は、中途採用情報ページもぜひご覧ください。
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取材・文/森川直樹 撮影/小林 正

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