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[特集:脱・リーマンエンジニアに必要な4つの習慣 3/3] すごいエンジニアほど、技術以外の話をする

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習慣④技術・立場・組織へのこだわりは「断捨離」する

「脱・リーマン」に必要な習慣、4つ目は、「こだわりの断捨離」だ。技術で食っていくエンジニアたちの意見としては、意外とも言えるこの習慣。なぜこだわりを持つべきではないのか。

"僕が勉強会に参加するのは、そこに集まる人たちから、
僕の知らない新しい話題を吸収したいからなんです。
だから極端な話、Androidの勉強会では、
Android以外の話を聞きたい。
技術者から、技術以外の話が聞きたいんです(笑)。

話していて「すごいなー、面白いなー」
と思えるエンジニアの人は、例外なくみんな、
いろんな分野を横断的に学んでいる人なんですよね。
それはGoogle API Expertも例外ではありません。
特定の分野だけしか詳しくないという人はいないです。

一つの技術を追い求めるのはすばらしいことですが、
あまりにこだわりすぎるのは良くない。
キャリア的に考えても、「これしかできません」
っていうエンジニアはリスクが高いですよね。
守備範囲などは決めず、
興味があるもの・求められるものを貪欲に吸収することが、
結果的に技術者としての"幅"を広げるんだと思います"

(安生氏)

荻野氏も、立場や分野に対するこだわりは、驚くほど薄い。

"僕の長期的な目標は、自分を含めてエンジニアがより良く働ける、
パラダイスのような組織や仕組みを作ることなんです。

それが実現できるなら、僕自身が経営者として参加しようが、
プログラマーとして参加しようが、あまり問題ではないですね。

技術に関しても、必要であれば必要な技術を身に付けます。
「これが専門だ」といった類のこだわりは特にありません。
それより、自分がいかに全力を尽くせるか、
成果をどこまで大きくできるかという点の方が、ずっと重要です"

(荻野氏)

つまり、こだわりを持つべきは「やりたいこと」に対してであり、それを実現するためであれば、使う技術や立場に対するこだわりはないというのだ。同様の「こだわりのなさ」は、小山氏にも見られた。

"僕は「組織への依存心」がありません。
とはいえ、最初からこうだった訳ではなく、
 「会社を辞めてやっていけるのか!?」とか、
昔はそれなりに組織の一員から離れることに対し、
不安感は持っていました。

変わったのは、三社目の会社を辞めて
友人たちと設立した会社(ビート・クラフト)を辞め、
他社に転職することにした時です。
この時初めて、それまで担当していた企業に
自分が会社を辞めることを伝えた上で、
「今後も自分に担当してほしいか、それとも
ビート・クラフトの別の社員に引き継いでほしいか」をたずねました。
それで自分を選んでもらえたことが、
「あ、別に組織にいなくてもいいかも」と思うようになったきっかけです。

その後、転職した会社をまた辞め、現在に至るわけですが、
おかげさまでその時に僕を選んでくれた企業さんとは、
今でもお付き合いをしています(編集部注:記事冒頭のエピソード)"

(小山氏)

取材対象者の4名の話から、ここまで「脱・リーマンエンジニア」に必要な4つの習慣について解き明かしてきた。最後はそれらを実践することで得られる理想のエンジニアの働き方について、安生氏の言葉で締めくくろう。

"アーティストやタレントってみんな、
マネジメント事務所に所属しているじゃないですか。
ああいう働き方って、案外エンジニアにぴったりなんじゃないかと思います。
つまり、仕事は個人の名前で得るけど、
それに沿った適切な職場は、所属する事務所のエージェントが提供してくれる、
っていう感じ。
それが実現すれば、「リーマンエンジニア」なんて概念は、
過去の遺物になるでしょうね"

(安生氏)

取材・文/桜井 祐(編集部)

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