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[チームラボ11th Anniv.企画②] まじめ、ときどき、厨二病。プロジェクトを成功へ導く「少年ジャンプ的」開発チームの作り方

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最近、IT業界、特にベンチャー界隈で「『ワンピース』のルフィ海賊団のようなチームが成功する」と言われることが増えている。つまるところ、それぞれの個性を活かし、足りない部分をほかのメンバーが補いながら目的を達成していくというチームのことである。

実は、チームラボでも、このワンピース的な開発チームの編成を行っているという。

彼らがクリエイティブなプロダクトを次々と世の中に生み出している秘訣に、もしかするとこの「ワンピース的組織づくり」が関係しているのかもしれない。そこで、同社プロジェクトマネジャー(以下、PM)の石田武士氏と加藤研氏から、その組織づくりの裏側を教えてもらった。

チームラボの開発プロジェクトは、「柔らかくて早い」

プロジェクトメンバーを決める時は、まずは開発担当の役員や、僕らのようなPMが何人か集まってきて、『この案件どうする?』という話し合いをするという。

「ウチの開発チームは、プロジェクトによってまったく色が変わる。その組み合わせは面白い」と話す石田氏

「ウチの開発チームは、プロジェクトによってまったく色が変わる。その組み合わせは面白い」と話す石田氏

「エンジニアからも『このプロジェクトがやりたい』という希望は出ます。それも大きな要素ですが、それだけでは偏りが出てしまうので、PM同士の話し合いの中で、『今回のこれは●●がやったら面白いものになるのでは』とか、『そろそろ■■がこれをやってもいいでしょ』という風になることが多いですね」(石田氏)

では、プロジェクトメンバーが決まった後、メンバー間の役割分担はどうなのか?

「案件の内容によって、僕らメンバーの間でも得意、不得意が出てきます。例えば同じ提案を伝えるのでも、エッジを効かせた雰囲気で話すタイプのメンバーが有効なお客さまの場合もあれば、逆に素朴な雰囲気で話をするタイプの方が有効な場合があります。また、場合によってPMとはいっても、基本的に手を動かす仕事を多くこなすこともあるし、エンジニアが全体をまとめていく立場に比重を置いていくこともありますね」(加藤氏)

社歴や実績でリーダーやフォロワーが決まってしまうのが、一般的な組織のあり方だ。大規模開発プロジェクトならばリーダー人材とエンジニアとの間には、明確に一線が引かれていたりもする。仮に特定の技術しか用いず、常に同じ業界の似通ったBtoB案件しか扱わない開発会社なら、それでも機能するのかもしれない。しかし、幅広い内容のプロジェクトを扱うチームラボでは、そうした組織では成立し得ない。

「エンジニアにとってみれば、やりたいことをやれるチャンスが常にあるということ。そういう良い意味での柔らかさがモチベーションの高さにつながっています。それに、PMにしろ、エンジニアにしろ、ある程度実績を積んでくるとお客さまの方から名指しで声が掛かったりもします。そうなれば、チーム編成もスピーディに進みます。柔らかくて、早い。それがチームラボの良さだと思います」(加藤氏)

全員が共通して持つ「問題解決」への意識

「アイデアベースのものを形にしやすいのもチームラボの特徴」(加藤氏)

「アイデアベースのものを形にしやすいのもチームラボの特徴」(加藤氏)

加藤氏が指摘した「柔らかさ」の利点は、役割分担の面ばかりではないようだ。

「開発案件の企画ミーティングをしていると、最初から席にいる人間だけでなく、途中でちらっと顔を出した社員がアイデアを出してその場を去っていく、ということもあります。そのアイデアが面白くて、決定しちゃうこともよくありますよ」(加藤氏)

アイデアを出したから偉いというわけでもなければ、そのアイデアを形にしたから偉いわけでもない。「お客さまの問題解決のために良いモノはすべて取り入れる」という柔軟な体制だからこそ、仕事の質も上がっていくのだ。

「技術の面でもそうですよ。開発メンバー全員に共通するのは『どの技術を使うか』ではなく『どうすればお客さまの問題を解決できるか』に関心が集中している点。『こんな風に作れたら面白い!』となったら、それを実現するにはどの技術とどの技術を組み合わせれば良いか、を考えれば良いんです。どんな組み合わせになっても、いろんな開発者がいるおかげで、ちゃんと作れますからね」(石田氏)

「厨二病の集団」が醸し出す、少年ジャンプな世界観

「技術者の多様性もさることながら、人間性の面でも多様な人が多い」と、加藤氏は話す。

「例えば、普段はほとんどしゃべらないのにネット上のコミュニケーションスキルがやたら高い人とか、絶対に残業をしない人とか。残業をしないメンバーがすごいのは、時間が来たら仕事を途中でやめちゃうのではなく、どんなに膨大な仕事を抱えても確実に定時までに終わらせちゃうくらいスキルがあります」(加藤氏)

他社では抑えないといけなかったりする自我を解放できるのが、チームラボらしさ。「それがプロダクトに大きく影響を与えている」と二人は語る

他社では抑えないといけなかったりする自我を解放できるのが、チームラボらしさ。「それがプロダクトに大きく影響を与えている」と二人は語る

二人の統一見解は、技術の多様性同様に、こうした人間的な多様性もしっかりと仕事に活きている、という点。クライアント次第、局面次第で、彼らが持つ個の強さや特長が、企画アイデアや技術面での発想転換につながるのだ。

そしてもう一つの統一見解がある。それは「開発姿勢のまじめさ」だ。

「チームラボの開発メンバーはみんな、スケジュール管理やテストに余念がない。バラバラな個人の集まりのように見えて、当然なのですがそういう軸は共有できています」(石田氏)

「もちろん、『もっと面白いものを』という気持ちの強さも共通点ですから、お客さまに提案をいくつか持って行く時なんかは、『きっと、これは通らないだろうけど、ダメもとで持って行こう』とか言って、めちゃめちゃ個性的なビジュアルのモノとか、今までにない動きをするものとか、そういうのを作りますが、それがすべてじゃあない」(加藤氏)

開発姿勢はまじめでも、ユニークなプロダクトを生み出すことができるヒントが、次の石田氏の発言に隠されていた。

「何て言えば良いのか分かりませんが、まじめ、まじめ、厨二病、まじめ、厨二病、まじめ、みたいな(笑)、そういうチャンネルの切り替えをしながら仕事をしている人が多い気がします」(石田氏)

要するに、子どもじみた発想で何かをやってしまう。それが社内的に許されているところもあるため、みんなに浸透しているのだそうだ。そうした『ときどき厨二病』的な面が、発想にも役立っているのかもしれない。

「この部分がチームラボらしさというか、ほかのSIerとの違いなのかもしれません。多分、全員の気持ちの中に子どもが住んでいる。子どもだから、一度同じ方角を向いた時の結束の力は強いんですよ」(石田氏)

「あ、確かにそうだね。一度『これでいこう!』となったら、チームワークと努力でお客さまの課題解決を勝ち取る。もはや少年ジャンプみたいなチームですね(笑)」(加藤氏)■こんなチームで働くことに興味を持ったらチームラボ採用情報をCheckしてみて!!

取材・文/森川直樹 撮影/小禄卓也(編集部)

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