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[コラム]130%増の市場拡大が見込まれるソーシャルゲーム業界。ベンダーが「受託開発のパッケージ化」を推進する理由

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ソーシャルゲーム市場が花盛りだ。

2012年1月17日に発表された調査では、広告収入を除く国内の市場規模が2011年度で推計2570億円。2012年度には33.4%増の3429億円と予測されている(矢野経済研究所調べ ※PDFが開きます)。

株式会社テンダ 専務取締役
吉村勇作氏

世界に目を向けても、2015年までに50億ドル規模に市場が急成長すると試算が出されるなど、ソーシャルゲームが国境を越えた巨大ビジネスへと成長を遂げつつあるのは、もはや既定路線といって差し支えない(Parks Associates調べ)。

無論、新規参入を目指す企業も日増しに増え続けている。

「特に、パッケージ開発を中心に展開していたゲーム開発会社や、ゲーム素材になり得るコンテンツを持つ企業からの引き合いが増えています」

そう話すのは、株式会社テンダで専務取締役を務める吉村勇作氏だ。

1500万円を360万円に圧縮! パッケージだから実現できた価格設定

テンダは1995年以来、ビジネスパッケージソフト開発のほか、フィーチャーフォン向け公式サイトを手掛ける中で培ったゲーム開発ノウハウをパッケージ化。

Social Krei

最近はやりのカードバトル機能の開発もパッケージ内容に含まれている

2011年9月、スマートフォンに対応したゲーム開発ニーズの高まりを受け、新たにソーシャルアプリ開発のパッケージサービス『Social Krei(ソーシャルクレイ)』をリリースした。

このパッケージの特長は、360万円という価格でソーシャルゲームの基本機能を開発できる点にある。

「ソーシャルゲーム開発経験が豊富なプランナーが企画立案からかかわりますし、基本パッケージで実現可能な機能をあらかじめ明確化していますから、ソーシャルゲームに関する開発ノウハウがないお客さまでも安心してご利用いただけます」

SK

Social Kreiの基本料金表。それまでの開発費用と比べ、大幅にコストダウンした

仮にSocial Kreiの基本パッケージに含まれる機能すべてを開発会社にオーダーすれば、「1500万円以上の費用が掛かる」と吉村氏は話す。しかし、同社はソーシャルゲームに必要な基本機能を網羅的にコンポーネントとして搭載し、機能のプログラミングを不要とすることで、360万円という野心的な価格を実現した。

これにより、キャラクターやアイテムのデザイン、システムUIデザインなどの作成や、特有機能の新規カスタマイズ開発だけ行い、企画から約2カ月以内でリリースに漕ぎつけることも可能になったという。

「開発者は社内だけで90名。また外部にもディレクターやプログラマー、クリエーターの豊富なネットワークを持っており、多くの需要に応えることが可能です。また、ソーシャルゲームの大きな特徴として、リリース後のチューニングの良しあしがユーザー数や売り上げに大きな影響を与えるため、運用には特に力を入れています。

プレーヤーの動きを見ながら画面遷移や導線を見直したり、定期的にイベントを打って集客を活性化したりすることによって、”売れる”ソーシャルゲームを作り上げていきます。もちろんこれも基本パッケージで対応可能です」

マネタイズにコミットすべく、これからのベンダーは戦略から携わるべき

「トレンドに素早く対応しつつ、マネタイズを考慮した設計と運用が求められている」(吉村氏)

「トレンドに素早く対応しつつ、マネタイズを考慮した設計と運用が求められている」(吉村氏)

『Social Krei』の魅力は、開発ツールとしての基本機能にとどまらず、企画したゲームを作り上げ、その魅力をさらに向上させていく一連のサイクルを内包している点にあるようだ。

「今、顧客が求めているのは、ソーシャルゲームに”売れる”ロジックをいかに持たせるかということ。そのためには、回転の速いトレンドに素早く対応しながら、マネタイズポイントを外さない設計と運用が大きな成功を生み出すカギになると考えています。

今後、数カ月内に『Social Krei』を活用したゲームが市場に投入されていきますが、ここで大きな成功を納められるかが今後の試金石になるでしょう」

取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/桜井 祐(編集部)