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[特集: 2012年ITバズワード大予測! 5/5] IT識者たちが実践する、「変化の大波」を乗り切る情報収集の極意

公開

 

ここまで「2012年のITバズワード予測」を繰り広げてくれた9人も、日々の仕事は一般のエンジニア、経営者とさほど代わりがない。では、なぜ今回披露したような「先読み」ができるのか?

その大きな要因であるはずの「情報収集のやり方」について、それぞれ独自のスタンスを持っている3人に、自身が実践してきた手法を聞いてみた。

安生真氏「UI・UXは、ユーザーの生の声を聞くのが吉」

安生氏

エンジニアとしての課題にUI・UXを挙げる安生氏。この分野は、実際のユーザーの声を聞くのが一番早いと話す

エンジニアとしては、スマートフォンのUI、UXをPCのブラウザとは別の視点で見つめ直す必要があるため、デザイン系のメディアやあるいはスマートフォン利用者の生の声をマメに聞いてみるのが良いのではないでしょうか。

Androidに関しては、わたしも運営にかかわっている日本Androidの会の定例会などで、なるべくホットなトピックを扱っています。

3Dに関しては、Unity3Dの本家サイトKhronos Groupのサイトをチェックしています。Unityはたまに勉強会を開催しているので、そちらもチェックしています。

セキュリティに関しては、一般的なIT系メディアと、高木浩光先生でしょうか。

倉貫氏「自分の次のステップを意識した情報PickUpを

倉貫氏

「特定のメディア・個人を追えば事足りる時代は終わったのでは」と語る倉貫氏

わたし自身、FacebookやTwitterのアカウントはありますし、フォローしている人もいますが、何か気付いたり学ぶというのは、どれか特定のメディアや人に集中してるわけではありません。

本当に有益な情報ならば、わたしがフォローしている人たちの中で何度も話題になったりリツイートされたりしてくることで発見することができます。どこかの権威的なメディアやオーソリティな人を信頼するということはなくなりました。

このように、ソーシャルメディアはわたしにとって貴重な情報源になっています。それ以外で、わたしが頭を刺激されると感じるのは、大抵お客さまである経営者の方や、同業の経営者と話すことだったりします。

同じ目線で物事を考えている方からの情報はとても刺激になりますし、それはソーシャルメディアだけでは得られない情報です。技術者なら、おそらく自分の興味と同じ志向を持つ人たちが集まるコミュニティや勉強会で、人と話をする感覚に似ているように思います。

例えば、あなたがもし起業したいと思った場合、コワーキングスペースに行ってみたり、スタートアップ企業の集まりに参加してみるのも良いでしょう。最近は、新しいビジネスを立ち上げるのにベストな環境が整ってきていると思います。また、そういう場に身を置いてみれば、同じように新しいサービス、新しいビジネスを提供したいと考えている人に出会うこともできます。そこから刺激を受けることも、大切なことだと思います。

情報収集をがむしゃらに行うだけではなく、その情報を得た後のネクストステップを想定しながら行動すれば、きっと2012年のITトレンドの変化も乗り切れるのではないでしょうか。

宮原氏「アウトプットは最大のインプット」

宮原氏

「インプットだけしているうちは、ほとんど学習したとは言えないと思います。アウトプットをして、やっと8割の学習効果が得られます」宮原氏

テーマの趣旨からずれてしまうかもしれませんが(笑)、わたしの持論としては、インプットの方法よりもアウトプットの方法を重視してもらいたいです。

わたし自身、ほとんどTwitterを見ませんし、Facebookもフレンド登録のリクエストメールをクリックする程度。Twitterのフォローなどは、相手主導の情報収集スタイルで、結局は受け身。わたしが勉強会ブームに少し批判的なのは、「参加しているだけで満足」する受け身の人が多いからです。

Twitterのつぶやきにしても、勉強会にしても、人に教える・情報を提供するというところまでいってやっと8割の学習効果が得られます。何らかのアウトプットをして、それに対するフィードバックをインプットしていく――この過程を経て、自分の血となり肉となっていくと思うのです。これが、最も有益な情報源ではないでしょうか。

勉強会で言えば、わたしが参加するオープンソースカンファレンスを始め、最近では多くの勉強会でライトニングトークという自由参加の5分間プレゼンテーションがあります。自分の趣味の話をする人もいれば、技術的な話をする人もいるので、アウトプット初心者の方はまずはそこで発表してみるのも良いかもしれません。

また、社内勉強会を主催するのもお勧めです。勉強会を主催すれば、自分が教える立場にもなれる。そうすれば、自ずと技術知識を学ばないといけないし、発表後のフィードバックもしっかりもらえますから。

最後に、自分で興味のあるプロダクトに触ってみるのは、情報収集スタイルとしては非常に有効です。例えばクラウド。アマゾンなら1年間無料でクラウドサービスを使えるので、まずは触ってみるのです。そうすると、触りながらそのサービスの仕組や構造まで理解できてしまうかもしれない。本来、技術者というのは知的好奇心の塊のようなものですから(笑)、遊び感覚でプロダクトに触れ、そこから学ぶ姿が理想なのかもしれませんね。

取材・文/浦野孝嗣、小禄卓也(編集部) 撮影/小禄卓也(編集部)

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