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[特集: 時代を切り拓く新プロダクトを創れ! 3/3] アプリケーションのマネタイズを促進するスマホ向けCMSを、全方位的に拡大せよ

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◆コニットが描く『Samurai Purchase』

2010年11月にリリースされた、スマートフォン向けデジタルコンテンツ課金支援サービス。コンテンツ配信サーバ・管理画面・WebAPIをセットした
ASP型サービスとして、大手エンタテインメントメディア企業のデコメールアプリや大手出版社の電子書籍アプリをはじめ、大きなシェアを獲得している。

今年9月に大幅なリニューアルを敢行した『Samurai Purchase』。同ツールの開発リーダーであり、リニューアルの指揮を執ったコニット取締役の阿久津健氏は言う。

日々ファインチューニングに励む『Samurai Purchase』の、開発チームを率いる阿久津氏

日々ファインチューニングに励む『Samurai Purchase』の、開発チームを率いる阿久津氏

「『Samurai Purchase』はこれまで、ユーザビリティよりも新機能を詰め込んでいくことに注力してきました。そのため、今度のリニューアルバージョンでは『シンプルな機能でアプリ開発をしやすい』点を強化しています」

SDKの導入によるiOSにおけるプッシュ通知対応など、必要とされる機能の提供は継続しつつ、『Samurai Purchase』の新規ユーザーも即開発をスタートできるような分かりやすさや操作性を強化した。COOであり副社長の青木崇氏はこう語る。

「例えばAndroid端末がここへきて一気に増え、エンドユーザーの拡大がハイスピードで進行しています。一方、iPhoneでもキャリアの選択肢が広がる可能性が見えてきました。こちらも急激にユーザーを増やすことは間違いありません。さらにWindows Phoneなど第3、第4のデバイスも成長すれば、市場はますます成長していくでしょう。『よりシンプルなCMSを提供しつつ、個別の細かなニーズにも対応していく』。それがコニットの使命だと考えています」

リニューアル開発チームは、リーダーの阿久津氏を含め4人。当初は、受託開発案件も多く、すべてのエンジニアが手一杯な状態。しかし、設立から3年が経ち、ネクストフェーズとして自社サービスの強化にシフトしていく上では、R&D事業の中でもとりわけ存在意義の大きな『Samurai Purchase』の改善は最優先課題であった。そこで、いずれもエース級の3人を阿久津氏がとりまとめ、短期間でのリニューアルを成し遂げたのだ。

そこには、大手にありがちな上下関係のヒエラルキーなどない。誰もがフラットな目線で意見を出し、アイデアをぶつけ合うという。「ツアーコンダクターの資格ホルダー」という阿久津氏の珍しい前歴が、もしかしたら自由な人間関係の構築に好作用しているのかもしれない。

潤沢な開発資金力で、課金ビジネスのネクストフェーズに着手

今では『Samurai Purchase』を核とするSamuraiシリーズの開発に向け、総勢6人のエンジニアがかかわっているとのこと。

「CMSモジュールとして『Samurai Purchase』の地位を確保したなら、さらにお客さまからの要望はたくさん届くはず。例えばマーケティング効果に直結するユーザー行動分析機能などは、以前から多くのお客さまにご要望をいただいています。そのため、ゆくゆくは『Samurai Analysis(仮)』のように一貫したベースをもとにシリーズ化したモジュールでこれらに対応できれば、よりお客さまのビジネスに貢献できます」(阿久津氏)

スマートフォンアプリにおける行動分析は、実はまだまだ手法が確立されていないフィールドだと青木氏も言う。

「営業と開発チームとの連携で、より良いプロダクトへと成長させていきたい」と話す青木氏。

「営業と開発チームとの連携で、より良いプロダクトへと成長させていきたい」と話す青木氏

「例えば、1人のエンドユーザーが1日にどれだけのお金を何に使っているか。どんな場所でどれだけの時間を、どのように費やしているのか。そうした行動分析の精度が上がれば、エンドユーザーが求めている要素を把握できるだけでなく、課金ビジネスの次なる展開にも活用が可能になります。そして、これらの可能性においても、電通様とのパートナーシップは大きな意味を持ってくる。そう考えています」

そもそも『Samurai Purchase』は、電通との提携により共同開発したツール。潤沢な開発資金を得たばかりでなく、事業的な可能性においても大きな追い風になっている。また、今年9月にサンフランシスコで開催されたTechCrunch DISRUPTへのブース出展などを通して、海外マーケットへの発信にも積極的だ。

最先端のデバイスや技術を取り入れて、最適なサービスを作りたい

では、今後の成長に伴い、同社が抱える技術的な課題とは一体何なのか。

東京オフィスでは、パーティションのないフラットなオフィスで開発に取り組んでいる

東京オフィスでは、パーティションのないフラットなオフィスで開発に取り組んでいる

国内でナンバーワンCMSとなり、その地位を確保していけば、今まで以上に最先端の技術が求められる。iOSでもAndroidでもWindows Phoneでも、多様化するOSに対して同様の開発環境をデベロッパーに提供していくには、UIデザインを進化させていかなければならない。

端的に言えば、いかにユニバーサルなUIデザインを作れるか、が課題になってくるのだ。「新しいデバイスをいち早く触ることはもちろん、各自で新しい技術を取り入れてみるのも当社は大歓迎」と阿久津氏が言うように、アーリーアダプタタイプのエンジニアにとっては、やりがいのある場になるんじゃないだろうか。

「Samuraiシリーズ化の早期実現に向けて、阿久津からは相変わらず『エッジのきいた技術の持ち主が大至急必要』と突っつかれています(笑)。すでに『Samurai Purchase』はCMS領域でトップクラスのプレイヤーですから、最先端の技術投入が好きなようにできるのも事実。海外へのビジネスの拡大も現実味を帯びてきています。新しいことにチャレンジしたいエンジニアにどんどん参画してもらえたらうれしいですね」(青木氏)

取材・文/武田敏則(グレタケ)、森川直樹 撮影/小禄卓也(編集部)

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